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2026年2月6日

EC・AIコマース ニュースダイジェスト(2026年2月6日)

目次
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この記事のポイント

  1. Criteo、AIショッピングアシスタント向けエージェンティックコマースAPIを発表
  2. GoogleがAIモード内にチェックアウト体験を計画、議員がプライバシーを追及
  3. エージェンティックコマースのインフラ整備が推薦・決済・検知の各層で加速

今日の注目ニュース

Criteo、AIショッピングアシスタント向け「Agentic Commerce Recommendation Service」を発表

広告テクノロジー大手のCriteo(NASDAQ: CRTO)は、AIショッピングアシスタント向けの新サービス「Agentic Commerce Recommendation Service」を発表しました。このAPIにより、ChatGPTやPerplexityなどのAIアシスタントがCriteoの保有するコマースデータ(取引履歴・購買パターン等)にアクセスし、商品推薦の精度を大幅に向上させることが可能になります。

Criteoによると、同サービスはテキストベースの推薦(商品説明文のセマンティックマッチング)と比較して、推薦の関連性が60%向上しています。これは、実際の取引データに基づく推薦が、商品説明文だけに頼る手法を大きく上回ることを示しています。

エージェンティックコマースの普及に向けて、AIアシスタントが「何を推薦するか」の品質が競争の鍵となっています。Criteoのサービスは、この商品推薦インフラとして重要な位置づけを持ちます。

詳細記事: Criteo、AIショッピングアシスタント向け商品推薦API「Agentic Commerce Recommendation Service」を発表

GoogleがAIモード内にチェックアウト体験を計画、議員はプライバシーを追及

Googleは、AIモード(Geminiベースの検索体験)内に新たなチェックアウト機能を計画していることが明らかになりました。同社はUniversal Commerce Protocol(UCP)を活用し、ユーザーがAI検索結果から直接商品を購入できる体験の構築を進めています。

一方で、エリザベス・ウォーレン上院議員がGoogleに対し、Geminiチェックアウト機能におけるプライバシー保護と消費者データの取り扱いについて書面で質問を送付しました。UCPの拡大に伴うAI主導のショッピングにおける独占的な影響力への懸念が背景にあります。

AI検索から購買までのシームレスな体験は巨大な商機である一方、プライバシーと競争政策の観点からの監視も強まっています。エージェンティックコマースの健全な発展には、利便性と規制のバランスが不可欠です。

詳細記事: GoogleがAIモード内にチェックアウト機能を計画――ウォーレン議員はプライバシーと独禁法で追及

エージェンティックコマース

O'Reilly Mediaが「エージェンティックコマース革命」を解説

テクノロジー出版大手のO'Reilly Mediaは、エージェンティックコマースの全体像を解説する記事「The Agentic Commerce Revolution」を公開しました。記事では、プロトコル(UCP、MCP等)の先にある「AI-firstの世界に向けたビジネスの再設計」をテーマに、企業が取るべきアクションを論じています。

エージェンティックコマースは単なる技術トレンドではなく、ECビジネスのアーキテクチャそのものを変革する動きとして、業界全体が注目する段階に入っています。O'Reillyのような技術メディアが包括的な解説記事を出すこと自体が、この領域の成熟を示しています。

詳細記事: O'Reillyが解説する「エージェンティックコマース革命」――プロトコルの先にあるAI-first時代のビジネス再設計

VISA:エージェンティックコマースは決済の次のフロンティア

Visaは、AIエージェントが消費者に代わって商品のリサーチから購入までを完了する「エージェンティックコマース」が、グローバル決済業界の次の大きな転換点になると述べました。

決済ネットワーク最大手がエージェンティックコマースを「次のフロンティア」と位置づけたことは、この領域が実験段階からインフラ整備の段階に移行しつつあることを示しています。AIエージェントによるエージェンティック決済をどう認証・処理するかは、今後の業界共通課題となります。

cside、AIエージェント検知ツールキットを発表

csideは、Webサイト上でAIエージェントのアクセスを検知・制御するツールキットを発表しました。このツールは、悪意あるエージェント(スクレイピングや不正アクセス)をブロックしつつ、正規のAIショッピングエージェントを適切に案内する機能を提供します。

エージェンティックコマースの普及に伴い、Webサイト側がAIエージェントを識別し、適切なアクセス権限を付与する仕組みの需要が高まっています。セキュリティとコマースの両立を実現するインフラツールとして注目されます。

