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2026年2月24日

EC・AIコマース ニュースダイジェスト(2026年2月24日)

目次
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この記事のポイント

  1. ShopifyがChatGPT上でマーチャント広告を開始、AIチャットが新たな広告チャネルに
  2. Google UCP対応の技術ガイドをSEJが公開、EC事業者に実践的な手引き
  3. エージェンティックコマースの決済・インフラ整備が世界各地で加速

今日の注目ニュース

ShopifyがChatGPTにマーチャント広告を配信開始

Shopifyが自社の広告ネットワーク「Shop Campaigns」をChatGPTに拡大し、マーチャントの商品広告をChatGPT上で表示する取り組みを開始しました。Shopifyはこれまで各種SNSプラットフォームでマーチャントに代わって広告を出稿してきましたが、今回新たにChatGPTが配信先に加わった形です。

この動きは、AIチャットインターフェースが従来の検索エンジンやSNSに並ぶ新たな商品発見チャネルとして確立されつつあることを示しています。マーチャントはShopifyを通じてAIプラットフォーム上でも商品を訴求できるようになり、エージェンティックコマース時代の広告モデルがどのように形成されるかを占う先行事例として注目されます。

詳細記事: Shopifyが自社広告ネットワークをChatGPTに拡大、マーチャントの商品を代理出稿

エージェンティックコマース最適化:Google UCP対応の技術ガイド

Search Engine Journalが、GoogleのUniversal Commerce Protocol(UCP)に向けたEC事業者向けの包括的な技術ガイドを公開しました。UCPはチェックアウトだけでなく、商品発見、ロイヤルティプログラム、購入後サポートまでをカバーするプロトコルであり、AIエージェントが商品を選定・推薦する際の基盤となります。

ガイドでは、構造化データの整備、商品フィードの最適化、APIエンドポイントの設計など、EC事業者が今すぐ着手すべき具体的なステップが解説されています。AIエージェントに自社商品を「選ばれる」存在にするための実務的な手引きとして、EC担当者にとって必読の内容です。

詳細記事: Google UCPに備えるEC事業者の技術ガイド

エージェンティックコマース

Shopify「AIショッピングはチェックアウトをバイパスしない」

Shopifyは、AIエージェントによるショッピング体験においても自社のチェックアウトプロセスをバイパスさせない方針を明確にしました。エージェンティックコマースの体験を「マーチャントのオンラインストアそのもの」のように感じさせることを目指しています。

AIショッピングが普及するにつれ、チェックアウトの主導権をプラットフォーム側とマーチャント側のどちらが握るかが業界の焦点になっています。Shopifyはマーチャント側の独自性とブランド体験を守る立場を鮮明にしており、ChatGPT広告配信と合わせてエージェンティックコマース時代のEC基盤としてのポジションを固めつつあります。

詳細記事: Shopifyが宣言「AIエージェントでも、チェックアウトはバイパスさせない」

デンマークAIスタートアップCernel、エージェンティックコマース基盤構築に€4M調達

デンマーク・オーフス拠点のAIスタートアップCernelが、シードラウンドで€400万(約6.5億円)の資金調達を4週間で完了しました。同社は「エージェンティックコマースの基盤インフラ」を構築することを掲げ、ECデータのインテリジェントな管理を行うAIプラットフォームを開発しています。

エージェンティックコマースのエコシステムが形成されるにあたり、データ管理と連携のためのインフラレイヤーが必要とされており、Cernelはその中核を担おうとしています。短期間での資金調達成功は、投資家のエージェンティックコマースへの関心の高さを示しています。

詳細記事: デンマーク発AIスタートアップCernel、エージェンティックコマース基盤構築へ€400万をシード調達

Salesforceエコシステムでエージェンティックコマースが戦略的焦点に

Salesforceのエコシステムにおいて、AI駆動のエージェンティックコマースが戦略的焦点として浮上しています。パートナー企業のBayBridgeDigitalは、Salesforceの最近の動向がコマースの「エージェンティック時代」への移行を示唆していると分析しています。

CRM最大手のSalesforceがエージェンティックコマースに本格的に注力する姿勢を見せることで、エンタープライズ向けのAIコマース基盤整備がさらに加速する可能性があります。

