Stellagent ResearchReport No. 001

国内主要ホテル15社の予約サイトにおけるAI活用状況調査

国内は質問回答AIが中心、一方海外ではAIがホテル選びを担う実装・発表が進む。海外主要ホテル7社では6社がAIでのホテル選びを実装・限定提供、国内15社では確認できず(0社)。

調査日2026年6月26日公開日2026年7月7日調査主体Stellagent株式会社分野ホテル / 旅行・宿泊
Key Findings主要な調査結果
  1. 01

    国内主要15社のうち12社でAI/チャットボットの活用を確認。ただし質問回答や問い合わせ対応が中心で、AIが宿泊条件を理解し、複数施設・客室・料金を横断して候補提案する導線は、今回の調査範囲では確認できなかった(0社)。

  2. 02

    海外主要ホテルチェーン・ホテルグループ7社では、Hilton、Hyatt、Marriott International、IHG Hotels & Resorts、Wyndham Hotels & Resorts、Accorの6社が、公式サイト・公式アプリ・ChatGPT appなどの公式デジタルチャネルを通じて、AIでのホテル選びを実装・限定提供していた。

  3. 03

    会話内で予約・決済まで完結する導線(Phase 5)は、今回の調査範囲では国内外ともに確認されなかった。

Survey Overview調査概要
調査名
国内主要ホテルチェーン・ホテルグループ15社 AI予約対応状況調査
調査対象
国内主要ホテルチェーン・ホテルグループ15社
参考調査
海外主要ホテルチェーン・ホテルグループ7社
調査日
2026年6月26日
調査方法
各社公式サイト、公式発表、導入事例、予約導線、AI/チャットボット導線のデスクリサーチ
選定基準
施設数・客室数、一般認知、旅行・出張予約での代表性、公式予約サイトの確認可能性を踏まえて選定
調査主体
Stellagent株式会社

調査サマリー

Stellagent株式会社は、国内主要ホテルチェーン・ホテルグループ15社を対象に、公式予約サイトおよび公式デジタルチャネルにおけるAI活用状況を調査しました。

本調査では、AIチャットボットによる問い合わせ対応に加え、ユーザーが自然な言葉で希望条件を伝えた際に、AIが宿泊先を探索・比較・提案し、予約導線へ接続できるかを分析しました。その結果、国内主要15社のうち12社でAI/チャットボットの活用が見られた一方、AIが宿泊条件を理解し、複数施設・客室・料金を横断して候補提案する導線は、今回の調査範囲では確認できませんでした。

一方、海外主要ホテルチェーン・ホテルグループ7社を参考調査したところ、Hilton、Hyatt、Marriott International、IHG Hotels & Resorts、Wyndham Hotels & Resorts、Accorの6社で、公式サイト、公式アプリ、ChatGPT appなどの公式デジタルチャネルを通じたAIでのホテル選びが実装または限定提供されていました。Best Western / BWH Hotelsは、Tripadvisorとの提携キャンペーンによる一部候補提案としてPhase 3に整理しています。

AI予約対応Phase別の分布 ─ 国内主要15社 vs 海外主要7社(Stellagent株式会社調べ)

※各社は確認できた最も進んだPhaseで分類しています(重複計上なし)。

上図は、出典として「Stellagent株式会社調べ」を明記し、本ページへのリンクを設置いただくことで、報道・記事・資料等にそのまま転載いただけます。

本調査は、各社公式サイトおよび公開情報から確認できる範囲で実施したものです。海外比較は参考調査として扱い、公式予約サイト上の実装、公式アプリ/ChatGPT appでの提供、限定β提供中、提携キャンペーンを区別して整理しています。

調査背景

AIエージェントが、ユーザーに代わって旅行や出張の予定を整理し、交通手段・宿泊先・料金・条件を比較して予約まで進める時代が近づいています。

これからのユーザーは、予約サイトを一つずつ開き、地域、日程、人数、予算、設備条件を入力して探すのではなく、「来週の大阪出張で駅近、朝食付き、できれば大浴場があるホテルを探して」「家族4人で泊まれて、空港からの移動が楽なホテルを比較して」とAIエージェントに依頼するようになりそうです。

