Stellagent
お問い合わせ
2026年1月10日

EC・AIコマース ニュースダイジェスト(2026年1月10日)

目次
シェア

この記事のポイント

  1. 消費者の58%がAIツールで商品調査、購買行動の変化が加速
  2. Kroger子会社をiHerbに売却、EC事業再編の動き
  3. NRF 2026を機にエージェンティックAI関連発表が相次ぐ週

今日の注目ニュース

消費者の58%がAIツールを商品調査に活用、購買行動が変化

Ecommerce News Europeの報道によると、消費者の58%がすでにAIツールを商品調査に利用していることが明らかになりました。

この数字は、AIが購買プロセスの初期段階で重要な役割を果たし始めていることを示しています。従来の検索エンジンによる商品調査から、ChatGPTやCopilotなどのAIアシスタントへの移行が進んでいます。

EC事業者にとっての示唆は大きいです。消費者がAIに「おすすめを教えて」と尋ねたとき、自社商品が推薦されるかどうかが今後の売上を左右する可能性があります。商品データの構造化、AIが解釈しやすいメタデータの整備が急務となっています。

この調査結果は、今週NRF 2026で発表されたMicrosoft Copilot CheckoutやSAPのStorefront MCP Serverなど、AIエージェント向けのソリューションが登場する背景を裏付けています。

Salesforce:年末商戦はAI活用で高コンバージョン、EC成長を牽引

Salesforceの調査によると、2025年末のホリデーシーズンにおいて、AIが購買意欲とコンバージョン率の向上に大きく貢献したことが判明しました。

AIを活用した商品レコメンデーションや検索機能の最適化により、消費者の購買意欲が高まり、結果としてEC全体の成長を後押ししています。生成AIによるパーソナライゼーションが、従来のルールベースのレコメンドより効果的であったとの分析です。

この結果は、2026年以降もAI活用がEC成長の鍵となることを示唆しています。

企業動向・提携

KrogerがVitacostをiHerbに売却、ヘルスケアEC事業を再編

米小売大手Krogerは、健康食品EC子会社のVitacostをiHerbに売却すると発表した。

VitacostはKrogerが2014年に買収したオンライン健康食品小売業者で、サプリメントや自然食品を中心に展開してきた。一方のiHerbは、175カ国以上に展開するグローバルな健康食品ECプラットフォームである。

この売却は、Krogerが食料品小売のコア事業に集中する戦略の一環と見られる。ヘルスケアEC市場では専業プレイヤーの統合が進んでおり、iHerbはこの買収でさらなる規模の経済を追求する。

Macy'sの閉店数が大幅減少、変革計画が成果

米百貨店大手Macy'sは、2026年の閉店数を14店舗にとどめると発表した。2025年の66店舗閉鎖から大幅に減少している。

同社が進める「Bold New Chapter」戦略のもと、既存店舗の改装・体験強化が功を奏し、改装済み店舗では売上がプラスに転じている。Macy'sは今後、小型フォーマットの「Market by Macy's」やオムニチャネル強化に注力する方針だ。

小売業界全体では店舗閉鎖が続く中、戦略的な店舗投資が成果を上げた事例として注目される。

Pacsunがソーシャル機能搭載のECアプリを発表

ファッション小売のPacsunは、ソーシャル機能を統合した新しいECアプリをリリースした。

新アプリでは、ユーザー同士がコーディネートを共有したり、お気に入りアイテムについてコメントを交換できる。Z世代をターゲットにした同社らしい取り組みで、ソーシャルコマースへの対応を強化している。

SNSプラットフォーム上での購買が増加する中、自社アプリ内でソーシャル体験を完結させる戦略は、ブランドロイヤルティ構築に寄与する可能性がある。

AIコマースツール

AI決済オペレーションの自動化が進展

Payments Diveによると、決済オペレーション領域でのAI活用が加速している。

不正検知、取引監視、カスタマーサポートの自動化など、決済プロセス全体でAIが活用され始めている。特にエージェンティックAIの台頭により、従来は人間の介入が必要だったタスクの自動化が進んでいる。

決済事業者にとっては、オペレーションコストの削減と同時に、不正対応のスピード向上が期待できる領域となっている。

物流・フルフィルメント

ベトナムEC市場、物流がボトルネックに

Fibre2Fashionの報道によると、急成長するベトナムのEC市場において、物流インフラがボトルネックとなっている。

ベトナムのEC市場は東南アジアでも有数の成長率を示しているが、ラストマイル配送の遅延、倉庫キャパシティの不足、配送コストの高さが課題として浮上している。都市部と地方部の物流格差も拡大している。

グローバルEC事業者がベトナム市場に参入する際は、物流パートナーの選定が成功の鍵となる。

カナダで3PL活用によるEC成長支援が活発化

RGX Groupが、カナダにおける3PL(サードパーティロジスティクス)ソリューションでEC事業者の成長を支援している事例が報じられた。

カナダのEC市場拡大に伴い、フルフィルメントの外部委託需要が高まっている。RGX Groupは倉庫管理から発送までの一貫したサービスを提供し、中小EC事業者のスケーラビリティを支援している。

北米市場への越境ECを検討する事業者にとっては、現地3PLパートナーの活用が有効な選択肢となる。

グローバルEC動向

IKEA、値下げ戦略で販売数量2.6%成長も利益は横ばい

IKEAは、積極的な価格引き下げ戦略により販売数量が2.6%成長したものの、利益は横ばいにとどまったと発表した。

消費者の価格感度が高まる中、IKEAは手頃な価格を維持することで市場シェアを確保する戦略を継続している。ただし、利益率への影響は避けられず、コスト効率化とのバランスが課題となっている。

インフレ環境下での価格戦略として、他の小売事業者にとっても参考になる事例である。

Alibaba、EC事業は圧力もクラウドコンピューティングは高成長維持

Alibabaの最新業績では、EC事業が競争激化により圧力を受ける一方、クラウドコンピューティング事業は高成長を維持している。

中国国内のEC競争(PDD、JD.comとの競合)が激化する中、Alibabaはクラウドとグローバル展開にシフトしている。AIインフラ需要の高まりがクラウド事業の成長を後押ししている。

中国EC大手の戦略転換は、グローバルEC市場にも影響を与える可能性がある。

まとめ

2026年1月10日のEC業界は、NRF 2026で発表されたエージェンティックAI関連ニュースの余波が続く中、消費者のAI活用実態を示す調査データや、各社の事業再編・戦略転換の動きが目立ちました。

特に「消費者の58%がAIで商品調査」という数字は、AIエージェントが購買プロセスの入り口を握り始めていることを示しています。EC事業者は、従来のSEO対策に加え、「AI向け最適化(AEO/GEO)」への対応が求められる段階に入っています。

明日以降は、NRF 2026での発表内容が各社の具体的な製品・サービスとして展開される動きに注目です。