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2026年1月20日

EC・AIコマース ニュースダイジェスト(2026年1月20日)

目次
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この記事のポイント

  1. Revolut×Googleがエージェンティックコマース向け決済統合(AP2)を発表
  2. 小売業者の75%がAIエージェント購買に対応できていないとの調査結果
  3. TikTok Shopが欧州市場に本格参入、物流戦略を展開

今日の注目ニュース

Revolut × Google AP2統合でAIチャットボット経由の決済を実現

Revolutが Googleと提携し、欧州でAIチャットボットを通じた直接購買を可能にする「Agent Payments Protocol(AP2)」統合を発表しました。

この統合により、消費者はAIエージェントと会話しながら商品を検索・比較し、Revolut Payでシームレスに決済できるようになります。Revolutは欧州で5,000万人以上のユーザーを抱えており、この決済基盤がエージェンティックコマースの普及を加速させる可能性があります。

GoogleのAP2は、Adyen、American Express、Mastercard、PayPalなど60以上の企業と共同開発したオープンプロトコルです。「Mandate(マンデート)」と呼ばれる暗号署名付きのデジタル契約を使用し、ユーザーがAIエージェントに与えた購買権限を証明可能な形で記録します。これにより、AIエージェントが安全に決済処理を行うことができ、エージェンティック決済における「決済の摩擦」を解消する重要な一歩と位置づけられています。

詳細記事: Revolut × Google AP2統合:欧州でAIチャットボット経由の決済が実現

SRCがエージェンティックコマース向けゲストチェックアウトを発表

Mastercard、Visa、American Express、Discoverが共同で推進するSecure Remote Commerce(SRC)が、AIエージェント時代に対応した新しいゲストチェックアウト体験を提供します。

EMV SRC 1.5とパスキー認証を組み合わせることで、AIエージェントがユーザーに代わって安全に決済を完了できるようになります。従来のゲストチェックアウトはカード情報の手動入力が必要でしたが、SRCの新仕様ではトークン化された決済情報をエージェントが安全に処理できます。

これにより、ユーザーがアカウントを持たないサイトでも、AIエージェントがスムーズに購買を代行できるようになります。エージェンティックコマースの実現に向けた決済インフラの重要な進化と言えます。

詳細記事: SRCがエージェンティックコマース向けゲストチェックアウトを刷新

エージェンティックコマース

小売業者の75%がエージェンティックショッピングに準備できていない

統合プラットフォームを提供するPatchworksの調査によると、英国の小売業者のうち、エージェンティックショッピングに対応できる技術スタックを持っているのはわずか27%に過ぎないことが明らかになりました。

調査では、多くの小売業者がシステム間の連携不足やデータのサイロ化に悩んでおり、AIエージェントがリアルタイムで在庫確認や価格照会を行うために必要なAPI連携が整っていないことが指摘されています。

エージェンティックコマースが主流になる前に、小売業者はシステム統合とAPI整備を急ぐ必要があります。対応が遅れれば、AIエージェント経由の顧客を競合他社に奪われるリスクがあります。

詳細記事: 小売業者の75%がエージェンティックショッピングに準備できていない

Tredenceがエージェンティックコマースアクセラレータを発表

AIソリューション企業のTredenceが、小売業者向けのエージェンティックコマースアクセラレータを発表しました。

このソリューションは、小売業者が自社のECプラットフォームをAIエージェント対応にするための開発キットとコンサルティングサービスをパッケージ化したものです。APIゲートウェイの構築、在庫・価格情報のリアルタイム連携、AIエージェント向け認証機能などを提供します。

エージェンティックコマースへの対応を急ぐ小売業者にとって、自社開発よりも迅速に導入できる選択肢となります。

グローバルEC動向

TikTok Shopが欧州市場に本格参入、物流戦略を展開

TikTok Shopが欧州市場への本格参入に向けて、新たな物流戦略を発表しました。現地フルフィルメントを高速化するための物流スキームを構築し、コンテンツ駆動型の販売戦術と組み合わせます。

これまでTikTok Shopは英国と一部の東南アジア諸国で展開していましたが、欧州大陸への拡大を加速させています。ライブコマースとショート動画を活用した販売手法は、若年層を中心に支持を集めています。

詳細記事: TikTok Shopが欧州で本格的な物流インフラを構築

TikTok ShopがAI商人ツールを拡充

TikTok Shopが出店者向けのAIツールを拡充しました。商品説明の自動生成、価格最適化、需要予測などの機能が追加され、中小事業者でも効率的にTikTok Shop運営ができるようになります。

特に商品説明の自動生成機能は、ショート動画の内容を分析して最適な商品説明を提案するもので、コンテンツコマースならではの機能と言えます。

Woltがローカルコマースプラットフォームへリポジショニング

DoorDash傘下のWoltがアプリを刷新し、フードデリバリーからマルチカテゴリのコマースプラットフォームへの転換を図っています。

新アプリでは食品以外にも日用品、医薬品、電子機器などを取り扱い、「ローカルコマース」のハブとしての役割を目指しています。クイックコマースの競争が激化する中、差別化を図る動きと見られます。

Amazon Nowがロンドンで展開開始、欧州拡大へ

AmazonのクイックデリバリーサービスAmazon Nowがロンドンで本格展開を開始しました。15分〜1時間での配達を実現し、欧州の他都市への拡大も計画しています。

食料品や日用品を中心としたカテゴリで、Wolt、Gorillas、Getirなどのクイックコマース事業者との競争が激化する見込みです。

企業動向・提携

AnyMind GroupがBcode、Sun Smileを買収しソーシャルコマース強化

AnyMind Groupが日本のライブコマース事業者Bcodeと美容ディストリビューターSun Smileを買収しました。ライブコマースとO2O(Online to Offline)領域での事業拡大を狙います。

Bcodeはインフルエンサーを活用したライブコマース運営で実績があり、Sun Smileはオフライン小売との連携に強みを持っています。両社の統合により、AnyMindはソーシャルコマースからオフライン販売までをカバーする体制を構築します。

WD-40のEC売上がQ1で22%増加

工業用潤滑剤で知られるWD-40がQ1決算を発表し、EC売上が前年同期比22%増加したことを明らかにしました。

B2B向けEC強化とAmazonなどのマーケットプレイス展開が成長を牽引しています。伝統的なメーカーがECチャネルを成長ドライバーとして活用する好例と言えます。

規制・政策

中国、ライブコマースの食品安全規制を強化(3月20日施行)

中国政府が3月20日からライブコマースにおける食品安全規制を強化します。ライブコマース事業者に対し、販売する食品の安全性確認義務と虚偽広告の禁止が厳格化されます。

急成長するライブコマース市場で消費者保護を強化する動きです。違反した場合は営業停止や罰金などの処分が科されます。

まとめ

本日のニュースでは、エージェンティックコマースのインフラ整備が急速に進んでいることが際立ちました。Revolut×Googleの決済統合、SRCのゲストチェックアウト対応と、AIエージェントが購買を代行するための基盤が着々と構築されています。

一方、Patchworksの調査が示すように、多くの小売業者はまだエージェンティックショッピングへの準備ができていません。システム統合とAPI整備が今後の競争力を左右する重要な要素となります。

また、TikTok Shopの欧州展開やWoltのリポジショニングなど、グローバルEC市場の競争地図が塗り替わりつつある点も注目です。