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2026年1月16日

WalmartとGoogleがエージェンティックAI提携を発表:小売業の新時代が始まる

目次
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この記事のポイント

  1. WalmartとGoogleがNRF 2026でエージェンティックAI提携を発表、Gemini AIで買い物が完結
  2. Universal Commerce Protocol(UCP)というオープン標準を採用し業界標準化を推進
  3. OpenAIとも提携済みでマルチAIプラットフォーム戦略を展開

NRF 2026での歴史的発表

2026年1月11日、全米小売業協会(NRF)の年次カンファレンス「The Big Show」において、小売業界を揺るがす大型提携が発表された。Walmart Inc.の次期CEO John Furner氏と、Google/Alphabet CEOのSundar Pichai氏が共同でステージに立ち、エージェンティックAIによる新しいショッピング体験の構築を明らかにした。

この提携は、消費者がGoogleのGemini AIと対話するだけで、Walmartの商品を検索し、カートに追加し、決済まで完了できるという革新的なものだ。従来のウェブ検索やアプリ操作を経由せずに、自然な会話の中でショッピングが完結する。

エージェンティックショッピングの仕組み

1. 商品検索と発見

ユーザーがGemini AIに「春のキャンプ用品を探している」と伝えると、AIは自動的にWalmartとSam's Clubの在庫からリアルタイムで関連商品を提案する。価格、在庫状況、配送オプションもすべて会話の中で確認できる。

2. パーソナライズされた推薦

WalmartアカウントとGoogleアカウントを連携すると、過去の購入履歴に基づいたパーソナライズされたレコメンデーションを受けられる。「いつものコーヒー」や「先月買った洗剤と同じもの」といった曖昧なリクエストにも対応可能だ。

3. シームレスな決済

Geminiアプリ内で直接決済が完了する。Google Payを利用し、Walmart+やSam's Clubの会員特典も適用される。商品はWalmartから発送され、WalmartがMerchant of Record(取引責任者)として位置づけられる。

4. 即日配送オプション

地域で在庫がある商品は3時間以内に配送可能。一部商品は30分以内の超速配送にも対応する。数十万点の商品が即日配送の対象となる。

Universal Commerce Protocol(UCP)とは

この提携の技術的基盤となるのが、Googleが発表したUniversal Commerce Protocol(UCP)だ。Pichai氏は「エージェンティックコマース時代のために設計されたオープン標準」と説明した。

UCPの特徴

特徴説明
オープン標準特定企業に依存しない業界共通のプロトコル
参画企業Shopify、Etsy、Wayfair、Target、Walmart等が共同開発
賛同企業20社以上が正式に支持を表明
対応範囲商品発見から決済完了までの全プロセス

UCPにより、AIエージェントは各小売業者のシステムと標準化された方法で連携できる。これまで各社バラバラだったAPIや決済フローが統一され、消費者は一貫したショッピング体験を得られる。

Walmartのマルチプラットフォーム戦略

興味深いのは、Walmartが2025年10月にOpenAIのChatGPTとも同様の提携を結んでいることだ。

Walmart EVP兼CTOのHari Vasudev氏によると:

ChatGPTとの体験は主に単品購入に焦点を当てている。一方、Geminiでは買い物の旅全体を非常にタイムリーな方法で完結できる

Source: Hari Vasudev, Walmart EVP兼CTO

つまり、Walmartは両AIプラットフォームに対応することで、消費者がどちらのチャットボットを信頼し利用するようになっても対応できる体制を整えている。これは小売業者として極めて戦略的な判断だ。

業界への影響

小売業者への示唆

WalmartがGoogle UCPを採用したことで、他の大手小売業者もオープン標準への参画を検討せざるを得なくなる。すでにTarget、Wayfair、Etsy、Shopifyが開発に参加しており、業界標準化の流れは加速するだろう。

消費者行動の変化

Pichai氏は「キーワード検索から自然な会話への根本的な変化」と表現した。消費者は検索結果をスクロールして比較検討する従来の行動から、AIに要件を伝えて最適な選択肢を提示してもらう行動へと移行していく可能性がある。

AI競争の激化

GoogleとOpenAIの両プラットフォームがコマース機能を強化する中、小売業者は複数のAIへの対応を迫られる。これにより、AI間の競争がさらに激化し、消費者にとってはより便利なショッピング体験が実現していくことが期待される。

次期CEO John Furner氏のビジョン

今回の発表でFurner氏は、エージェンティックコマースに対するWalmartの姿勢を明確にした:

従来のウェブやアプリ検索からエージェント主導のコマースへの移行は、小売業における次の大きな進化を表している。我々はこの変化を見守るだけでなく、推進している

Source: John Furner, Walmart次期CEO

この発言は、Walmartが単なる追随者ではなく、業界変革の主導者として位置づけようとしていることを示している。

今後の展開

  • 米国での先行ローンチ:まずGeminiアプリ内で米国ユーザー向けに提供開始
  • 国際展開:その後、国際市場へ順次拡大予定
  • 機能拡張:会話型ショッピングの機能は継続的に強化される見込み

まとめ

WalmartとGoogleの提携は、エージェンティックコマースが理論段階から実用段階へ移行したことを象徴する出来事だ。オープン標準UCPの採用、マルチAIプラットフォーム戦略、30分配送との連携など、技術と物流の両面で小売業の新しい形を提示している。

今後、他の小売業者がこの流れにどう対応するか、そしてAmazonのような独自システム派がどう出るかが、業界の勢力図を左右する重要なポイントとなる。