このときホテル事業者に求められるのは、単に公式サイトにAIチャットを設置することではありません。AIエージェントが宿泊施設、空室、料金、プラン、会員特典、決済条件を理解し、ユーザーに提案できるように、自社の公式予約サイトや予約基盤をAIから利用しやすい形に整えていくことが論点になります。

当社は、こうした変化を踏まえ、国内主要ホテルチェーン・ホテルグループ15社の公式予約サイトにおけるAI予約対応状況を調査しました。

Phase定義

本調査では、ホテル公式予約サイトにおけるAI予約対応状況を以下の5段階で整理しました。

Phase定義
Phase 1従来型予約導線中心。AIによる予約支援導線は確認できない
Phase 2FAQ/問い合わせ対応のAIまたはチャットボットがある
Phase 3AI検索や限定的な条件指定により、一部条件に応じた候補提案ができる
Phase 4自然言語の希望条件をもとに、公式サイト・公式アプリ・公式ChatGPT appなどの公式チャネル上で、ブランド内のホテル候補を横断的に探索・提案できる
Phase 5会話内で予約・決済まで完結する

※各社は確認できた最も進んだPhaseで分類しています(重複計上なし)。

※ChatGPT app(apps in ChatGPT)は、OpenAIのChatGPT内で企業が公式に提供するアプリ機能です。ユーザーはChatGPTとの会話の中から、ホテル検索などの企業公式機能を呼び出せます。

国内主要ホテル15社の調査結果

国内主要ホテルチェーン・ホテルグループ15社のうち、12社でAI/チャットボットの活用が確認されました。一方で、その多くはFAQや問い合わせ対応、宿泊前後の案内を目的としたものであり、ホテル選びそのものをAIが支援する導線は限定的でした。

No対象Phase評価コメント出典
1アパホテルPhase 2一部施設FAQや滞在者向けアプリでAIチャットボット活用が見られる。一方で、ホテル条件をAIが探索して予約・決済まで進める導線は見当たらない。出典
2東横インPhase 2公式サイトにAIチャットボットを導入し問い合わせ対応を強化。予約は従来型の検索・予約導線が中心。出典
3ルートインホテルズPhase 2tripla Bookおよびtripla Botの導入情報があり、問い合わせAIと公式予約基盤の整備は進む。ただしAIが条件から候補提案し、会話内で予約完結する導線は見当たらない。出典
4スーパーホテルPhase 1公式サイトと公式アプリによる検索・予約導線は整備されているが、調査範囲ではAIチャットやAI予約支援導線は見当たらない。出典
5ホテルマイステイズPhase 28言語対応のtripla Bot導入により問い合わせ対応と公式予約支援は進む。現時点ではAIが旅行条件から宿泊候補を探索し予約完結する導線は見当たらない。出典
6ドーミーイン / 共立メンテナンスPhase 1FAQと公式予約導線は整備されているが、調査範囲ではAIチャットやAIによる予約候補提案は見当たらない。出典
7ダイワロイネットホテルズPhase 1公式サイトと公式アプリで検索・予約・セルフチェックイン等の導線はあるが、調査範囲ではAIチャットやAI予約支援導線は見当たらない。出典
8相鉄ホテルズPhase 2相鉄フレッサイン全ホテルの公式サイトにチャットボットを設置していることが公式コラムで案内されており、問い合わせ対応は進む。一方でAIが条件検索から予約完結まで担う導線は見当たらない。出典
9プリンスホテルズ & リゾーツPhase 2一部施設で多言語AIチャットボットやAIコンシェルジュの活用が見られる。ただし、グループ横断のAI予約完結導線は見当たらない。出典
10東急ホテルズPhase 2渋谷エクセルホテル東急など一部ホテルの公式ページで多言語AIチャットボット導線が確認できる。東急ホテルズ44施設へのtripla予約基盤サービス提供開始も公表されているが、会話内で予約・決済完結するAI導線は見当たらない。出典
11リッチモンドホテルズPhase 2tripla Bookとtripla Botとの連携情報があり、公式予約基盤と問い合わせAIは整備されている。AIが条件から候補提案し予約完結する導線は見当たらない。出典
12三井ガーデンホテルズPhase 2国内ホテルへのAI自動応答導入と公式問い合わせページでAI回答導線が見られる。予約候補探索や会話内決済は見当たらない。出典
13オークラ ニッコー ホテルズPhase 2一部施設でAIチャットボット導入が見られるが、グループ横断のAI予約支援導線は見当たらない。出典
14JRホテルグループPhase 2JR西日本ホテルズがAI自動応答チャットボットを含む多言語対応アプリ「VERY」の導入を発表しているなど、一部グループでチャットボット活用が見られる。ただしJRホテルグループ横断のAI予約完結導線は見当たらない。出典
15星野リゾートPhase 2公式FAQで各ホテル公式サイトのチャット相談とチャットボット対応が案内されている。生成AIの業務活用も公表されているが、会話内で予約・決済完結する導線は見当たらない。出典