決済・フィンテック

MastercardがAI決済デモを公開、エージェント主導のコマースへ

MastercardがAI Impact Summit 2026で、AIが事前設定されたルールに基づいて自律的に決済を完了するデモを公開しました。ソフトウェアが人間に代わって支出判断を行う未来の決済モデルを具体的に示した形です。

Mastercardはインドでのエージェンティックコマース展開にも意欲を示しており、「インドの要件に対応する準備ができている」と幹部が発言しています。グローバルな決済インフラ企業がAIエージェント決済に本腰を入れることで、エージェンティックコマースの実用化に向けた環境整備が大きく進みます。

Razorpay x superU、エージェンティック決済システムを構築

インドのフィンテック大手Razorpayが、会話型AIスタートアップsuperUと提携し、リアルタイムで完全自動化されたエージェンティック決済システムの構築を開始しました。ユーザーがAIエージェントと会話するだけで決済が完了する、フリクションレスなコマース体験を目指しています。

インドではRazorpayに続き複数のフィンテック企業がエージェンティック決済に参入しており、同市場でのAI決済競争が本格化しています。

AI決済戦争:Google60社連合 vs Stripe独自路線

AI決済の標準化を巡り、Googleが60社以上の企業と連合を組む一方、Stripeは独自のインフラ構築で対抗するという構図が鮮明になっています。この対立は単なるビジネス上の競争を超え、AIが自律的に経済活動を行う時代に既存の金融システムが対応できるかという根本的な問いを反映しています。

EC事業者にとっては、どの決済標準に対応すべきかが今後の戦略上の重要な判断ポイントとなります。

AIコマースツール

Forrester: B2Bコマースで AI導入が加速

調査会社Forresterの最新レポートによると、B2Bコマース分野でAIの導入が急速に進んでいます。2026年は業務全般にわたるAI統合の深化に加え、ガバナンス、人材の専門性、AIエージェントの戦略的活用への関心が高まると予測されています。

B2C領域に比べてAI導入が遅れていたB2B分野でも、受発注プロセスの自動化やパーソナライズされた取引提案など、AIエージェントの活用が本格化しつつある状況が示されています。

グローバルEC動向

米最高裁がIEEPA関税を違憲と判断、EC・小売に影響

米国連邦最高裁判所は、国際緊急経済権限法(IEEPA)がトランプ大統領に関税を課す権限を付与するものではないとの判断を下しました。この判決は、EC事業者を含む小売業界全体に大きな影響を与える見通しです。

越境EC事業者にとっては、関税コストの不確実性が軽減される可能性がある一方、政策の方向性が不透明な状況は続いており、引き続きサプライチェーン戦略の柔軟性が求められます。

企業動向・提携

Shein、サプライヤーネットワーク強化に$42M投資

ファストファッション大手Sheinが、サプライヤーネットワークの再構築に4,200万ドル(約63億円)を投資すると発表しました。Amazonの成長による競争激化を受け、サプライチェーンの効率化と品質向上を図る狙いです。

グローバルなEC競争が激化する中、Sheinは単なる低価格戦略から、サプライチェーン全体の最適化による競争力強化へと戦略をシフトさせています。

Bath & Body Works、Amazon に公式出店

Bath & Body WorksがAmazon USに公式ストアフロントを開設しました。CEOのDaniel Heaf氏によると、すでにAmazon上でグレーマーケット経由の売上が最大8,000万ドル発生しており、公式出店によりブランド管理と売上回収を図ります。

D2Cブランドにとって、Amazonという巨大マーケットプレイスでのプレゼンスをどう管理するかは戦略上の重要テーマです。グレーマーケット対策としての公式出店は、他ブランドにも参考になるアプローチと言えます。

まとめ

本日のニュースでは、エージェンティックコマースの商業化が複数のレイヤーで同時に進行している様子が浮き彫りになりました。Shopifyは ChatGPT への広告配信でAIプラットフォームを新たな販売チャネルとして活用し始め、Search Engine JournalはEC事業者向けにGoogle UCP対応の実践ガイドを提供しています。決済分野ではMastercard、Razorpay、Google、Stripeがそれぞれ異なるアプローチでAIエージェント決済の標準化を競っており、インフラ面ではCernelのようなスタートアップも参入しています。

明日以降は、Shopifyの ChatGPT 広告の具体的な成果報告と、Google UCPへの各社対応状況に注目です。AI決済の標準化競争の行方も、EC事業者の技術選定に直結する重要テーマとなります。