Stellagent ResearchReport No. 012

家電量販セール・キャンペーンAI捕捉率調査:主要生成AI5サービスは家電量販店の公式キャンペーンをどこまで案内できるのか

家電量販店3ブランドの公式キャンペーン9件を固定し、主要AI5サービスへ2プロンプトで質問。90の捕捉機会のうち公式キャンペーンを明示的に捕捉したのは43.3%で、AI別は27.8〜55.6%、ブランド別はビックカメラ70.0%・ノジマ・コジマ各30.0%でした。

調査日2026年7月29日公開日2026年7月30日調査主体Stellagent株式会社分野家電量販店 / 小売・EC
Key Findings主要な調査結果
  1. 01

    家電量販店3ブランドの公式固定キャンペーン9件に対するAI回答の捕捉率は、90機会中39件の43.3%でした。ここでの捕捉は、公式固定キャンペーンを名称として明示的に挙げたかどうかを指します。

  2. 02

    AI別の捕捉率は27.8%から55.6%まで開きがあり、最も低いChatGPT・Geminiが27.8%、最も高いPerplexity・Copilotが55.6%、Claudeが50.0%でした。

  3. 03

    ブランド別では、ビックカメラが70.0%だったのに対し、ノジマとコジマはそれぞれ30.0%にとどまりました。

Survey Overview調査概要
調査名
主要生成AIは家電量販店の最新セール・キャンペーン情報をどこまで案内できるのか
調査対象
主要生成AIの回答、家電量販店公式サイト上の開催中セール・キャンペーン情報
対象ブランド
ビックカメラ、ノジマ、コジマ
対象AI
ChatGPT、Gemini、Claude、Perplexity、Copilot
調査日
2026年7月29日
公式固定キャンペーン
9件(3ブランド×各3件)
実行回数
各AI・各ブランド・各プロンプト1回(計30回答・90捕捉機会)
取得項目
回答全文ログ、取得日時、モデル・表示名、プラン、Web検索設定、スクリーンショット、公式キャンペーン固定表
集計方法
公式固定キャンペーン9件に対する90の捕捉機会を主指標とし、30回答単位で捕捉・一部捕捉・未捕捉を補助集計
調査主体
Stellagent株式会社

調査サマリー

Stellagent株式会社は、家電量販店の公式サイトに掲載されているセール・キャンペーン情報を、主要生成AIが買い物相談の文脈でどこまで案内できるかを調査しました。調査では、ビックカメラ、ノジマ、コジマの公式サイト上で2026年7月29日時点に開催中と確認できたキャンペーンを各3件、合計9件固定し、ChatGPT、Gemini、Claude、Perplexity、Copilotの5AIへ同一条件で質問しました。本調査は、Stellagent株式会社がCodexを実施者として行いました。

調査の結果、公式キャンペーン9件に対する捕捉機会90件のうち、AI回答が公式固定キャンペーンを明示的に捕捉したのは39件で、捕捉率は43.3%でした。AI別ではChatGPTとGeminiが27.8%、Claudeが50.0%、PerplexityとCopilotが55.6%でした。ブランド別では、ビックカメラが70.0%、ノジマとコジマがそれぞれ30.0%でした。ここでの捕捉は、公式固定キャンペーンを名称として明示的に挙げたかどうかを指し、提示された期限・条件・公式URLの正確性そのものは今回の集計対象外です。

指標結果
調査対象ブランド3ブランド(ビックカメラ、ノジマ、コジマ)
対象AIChatGPT、Gemini、Claude、Perplexity、Copilot
調査日2026年7月29日
公式固定キャンペーン9件(3ブランド×各3件)
AI回答数30回答(3ブランド×5AI×2プロンプト)
公式キャンペーン捕捉機会90件(9件×5AI×2プロンプト)
公式キャンペーン捕捉数39件(43.3%)
公式キャンペーン未捕捉数51件(56.7%)
3件すべて捕捉した回答8 / 30回答
一部捕捉した回答12 / 30回答
公式固定対象を明示捕捉しなかった回答10 / 30回答
公式URL候補の文字列を本文中に確認できた回答8 / 30回答

家電量販店3ブランドの公式キャンペーンに対する主要AI5サービスの捕捉率 ─ PerplexityとCopilotが55.6%で最も高く、ChatGPTとGeminiが27.8%で最も低い。全体の捕捉率は43.3%(各AI18捕捉機会・Stellagent株式会社調べ・2026年7月29日調査)

