この記事のポイント
- P&GとBrunello Cucinelli、大手ブランドがAIコマース戦略を本格化
- Temuがトルコで越境販売を全面停止、規制当局の立入検査を受け
- Amazon CEOがAIショッピングの未来とOpenAIとの関係について言及
今日の注目ニュース
P&G、Q2決算でAI・eコマース投資を加速

消費財大手P&Gがデジタル販売とAI投資を強化
www.digitalcommerce360.com消費財大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、第2四半期の売上が前年比約1.5%増と鈍化する中、デジタル販売とAI投資の強化を進めています。
同社は「ペタバイト規模のデータ」を活用し、メディア制作の自動化、デジタル棚の最適化、サプライチェーン効率化などのAIツールを全社的に導入しています。特にAmazonをはじめとするオンライン小売プラットフォームでの競争力強化を優先課題と位置づけており、デジタル棚での商品表示最適化にAIを積極活用しています。
今後12〜18カ月で全社展開を目指すとしており、消費財メーカーにおけるAI活用の先進事例として注目されます。
Brunello Cucinelli、自社開発AIでラグジュアリーeコマースを刷新

イタリアの高級ブランドBrunello CucinelliがAIを活用した新しいeコマース体験を発表
www.digitalcommerce360.comイタリアの高級衣料品メーカーBrunello Cucinelliは、自社開発のAIプラットフォーム「Callimacus」を搭載した新しいeコマースサイトを立ち上げました。
このサイトの最大の特徴は、顧客が商品に関する質問やニーズを入力できるフィールドを備えている点です。AIがユーザーの意図を理解し、個別対応の買い物体験を提供します。同社は「この発明がブランドイメージと収益の両面で成長を支援する重要な役割を果たす」とコメントしています。
ラグジュアリーブランドにおいて、AIは単なる販売効率化ではなく、ブランド哲学を表現する手段として機能する戦略的な取り組みといえます。
エージェンティックコマース
Amazon CEO Andy Jassy、AIショッピングの未来を語る

Amazon expects to eventually partner with third-party AI shopping agents, even as the e-commerce giant continues to block shopping agents from scraping its site.
www.modernretail.coAmazon CEOのAndy Jassy氏がダボス会議で、AIとショッピングの未来について言及しました。
Jassy氏はAIが消費者の買い物体験を根本的に変革する可能性を強調し、オンラインと実店舗のギャップを埋める技術として期待を寄せています。実店舗でのセレンディピティ(偶然の発見)をオンラインで再現できる可能性についても言及しました。
一方で、OpenAIの1.4兆ドル規模のインフラ投資については「野心的」と評しつつ、「詳細を見ると理解しにくい部分もある」と慎重な姿勢も見せました。Amazonは現在、OpenAIへの約100億ドルの出資交渉を進めているとされ、AIショッピングエージェント競争が激化する中での戦略的動きとして注目されています。
グローバルEC動向
Temu、トルコで越境EC販売を全面停止

中国系ECプラットフォームTemuがトルコでの全ての越境販売を停止
www.turkiyetoday.com中国系ECプラットフォームTemuが、トルコでの全ての越境販売を停止しました。
1月21日にトルコ競争当局がイスタンブールのTemuオフィスに立入検査を実施した直後の決定です。当局は正式な調査開始ではないと強調していますが、Temuは規制対応のため事業再編を進めているとみられます。
背景には、トルコが2026年2月1日から低価格越境ECに対する簡易通関制度を廃止することがあります。免税枠は段階的に縮小されており、2024年8月には150ユーロから30ユーロに引き下げられていました。これはTemuにとって、アイルランドでの立入検査(2025年12月)に続く規制当局との衝突となります。
韓国Coupang、米投資家がUSTRに調査を要請