今回の調査範囲では、国内主要15社において、公式サイト上の導線だけでなく公式発表・導入事例ベースで見ても、AIがユーザーの自然言語条件を理解し、複数施設・客室・料金を横断して候補を提案する取り組みは確認できませんでした。

海外主要ホテル7社の調査結果

海外主要ホテルチェーン・ホテルグループ7社を参考調査したところ、AIがホテル選びを支援する導線を実装または限定提供しているPhase 4相当の事例が6社で確認されました。また、AI検索や提携キャンペーンなど、限定的な候補提案に該当するPhase 3相当の事例も確認されましたが、分類上は各社の最も進んだPhaseを採用しているため、Phase 3は1社となっています。

ただし、海外事例もすべてが会話内で予約・決済まで完結しているわけではありません。公式予約サイト上での実装、公式アプリやChatGPT appでの提供、限定β提供、提携キャンペーンは分けて見る必要があるほか、提供地域や言語、対象会員が限定されている機能もあります。

No対象区分Phase内容・備考出典
1Hilton公式サイト実装済みPhase 4公式サイトのLocationsページ上で「AI Stay Planner」を提供。目的地探し・ホテル比較・アメニティ確認を支援し、公式リリースによれば2026年3月17日までにhilton.comの全訪問者へ展開。出典
2Hyatt公式サイト実装済みPhase 4Hyatt.com上の自然言語検索に加え、2026年2月にHyatt app in ChatGPTを公表。ChatGPT内でHyattのホテル探索を支援し、予約はHyatt.comへ接続する導線を展開。出典
3Marriott International限定β提供中Phase 4AIホテル選び支援機能「Ask Bonvoy」をMarriott.comおよびMarriott Bonvoyアプリで米国英語のβ提供開始。一部のMarriott Bonvoy会員および登録ユーザーから段階展開。出典
4IHG Hotels & Resorts公式ChatGPT app実装済みPhase 4ChatGPT内IHG appを開始。IHG.comおよびIHG One Rewards appにも会話型検索を近日追加予定。出典
5Wyndham Hotels & Resorts公式ChatGPT app実装済みPhase 4Native ChatGPT appを開始。ChatGPT内でホテル探索を行い、WyndhamHotels.comへ接続する導線を提供。出典
6Accor公式ChatGPT app実装済みPhase 4ALL Accor app in ChatGPTを開始。ChatGPT app上でホテルを探し、ALL Accor booking platformへ接続する体験を提供。出典
7Best Western / BWH Hotels提携キャンペーンPhase 3TripadvisorとのAI Trip Plannerは提携キャンペーンとして補足扱い。出典