上図は、出典として「Stellagent株式会社調べ」を明記し、本ページへのリンクを設置いただくことで、報道・記事・資料等にそのまま転載いただけます。

公式サイトに掲載されている情報でも、AIの買い物相談で安定して提示されるとは限らないことが確認されました。実際に入力したプロンプトの全文は、本記事末尾の付録「使用プロンプト(全文)」に掲載しています。

調査背景

家電購入では、価格、在庫、配送、設置工事、保証、ポイント、下取り、期間限定セールなど、多くの条件が購入判断に関わります。とくにエアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビのような大型家電では、商品そのものの価格だけでなく、購入先ごとのキャンペーンや地域限定施策が意思決定に影響します。

一方で、消費者の情報収集は検索エンジンや価格比較サイトだけでなく、ChatGPT、Gemini、Claude、Perplexity、Copilotなどの生成AIへ広がっています。ユーザーが「今週末に家電を買うなら、どのキャンペーンが使えるか」とAIへ質問する場合、AIが公式キャンペーン情報を見つけ、期限や条件を整理し、公式URLとともに案内できるかが重要になります。

本調査は、家電量販店各社のキャンペーン内容や企業姿勢を評価するものではありません。公式サイトに掲載されている販促情報が、汎用AIの買い物相談でどの程度捕捉されるかを検証し、AI時代のEC・小売事業者に必要な情報整備の論点を明らかにするために実施しました。

調査概要

項目内容
調査名主要生成AIは家電量販店の最新セール・キャンペーン情報をどこまで案内できるのか
調査主体Stellagent株式会社
実施者Codex
調査手法AI回答実験、公式サイトのデスクリサーチ・突合
調査日2026年7月29日
対象ブランドビックカメラ、ノジマ、コジマ
対象AIChatGPT、Gemini、Claude、Perplexity、Copilot
対象選定基準既存の家電量販店AI・LLMO関連調査と比較しやすく、消費者が家電購入時に相談しやすい主要ブランドのうち、2026年7月29日時点で公式サイト上の開催中キャンペーンを固定できたブランドを対象にしました。当日中のリリース準備に間に合わせるため、公式キャンペーンを3件ずつ固定できたビックカメラ、ノジマ、コジマの3ブランドを初期ゲート対象とし、9ブランド全体への拡張は追加調査扱いとしました。
実施手順各ブランドの公式サイトから、2026年7月29日時点で開催中と確認できる家電・デジタル家電関連キャンペーンを各3件固定しました。その後、各AIへPrompt AとPrompt Bを入力し、回答全文、取得日時、モデル・表示名、プラン、Web検索設定、スクリーンショットを保存しました。
文脈影響の抑制Prompt AとPrompt Bは、同じAI・同じブランドでも別チャット、別スレッド、または一時チャットで実行しました。Prompt Aで得たキャンペーン名、URL、判定結果をPrompt Bへ渡していません。各ログ冒頭に独立チャットで取得した旨(context_isolation: independent_chat)を記録しました。
実行回数各AI・各ブランド・各プロンプトにつき1回実施しました。
集計単位主指標は、公式固定キャンペーン9件に対する捕捉機会90件です。補助指標として、30回答単位の「3件すべて捕捉」「一部捕捉」「未捕捉」を集計しました。本初期ゲートでは、公式固定キャンペーンを名称として明示的に挙げたかどうかを捕捉として集計し、提示された期限・条件・公式URLの正確性そのものは個別評価の対象外としました。
記録方法公式キャンペーン固定表、AI回答ログ、スクリーンショット、集計表、正規化メモ、品質チェックメモを保存しました。
除外・再実施UI操作上の取得失敗は同じプロンプトを新規チャットで再実施しました。最終的に30回答すべてを取得し、分析対象に含めました。
倫理・プライバシー公開情報とAI出力のみを対象とし、個人情報は扱っていません。

対象AIと実施条件

モデル名、プラン、Web検索設定は、AIサービスのUI表示をもとに回答ごとにログへ記録しました。AIサービスのUIやモデル表示は、日時、アカウント状態、サービス側の更新により変わる可能性があります。各AIは同一のモデル階層・契約プランでそろえていません。