グローバルEC動向

ドイツ連邦カルテル庁、Amazonのパートナー価格規制を禁止

ドイツ連邦カルテル庁(Bundeskartellamt)は、Amazonがドイツのマーケットプレイスにおいて出品者の価格設定に介入することを禁止しました。Amazonはこれまで、他のチャネルよりも高い価格を設定する出品者に対してペナルティを課す慣行を行っていました。

この決定は、欧州におけるプラットフォーム規制の強化の一環です。EU全体でのデジタルマーケット法(DMA)の施行と相まって、巨大プラットフォームの市場支配に対する規制の流れが加速しています。EC事業者にとっては、自社の価格戦略の自由度が増す可能性があります。

TikTok米国移行の混乱、ブランドの売上に影響

TikTokの米国での運営移行が混乱を見せています。新オーナーのもとでの移行作業中に一時的なサービス停止が発生し、プラットフォーム上でビジネスを展開するブランドの売上に直接的な影響を与えました。

一部のブランドはTikTok Shopへの出稿や在庫投入を一時見合わせる動きも出ており、プラットフォーム依存のリスクが改めて浮き彫りになっています。ソーシャルコマースの成長にとって、プラットフォームの安定性は不可欠な要素です。

メキシコEC市場が24%成長、実店舗を超える

メキシコの小売業界で、EC市場が2025年に前年比24%近い成長を記録し、実店舗の成長率を上回りました。全国小売業協会(ANTAD)のデータによるものです。

ラテンアメリカのEC成長を牽引するメキシコ市場の急拡大は、同地域への越境EC参入を検討する事業者にとって重要なシグナルです。モバイル決済の普及とインターネットインフラの改善が成長を後押ししています。

企業動向・提携

Amazon、年間売上$700Bで初めてWalmartを超える見通し

Amazonは2025年度第4四半期決算を発表し、年間売上高が7,000億ドルを超えました。このペースが続けば、年間売上で初めてWalmartを上回る見通しです。広告収入は前年比23%増の213億ドルに達し、AWS(クラウド事業)も好調を維持しています。

一方で、米国の関税政策の変化がAmazonのビジネスに与える影響への懸念も指摘されています。特に中国からの輸入品への追加関税は、サードパーティセラーのコスト構造に影響を与える可能性があります。

Meituan(美団)、Dingdong(叮咚買菜)を$717Mで完全買収

中国のフードデリバリー大手Meituan(美団)は、生鮮食品EC企業Dingdong Maicai(叮咚買菜)を7億1,700万ドルで完全買収することを発表しました。この買収により、Meituanは生鮮食品のオンデマンドデリバリー市場への本格参入を果たします。

中国の生鮮EC市場は競争が激しく、多くのプレイヤーが撤退や縮小を余儀なくされてきました。Meituanの既存の配送ネットワークとDingdongの生鮮EC知見を組み合わせることで、新たな競争優位が生まれる可能性があります。

Costco、1月売上9.3%増でEC売上が34.4%急伸

Costcoは2026年1月の売上高が前年比9.3%増の213.3億ドルに達したと発表しました。特にEC売上は34.4%の急伸を記録しています。

会員制ウェアハウスクラブのオンラインチャネル強化が着実に成果を上げていることを示す数字です。実店舗の強みを持つ大手小売がECでも成長を加速させる動きは、オムニチャネル戦略の重要性を裏付けています。

物流・フルフィルメント

ShipBob「2026 State of Ecommerce Fulfillment」レポートを発表

グローバルフルフィルメントプラットフォームのShipBobは、年次レポート「2026 State of Ecommerce Fulfillment」を発表しました。200以上のデータポイントを基に、ECフルフィルメントの最新トレンドを分析しています。

レポートの主な知見として、「オムニチャネルが主流」「グローバルなネットワーク設計がブランドの差別化要因」という2点が挙げられています。D2Cブランドにとって、自社ECだけでなくマーケットプレイスや実店舗を含めた統合的なフルフィルメント戦略の構築が競争力の源泉になりつつあります。

まとめ

本日のニュースでは、エージェンティックコマースのインフラ整備が複数のレイヤーで進展していることが際立ちます。Criteoの商品推薦API、Googleのチェックアウト機能、VISAの決済戦略、csideのエージェント検知ツールと、推薦・購買・決済・セキュリティの各層でエージェンティックコマースの実装が加速しています。

一方で、ウォーレン議員のプライバシー追及やドイツのAmazon規制など、規制面の動きも活発です。エージェンティックコマースが実用化に向かう中、テクノロジーの進化と規制のバランスが今後の重要テーマとなります。