海外各社の動きは2026年上半期に集中

参考調査対象の主な発表・提供開始時期を時系列で並べると、2024年に先行事例が現れたあと、2026年上半期に発表・提供開始が集中していることがわかります。

時期企業発表・提供内容
2024年4月IHG Hotels & ResortsGoogle Cloud AIを活用したAIトラベルプランナーを発表
2026年1月AccorALL Accor app in ChatGPTの提供を開始
2026年2月HyattHyatt.comの自然言語検索の成果とHyatt app in ChatGPTを公表
2026年3月HiltonAI Stay Plannerをhilton.comで一般提供開始
2026年5月Wyndham Hotels & ResortsNative ChatGPT appを公開
2026年6月Marriott InternationalAI検索体験「Ask Bonvoy」のβ提供を発表

海外ホテル大手では、公式サイトだけでなく、公式アプリやChatGPT appも含めた公式デジタルチャネルが、AIによるホテル選びの入口になり始めている点が、国内主要15社との違いとして見えてきます。

「AIチャット導入」から「AIに選ばれる予約導線」へ

国内主要ホテルチェーン・ホテルグループでは、AI/チャットボットによる質問回答は一定程度進んでいます。一方で、海外では公式予約サイト、公式アプリ、ChatGPT appなど、ホテルブランドの公式チャネル上でAIがホテル選びを支援する事例や発表が出始めています。

今後、AIエージェントがホテル予約の入口になった場合、まず必要になるのは、施設・客室・料金・空室・プラン条件をAIが理解できる形に整理し、自然言語の条件から在庫・料金を照会できる導線を整えることです。その先には、AIエージェント経由でも公式予約・会員基盤・決済へ接続し、外部AIプラットフォーム経由の予約が増えても顧客接点とデータを自社側に保つ設計が論点になります。

ホテル予約におけるAI対応は、FAQ対応や問い合わせ削減だけでなく、公式予約サイトや公式アプリがAIエージェントから選ばれ、使われるための設計へと広がりつつあります。

当社は本調査を定点観測として今後も定期的に実施し、国内外のAI予約対応状況の変化を追跡・公開していく予定です。

調査上の注意事項

  • 本調査は、各社公式サイトおよび公開情報から確認できる範囲で実施しています。
  • 本レポートは調査日(2026年6月26日)時点で確認できた情報に基づいており、調査日以降の各社の発表・実装変更は反映していません。重要な変化を確認した場合は本ページを更新し、更新履歴に記載します。
  • 調査対象は、施設数・客室数、一般認知、旅行・出張予約での代表性、公式予約サイトの確認可能性を踏まえて選定しています。
  • 各社は確認できた最も進んだPhaseで分類しています(重複計上なし)。
  • 予約システム基盤のAI対応整備(予約エンジンの刷新や生成AIの業務活用など)と、公式チャネル上でユーザーの自然言語条件から宿泊候補を提案する導線は、区別して評価しています。基盤整備の取り組みが公表されていても、公式チャネル上で候補提案導線が確認できない場合、本調査ではPhase 1〜2に分類しています。
  • 国内調査と海外参考調査では、市場環境、公式アプリ展開、ChatGPT app連携の状況が異なるため、単純な優劣比較ではなく、AI活用領域の違いとして整理しています。
  • 海外調査では、公式予約サイト本体だけでなく、公式アプリ、公式ChatGPT app、限定β提供中の機能もPhaseに反映しています。海外事例の多くは提供地域・言語・対象会員が限定されており、日本から同一の体験ができるとは限りません。
  • 会話内で予約・決済まで完結するPhase 5は、今回の調査範囲では国内外ともに確認していません。

更新履歴

  • 2026年7月7日:初版公開
Citation引用・転載について

本調査結果は、出典として「Stellagent株式会社調べ」と明記し、本ページのURLへのリンクを設置いただくことで、報道・記事・資料等に自由に引用・転載いただけます。

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