AIサービス主な表示名・モデル表示実施条件
ChatGPTChatGPT一時チャットまたは新規チャット。Web検索ボタンを利用できる場合は有効化して実施しました。
GeminiGemini Flash-LiteGemini Web UIの新規チャットで実施しました。
ClaudeClaude Opus 5 HighClaude Web UIの新規チャットで実施しました。回答中にWeb検索の実行表示が見られました。
PerplexityPerplexity defaultシークレットモードの新規スレッドで実施しました。検索モードで回答を取得しました。
CopilotCopilot SmartCopilot Web UIの新規チャット、一時モード表示のある状態で実施しました。

モデル階層、契約プラン、Web検索設定がサービスごとに異なるため、後述のAI別の違いは、サービスそのものの差だけでなく、使用したモデル・プラン・検索設定の組み合わせによる差を含みます。

公式固定キャンペーン

公式キャンペーンは、ブランド公式EC、公式キャンペーン一覧、公式店舗情報、公式チラシ、公式特集ページに掲載され、2026年7月29日時点で開催中または終了日未到来と確認できるものから固定しました。公式ページは2026年7月29日に確認し、スクリーンショットを保存しました。ログイン後またはアプリ内だけで条件確認が完結し、第三者検証用の公開URLを残せないものは対象外としました。採用基準と除外対象の全文は、本記事末尾の付録「観察基準と除外基準(付録)」に掲載しています。

ブランド公式固定キャンペーン種別公式確認URL
ビックカメラオンライン SUMMER SALEセールhttps://www.biccamera.com/bc/c/sale/daily/index.jsp
ビックカメラ当社指定エアコン 最長10年無料保証付きキャンペーンhttps://www.biccamera.com/bc/c/sale/daily/index.jsp
ビックカメラ買い替えで最大5万円引き買い替え・下取りキャンペーンhttps://www.biccamera.com/bc/c/sale/daily/index.jsp
ノジマノジマのチラシチラシhttps://www.nojima.co.jp/campaign/chirashi
ノジマ塩飴プレゼント!熱中症対策&エアコン2027年問題を乗り切る特別キャンペーンキャンペーンhttps://www.nojima.co.jp/campaign/ac2027
ノジマノジマ67周年感謝祭!ハズレなし!dポイント最大10,000ptが当たるキャンペーンポイントキャンペーンhttps://www.nojima.co.jp/campaign/dpoint/
コジマ夏物在庫一掃売りつくしクーポン・セールhttps://www.kojima.net/ec/prod_list.html?CMPN_PLAN_CD=10019614&keyword=%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%9D%E3%83%B3
コジマ同一メーカーエアコン まとめ買いキャンペーンまとめ買いキャンペーンhttps://www.kojima.net/ec/Special/campaign/ac/multiple/index.html
コジマレビュー投稿キャンペーン2026年7月レビューキャンペーンhttps://www.kojima.net/ec/Special/campaign/review.html

判定基準

各回答は、対象ブランドの公式固定3件をどれだけ明示したかで、捕捉・一部捕捉・未捕捉に判定しました。公式URLの提示状況は、本文ログ上の文字列の有無を基準に3区分で記録しました。

分類定義
捕捉公式キャンペーンと同一または実質同一のキャンペーンを挙げた回答。回答単位では、対象ブランドの公式固定3件すべてを明示した場合を「捕捉」としました。
一部捕捉対象ブランドの公式固定3件のうち、1件または2件を明示した回答。
未捕捉対象ブランドの公式固定3件を明示的に挙げなかった回答。
公式URL候補あり回答本文ログ上で、対象ブランドの公式ドメインを含み、かつパスを伴う公式URL候補の文字列を確認できた回答。
ドメイン文字列のみ回答本文ログ上に対象ブランドの公式ドメイン名は出るが、パスを含む公式URL候補の文字列までは確認できなかった回答。
リンクなしまたはUI内引用のみ回答本文ログ上では公式ドメイン文字列も確認できなかった回答。AI UI上のリンクカードや引用ラベルはスクリーンショット上の補足証跡とし、本文ログのURL文字列とは分けました。

本調査では、「キャンペーンが存在しない」とは判定していません。あくまで、今回固定した公式キャンペーンがAI回答に明示的に出たかどうかを集計しました。

使用シナリオ

各AIには、ブランド別のキャンペーン確認(Prompt A)と、購買文脈での相談(Prompt B)の2つのシナリオを尋ねました。プロンプトの全文は、本記事末尾の付録「使用プロンプト(全文)」に掲載しています。

