この記事のポイント
- Amazonがイリノイ州オーランドパークに229,000平方フィートの大型店舗計画を発表
- ウォルマート・スーパーセンター(平均179,000平方フィート)を上回る規模で食料品と一般商品を販売
- 実店舗戦略の転換点となる可能性、EC事業者は競合環境の変化に注目すべき
Amazonが初の「ビッグボックス」型店舗を計画

Amazon has submitted plans for a large-format store near Chicago that would be larger than a Walmart Supercenter.
www.cnbc.com2026年1月9日、Amazonがイリノイ州オーランドパークに大型小売店舗の建設計画を提出したことが明らかになりました。計画によると、店舗面積は229,000平方フィート(約21,300平方メートル)で、ウォルマートのスーパーセンター平均面積179,000平方フィートを大幅に上回ります。
オーランドパーク計画委員会は2026年1月6日にこの計画を承認し、次のステップとして1月19日の村議会での最終投票を待つ状態となっています。承認されれば、2026年後半にも建設が開始される見込みです。
この施設は食料品と一般商品の両方を販売し、調理済み食品のオプションも提供する予定です。さらに、顧客がオンライン注文を店舗で受け取れる機能や、配送ドライバーが注文をピックアップするための倉庫スペースも備えます。
背景と業界動向
Amazonの実店舗戦略の変遷
Amazonは過去数年間、実店舗事業で苦戦してきました。2022年には68店舗あった書店、4-star店舗、Pop Upショップをすべて閉鎖。2023年にはAmazon Styleという衣料品店も撤退しています。
さらに2025年9月には、英国のAmazon Fresh全14店舗の閉鎖を発表し、そのうち5店舗をWhole Foodsに転換する方針を示しました。米国でも2024年から2025年にかけて、カリフォルニア州やバージニア州などでAmazon Fresh店舗の閉鎖が続いています。
現在Amazonは、約58店舗のAmazon Fresh、14店舗のAmazon Go、そして500店舗以上のWhole Foods Marketを運営しています。
なぜ今「スーパーセンター」なのか
食料品市場においてAmazonのシェアは2.7%に過ぎず、21%のシェアを持つウォルマートに大きく後れを取っています。米国の食料品売上の86.3%が依然としてオフラインで発生しており、真のカテゴリーリーダーになるためには物理的な店舗網が不可欠です。
ウォルマートは全米に約4,600店舗を展開し、米国人口の90%が10マイル以内にウォルマート店舗がある状態です。一方、AmazonはFresh約60店舗とWhole Foods約530店舗にとどまっています。
今回の計画は、Amazonが食料品と一般商品を組み合わせた「スーパーセンター」形式で、ウォルマートに真正面から挑む姿勢を示すものです。
店舗の詳細と特徴
立地と規模
計画されている店舗は、シカゴ郊外オーランドパークの35エーカーの土地に建設されます。予定地は2つの主要道路が交差する角地で、近隣にはTarget、Costco、Trader Joe'sなどの大手小売店が立地しています。
店舗は1階建てで、229,000平方フィートの売場面積を持ちます。これは一般的なウォルマート・スーパーセンター(179,000平方フィート)を約28%上回る規模です。
提供サービス
Amazonの広報担当者は次のようにコメントしています。「私たちは顧客の生活をより良く、より簡単にするために設計された新しい体験を定期的にテストしています。問題の敷地は、顧客が喜ぶと考える新しいコンセプトの予定地です」
計画書類によると、この施設では以下のサービスが提供される見込みです:
- 食料品販売: 生鮮食品から日用品まで幅広い品揃え
- 一般商品販売: 家電、衣料品、家庭用品など
- 調理済み食品: レストランのような食事オプション
- オンライン注文の店舗受取: ECと実店舗の融合
- 配送拠点機能: ドライバー向けのピックアップスペース
この「限定的な倉庫コンポーネント」により、店舗は単なる販売拠点ではなく、ラストマイル配送の拠点としても機能することになります。
EC事業者への影響と活用法
競合環境の変化
今回の発表は、AmazonとWalmart間の競争が新たな段階に入ることを示唆しています。Mizuhoのアナリストは「Amazonは食料品と地方への投資を進めており、これはウォルマートとの直接対決を意味する」と分析しています。
EC事業者にとって注目すべきポイントは以下の通りです:
- オムニチャネル戦略の加速: Amazonが実店舗とECの融合を本格化させることで、マーケットプレイス出品者にも新たな販路が生まれる可能性
- 配送インフラの拡充: 店舗が配送拠点を兼ねることで、地方エリアへの配送スピードが向上する可能性
- 食料品カテゴリーの競争激化: 食料品を扱うEC事業者は、価格・品揃え・利便性での競争がさらに激しくなることを想定すべき
今後のスケジュール
2026年1月19日の村議会での投票が承認されれば、2026年後半に建設が開始される見込みです。開業時期は明らかにされていませんが、一般的な大型店舗の建設期間を考慮すると、2027年後半から2028年にかけての開業が予想されます。
現時点では1店舗の計画ですが、成功すれば全米への展開が検討される可能性があります。
まとめ
Amazonのスーパーセンター計画は、同社の実店舗戦略における大きな転換点となる可能性があります。これまでの小規模店舗での失敗を踏まえ、ウォルマート型の大型店舗で食料品市場での巻き返しを図る戦略と見られます。
EC事業者にとっては、AmazonとWalmartという二大巨人の競争激化がもたらす市場環境の変化に注目する必要があります。特に、実店舗とECの融合がさらに進むことで、オムニチャネル戦略の重要性が一層高まることが予想されます。
今後は1月19日の村議会での最終承認、そしてAmazonからの正式な詳細発表に注目です。