韓国EC大手Coupangの米国投資家がUSTRに調査を要請
www.koreaherald.com韓国EC大手Coupangの米国投資家2社(Greenoaks、Altimeter)が、韓国政府に対する仲裁申し立ての意向を通知し、USTRに調査を要請しました。
2025年11月に発覚した3,300万人分の顧客データ漏洩事件を受け、韓国当局がCoupangに対して広範な調査を実施。投資家側は、韓国や中国の競合企業と比較して「差別的」な扱いを受けていると主張しています。
韓国の呂漢求貿易相は、米国のグリアUSTR代表に対し「これは米国企業だから調査しているのではない」と説明し、通商問題と切り離すよう求めました。USTRは45日以内に正式調査の開否を決定する見込みで、日韓米の通商関係に影響を与える可能性があります。
AIコマースツール
Etsy、AIツール使用でセラーが知的財産権トラブルに

EtsyのAI駆動型タイトル生成ツールがセラーに知的財産権侵害のリスクをもたらしている
www.ecommercebytes.comEtsyのAI駆動型タイトル生成ツールが、セラーに知的財産権侵害のリスクをもたらしています。
プラットフォームの提案に従ったセラーが、DisneyやPokemonなどのブランド名、さらには「バスキア風」といった表現を含むタイトルを使用した結果、ポリシー違反通知や法的警告を受ける事例が報告されています。
問題は、Etsyがサポート対応で責任を負わず、セラー側に紛争解決の負担を押し付けている点です。AI提案に対する商標権チェックの警告も明確に発していないため、プラットフォームのAI機能と法的リスクの関係について議論が起きています。
Lightspeed、小売・飲食向け統合AIプラットフォームを発表
カナダのPOS・決済プラットフォームLightspeed Commerceが統合AIを発表
simplywall.stカナダのPOS・決済プラットフォームLightspeed Commerceが、「Lightspeed AI」を発表しました。
この新機能は、小売・飲食・卸売プラットフォームを横断する「統一知能層」として機能し、会話型アシスタントを各プラットフォームに提供します。顧客エンゲージメントの深化と業務効率化を目指していますが、投資家からは革新が利益向上に直結するかという実行リスクへの懸念も出ています。
企業動向・提携
Amazon、SAFE-Tクレーム申請期間を60日から30日に短縮

AmazonがSAFE-Tクレームの申請期間を短縮
www.ecommercebytes.comAmazonは2026年2月16日より、セラーがSAFE-Tクレーム(取引保護制度)を申請できる期間を60日から30日に短縮すると発表しました。
この変更は紛失配送を含む全ての申請に適用されます。セラーコミュニティからは、既に認められにくいとされるこのプログラムについて、申請期間がさらに制限されることへの不満の声が上がっています。
Saks Global、eコマース部門の清算人雇用を裁判所が許可

Saks Global傘下のeコマースユニットが破産手続き中に清算人を雇用する許可を取得
www.pymnts.comSaks Global傘下のeコマースユニット「Saks OFF 5th Digital」が、破産手続き中に清算人を雇用する許可を裁判所から取得しました。
同社は2024年12月にNeiman Marcusを27億ドルで買収しましたが、その後莫大な債務を抱え、2026年1月14日に破産申請を行いました。現在、独立管理者による運営が続く一方、物理店舗(Saks Fifth Avenueなど)は営業を継続しています。高級百貨店業界の再編が加速する中、eコマース部門の処理が注目されます。
まとめ
本日のニュースでは、P&GやBrunello Cucinelliなど大手ブランドがAIコマース戦略を本格化させている動きが目立ちました。特にBrunello Cucinelliの自社開発AIプラットフォーム「Callimacus」は、ラグジュアリーEC×AIの先進事例として注目に値します。
一方、Temuのトルコ撤退やCoupangのUSTR問題など、グローバルECプレイヤーが各国規制との摩擦に直面している状況も浮き彫りになりました。EtsyのAIツールによるIP問題も、AIツール活用のリスク面を示す事例として記憶に留めるべきでしょう。
明日以降は、Amazon CEOが言及したAIショッピングエージェント競争の動向、およびCoupang-USTR問題の進展に注目です。