IDシナリオ条件
Prompt Aブランド別キャンペーン確認ブランド名を指定し、公式サイトまたは公式通販で開催中の家電・デジタル家電関連セールやキャンペーンを表形式で尋ねる
Prompt B購買シナリオ型今週末にエアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビのいずれかを買う予定という文脈で、使えそうな公式キャンペーンを尋ねる

Prompt Aは、AIがブランドの公式キャンペーン一覧を広く拾えるかを見るために設定しました。Prompt Bは、実際の購買相談に近い文脈で、大型家電の購入に使えそうなキャンペーンを期限や条件付きで案内できるかを見るために設定しました。

結果:公式キャンペーン捕捉率は43.3%

公式固定キャンペーン9件に対し、5AI・2プロンプトで合計90の捕捉機会を作りました。そのうちAI回答が公式固定キャンペーンを明示的に捕捉したのは39件で、捕捉率は43.3%でした。

指標件数割合
公式キャンペーン捕捉39 / 9043.3%
公式キャンペーン未捕捉51 / 9056.7%

回答単位で見ると、対象ブランドの公式固定キャンペーン3件すべてを捕捉した回答は8/30回答でした。一部捕捉は12/30回答、公式固定対象を明示捕捉しなかった回答は10/30回答でした。

回答単位の判定回答数割合
公式固定3件すべてを捕捉8 / 3026.7%
一部捕捉12 / 3040.0%
公式固定対象を明示捕捉せず10 / 3033.3%

結果:AI別の捕捉率は27.8%から55.6%まで差

AI別の公式キャンペーン捕捉率は、ChatGPTとGeminiが27.8%、Claudeが50.0%、PerplexityとCopilotが55.6%でした。検索・引用機能が強いAIでも、今回固定したキャンペーンをすべて安定して拾ったわけではありませんでした。

AIサービス捕捉数捕捉率
ChatGPT5 / 1827.8%
Gemini5 / 1827.8%
Claude9 / 1850.0%
Perplexity10 / 1855.6%
Copilot10 / 1855.6%

この差は、AIサービスの検索機能、引用表示、公式サイトの拾い方、回答時の慎重さに影響された可能性があります。ただし、本調査は各AI・各ブランド・各プロンプト1回の探索的調査であり、AIサービスの恒常的な順位を断定するものではありません。

結果:ブランド別ではビックカメラ70.0%、ノジマ・コジマ30.0%

ブランド別の公式キャンペーン捕捉率は、ビックカメラが70.0%、ノジマとコジマがそれぞれ30.0%でした。

ブランド捕捉数捕捉率
ビックカメラ21 / 3070.0%
ノジマ9 / 3030.0%
コジマ9 / 3030.0%

家電量販店3ブランドの公式キャンペーン捕捉率 ─ ビックカメラが70.0%、ノジマとコジマがそれぞれ30.0%。公式ページの情報構造によって捕捉率に差が出た(各ブランド30捕捉機会・Stellagent株式会社調べ・2026年7月29日調査)

上図は、出典として「Stellagent株式会社調べ」を明記し、本ページへのリンクを設置いただくことで、報道・記事・資料等にそのまま転載いただけます。

ビックカメラでは、オンライン SUMMER SALE、当社指定エアコンの最長10年無料保証、買い替え最大5万円引きが複数AIに捕捉されました。一方で、Prompt Bでは「大型家電向け全国共通キャンペーンは確認できない」と回答する例もあり、購買シナリオになると公式固定キャンペーンの提示が落ちる場合がありました。

ノジマでは、公式キャンペーン一覧に掲載されたチラシ、エアコン2027年問題関連キャンペーン、67周年dポイントキャンペーンの捕捉が不安定でした。特にPrompt Aで公式固定3件を明示しないAIが見られました。

コジマでは、公式キャンペーン一覧に、季節家電セール、エアコンまとめ買い、レビュー投稿、決済事業者キャンペーン、メーカーキャンペーンなどが並んでいました。AI回答でも、開催中施策、終了済み施策、外部主体施策が混ざりやすく、今回固定した3件の捕捉率は30.0%にとどまりました。

結果:公式URL候補の文字列を本文中に確認できた回答は8/30

本調査では、各AIに公式URLを示すよう求めました。30回答のうち、回答本文ログ上でパスを含む公式URL候補の文字列を確認できた回答は8件でした。公式ドメイン名だけが出た回答が3件、公式ドメイン文字列も確認できなかった回答が19件で、後者2区分を合わせた22件を「パスを含む公式URL候補の文字列を本文中に確認できなかった回答」として扱います。

指標回答数割合
パスを含む公式URL候補の文字列を本文中に確認8 / 3026.7%
公式ドメイン文字列のみ(3件)、またはリンクなし・UI内引用のみ(19件)22 / 3073.3%

ただし、この数値はAI UI上の表示仕様に影響されます。ChatGPT、Claude、Perplexity、Geminiでは、回答中にリンクカード、引用ラベル、ソース表示として公式ページが表示される場合がありましたが、本文ログ上には実URL文字列が残らないケースがありました。そのため、この指標は「購買判断に使える公式URLが本文として明示されたか」を見る補助指標であり、AIが内部的に公式ページへアクセスしたかどうかを直接示すものではありません。

それでも、ユーザーにとっては、キャンペーン名だけでなく、期限、条件、対象カテゴリ、公式URLを一体で確認できることが重要です。公式URLが明示されない場合、ユーザーはAI回答をそのまま信じるか、別途検索して確認し直す必要があります。

誤情報・未捕捉の主なパターン

公式キャンペーンがあるのに「確認できない」と答える

ビックカメラのPrompt Bでは、公式固定キャンペーンとして オンライン SUMMER SALE、エアコン最長10年無料保証、買い替え最大5万円引きを確認していた一方で、AI回答の中には「大型家電向け全国共通キャンペーンは確認できない」と整理するものがありました。これは、公式サイト上のセール情報を「全国共通」「大型家電向け」「今週末に使える」という購買文脈へ再整理する段階で、AIが慎重に寄りすぎた例と考えられます。

公式一覧にある複数施策から、固定対象とは別の施策を拾う

ノジマやコジマでは、公式キャンペーン一覧に多数の施策が掲載されています。AI回答は、固定対象にしたキャンペーンではなく、エポスカード、自治体施策、決済事業者キャンペーン、メーカーキャンペーン、別カテゴリのセールを優先する場合がありました。公式一覧に掲載されている情報でも、AIがどの施策を「買い物相談に有用」と判断するかは安定していませんでした。

終了済み・外部主体施策が混ざる

コジマの回答では、決済キャンペーンやメーカー主催キャンペーン、終了済み施策を含めて整理する例がありました。回答内で終了済みと注記したものもありますが、購買相談の文脈では、終了済み施策や外部主体施策が混ざるだけでも、ユーザーが利用可否を再確認する負担が生じます。

抽出・集計・正規化の方法

主指標は、公式固定キャンペーン9件に対する捕捉機会90件です。9件のキャンペーンに対し、5AI×2プロンプトで各キャンペーンに10の捕捉機会が生じ、合計90機会になります。各機会について、そのキャンペーン名がAI回答に明示されたかどうかを捕捉として集計しました。補助指標として、30回答単位で「公式固定3件すべてを捕捉」「一部捕捉」「未捕捉」を区分しました。

ブランド名とAIサービス名は、表記揺れを正規化しました。ブランド名はヤマダ電機・ヤマダをヤマダデンキ、ヨドバシをヨドバシカメラのように、AIサービス名はGPT・OpenAIをChatGPT、Bing Chat・Microsoft CopilotをCopilotのように、正規名へそろえました。キャンペーン、セール、フェア、特集、クーポン、ポイント還元は、公式ページ上で購入条件・期間・特典が確認できる場合に採用対象としました。メーカー主催キャンペーンと店舗チラシは、量販店公式サイト上で掲載を確認できた場合のみ採用対象としました。

本調査は、公式固定キャンペーンを名称として明示的に挙げたかどうかの捕捉(あり/なし)を測る設計で、順位やスコアの並び替えは行っていません。そのため、同順位を処理する場面はありません。UI操作上の取得失敗は同じプロンプトを新規チャットで再実施し、失敗回答は集計から外して再取得しました。最終的に30回答すべてを取得し、分析対象に含めました。

事業者への示唆

まず、キャンペーン情報は「掲載する」だけでなく、AIが見つけ、条件を理解し、購買文脈で再提示できる形に整える必要があります。セール名、対象カテゴリ、期間、特典、対象外条件、公式URLがページごとに分散していると、AIは一部だけを拾ったり、別施策を優先したりする可能性があります。

キャンペーン一覧ページでは、開催中、終了済み、地域限定、アプリ限定、メーカー主催、決済事業者主催を機械的に区別できる構造も重要です。人間には「キャンペーン一覧」として読めても、AIにとっては、どれが今使える公式キャンペーンで、どれが参考情報なのかを判断しにくい場合があります。

AI回答を前提にすると、公式URLの明示性がより重要になります。ユーザーがAIの回答から公式ページへ戻れなければ、期限、対象商品、応募条件、地域条件、アプリ条件を確認できません。キャンペーンページには、AIが引用しやすいタイトル、本文、日付、構造化された条件、安定したURLを持たせることが望まれます。

そのうえで、小売事業者は、自社の重要キャンペーンが主要AIでどのように案内されるかを定期的に監査する必要があります。キャンペーン開始時、終了直前、週末前など、購買行動が起きやすいタイミングでAI回答を確認することで、未捕捉、終了済み情報の混入、公式URL不足を早期に発見できます。

調査上の注意事項

  • 本調査は2026年7月29日時点のAI回答と公式サイト情報に基づく探索的調査であり、統計的な一般化を目的としたものではありません。
  • 対象ブランドは初期ゲートとして3ブランドに限定しています。家電量販店全体の傾向を示すものではありません。
  • 本調査の捕捉は公式固定キャンペーンを名称として明示的に挙げたかで判定しており、提示された期限・条件・公式URLの正確性そのものは今回の集計対象外です。
  • AI回答は日時、モデル、検索設定、会話履歴、アカウント状態、地域、UI変更により変動する可能性があります。
  • 各AI・各ブランド・各プロンプトの試行回数は1回です。同一条件でも回答は揺れる可能性があります。
  • 公式キャンペーン情報は短期間で変更されます。本調査では2026年7月29日時点で確認できた公式情報を基準にしました。
  • 公式URL候補の文字列提示率は、AI UI上のリンクカードや引用ラベルが本文ログに残らない場合に過小評価される可能性があります。
  • 本調査は各ブランドのキャンペーン内容、価格競争力、実店舗運営、顧客対応品質を評価するものではありません。
  • 本レポートに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。

更新履歴

  • 2026年7月30日:初版公開

使用プロンプト(全文)

各プロンプトの [ブランド名] は、ビックカメラ、ノジマ、コジマの正式表記に置き換えて入力しました。Prompt AとPrompt Bは、同じAI・同じブランドでも別チャットまたは別スレッドで実行し、Prompt Aの回答をPrompt Bへ渡していません。

Prompt A:ブランド別キャンペーン確認

2026年7月29日時点で、[ブランド名]の公式サイトまたは公式通販で開催中の家電・デジタル家電関連セールやキャンペーンを教えてください。

条件:

  • 公式サイトで確認できるものを優先してください。
  • キャンペーン名、対象商品またはカテゴリ、期限、主な特典、公式URLを表でまとめてください。
  • 終了済みや非公式情報の可能性がある場合は、その旨を明記してください。

Prompt B:購買シナリオ型

今週末に家電量販店でエアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビのいずれかを買う予定です。 2026年7月29日時点で、[ブランド名]で使えそうな公式セール・キャンペーンを、期限や条件つきで教えてください。

条件:

  • 公式URLを必ず付けてください。
  • 地域限定、アプリ限定、メーカー主催、オンライン限定などの条件がある場合は分けてください。
  • 情報が確認できない場合は、推測せず「確認できない」と答えてください。

観察基準と除外基準(付録)

公式出典の採用基準と除外対象は、次のとおりです。

公式出典の採用基準
  • ブランド公式EC、公式キャンペーン一覧、公式店舗情報、公式チラシ、公式特集ページに掲載されたもの。
  • 2026年7月29日時点で開催中、または開始済みかつ終了日未到来のもの。
  • 家電・デジタル家電・生活家電・空調家電・テレビ・PC等の購入意思決定に関係するもの。
除外対象
  • 第三者メディア、アフィリエイト、非公式クーポンまとめ。
  • メーカーサイトのみで、量販店公式サイト側に掲載が確認できないもの。
  • ログイン後またはアプリ内だけで条件確認が完結し、第三者検証用の公開URLが残せないもの。
  • 2026年7月29日時点で終了済みのキャンペーン。ただしAIが終了済み情報を提示した場合は、AI回答側の誤情報として記録しました。
Citation引用・転載について

本調査結果は、出典として「Stellagent株式会社調べ」と明記し、本ページのURLへのリンクを設置いただくことで、報道・記事・資料等に自由に引用・転載いただけます。

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