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2026年1月25日

EC・AIコマース ニュースダイジェスト(2026年1月26日)

目次
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この記事のポイント

  1. 米国オンライン食品売上が12月に過去最高127億ドル、前年比32%増
  2. AIがリテール変革の触媒に、エージェンティックコマースの競争が本格化
  3. 韓国EC市場で「反Coupang」トレンド、競合各社が会員制サービスを強化

今日の注目ニュース

米国オンライン食品売上が過去最高の127億ドルを記録

Brick Meets Clickの最新データによると、2025年12月の米国オンライン食品売上が過去最高となる127億ドルに達しました。これは前年同月比で32%の大幅増加となります。

オンラインチャネルは週間食品支出の19%を占め、2020年5月以来の最高水準を記録しました。月間利用者の半数以上が3回以上注文しており、前年比8%増加しています。特に30-44歳の年齢層では注文頻度が17%増加し、デジタル食品ショッピングが「たまの便利サービス」から「日常の習慣」へと変化していることを示しています。

Brick Meets ClickのDavid Bishop氏は「12月はeグロサリー売上の月間最高記録を更新し、年末を締めくくった。ただし成長は業態やバナーによって偏りがある」と指摘しています。消費者は配送、ピックアップ、宅配など複数のフルフィルメント方法を組み合わせて利用する傾向が強まっており、平均注文額も全フルフィルメントタイプで11%増加しました。

詳細記事: 米国オンライン食品売上が過去最高の127億ドルを記録

AIがコマース変革の決定的触媒になる理由

The AI Journalは、AIを「21世紀のリテールルネサンスを牽引する触媒」と位置づける詳細な分析記事を公開しました。15-16世紀のルネサンスが中世から近代への文化的転換をもたらしたように、AIが小売業界に根本的な変革をもたらすという視点です。

記事では、パーソナライゼーション、需要予測、在庫最適化、顧客サービスの自動化など、AIがもたらす具体的な変革領域を解説しています。特に注目すべきは、AIエージェントが単なるツールから「購買代行者」へと進化しつつある点で、消費者の購買行動そのものを変える可能性が指摘されています。

EC事業者にとっては、AI活用が競争優位の源泉となる時代が本格的に到来しており、早期の戦略策定と投資判断が求められています。

詳細記事: AIがもたらす「21世紀のリテールルネサンス」

AIコマースツール

AIエージェントが商品画像をバイラル広告に変換

Topviewなどのビデオ生成AIエージェントが、商品画像から数分でバイラルマーケティング動画を生成できるようになっています。数百万件の広告データでトレーニングされたこれらのAIは、効果的なフックを再現し、EC事業者の広告制作を大幅に効率化します。

従来の動画制作では、撮影、編集、ナレーション収録などに数日から数週間を要していましたが、AIエージェントを活用すれば同等以上のクオリティを数分で実現できます。制作コストの削減だけでなく、A/Bテストのための大量バリエーション生成も容易になり、広告パフォーマンスの最適化が加速します。

中小規模のEC事業者にとっては、大手と同等の広告クリエイティブを低コストで制作できるようになる点で、競争環境を変える可能性があります。

詳細記事: AIビデオエージェントが商品画像を数分でバイラル広告に変換

エージェンティックコマース

中国テック大手がエージェンティックコマース競争に本格参入

Global Timesによると、中国の大手テクノロジー企業がエージェンティックコマース(AIによる自律的購買代行)の分野で競争を本格化させています。

アリババ、JD.com、Bytedance(Douyin)などの主要プレイヤーが、AIエージェントを活用した次世代コマース体験の開発に注力しています。これらのAIエージェントは、消費者の嗜好を学習し、商品検索から比較、購入までを自律的に実行する能力を持ちます。

中国市場はAIコマースの実験場として世界をリードしており、ここで確立されたモデルがグローバルに展開される可能性があります。特にライブコマースとAIエージェントの組み合わせは、新たな購買体験を創出しています。

グローバルEC動向

韓国EC市場で「反Coupang」トレンド、競合が会員制サービスを強化

韓国のEC市場で「反Coupang」トレンドが拡大しています。SSG.comやNaverなどの競合各社が、報酬プログラムやOTTサービスとの連携など、魅力的な会員特典を打ち出してCoupangからの顧客獲得を狙っています。

Coupangは韓国EC市場で圧倒的なシェアを持つ一方、最近のデータ漏洩問題や米国での規制調査などで逆風を受けています。この機会を捉え、競合各社は差別化された会員プログラムで消費者を引きつけようとしています。

韓国EC市場の動向は、プラットフォーム競争の在り方として日本を含むアジア市場の参考になります。

Douyin買付チームが韓国上陸、KOTRAがK消費財の中国輸出を支援

韓国貿易投資振興公社(KOTRA)が、中国最大のショート動画・ライブコマースプラットフォームであるDouyin(TikTokの中国版)と連携し、韓国消費財の中国輸出を支援する統合プログラムを開始しました。

Douyinの買付チームが韓国に上陸し、K-ビューティーやK-フードなどの韓国製品を直接調達する体制を構築しています。ライブコマースを通じた販売は、従来の越境EC以上の即時性と訴求力を持ち、中国消費者へのリーチを大幅に拡大する可能性があります。

消費者動向

2026年の消費者トレンド7選:ショッパーが求めるもの

Forbesが2026年の消費者トレンド7項目を分析しています。今年の消費者は「自分自身と家庭を支える、より良い製品」を求める傾向が強まっています。

品質重視、サステナビリティへの関心、パーソナライズされた体験への期待など、単なる価格競争ではなく価値提案の質が重視される傾向にあります。EC事業者は価格以外の差別化要因を明確にする必要があります。

実店舗が復活、変化する小売環境の中で

Saksの破産など大型閉店のニュースが目立つ一方、実店舗小売は回復傾向にあります。1月に発表された計画では、閉店数よりも新規出店数が上回っています。

オンラインとオフラインの融合が進む中、実店舗は「体験の場」としての価値を再定義しています。EC事業者にとっても、ポップアップストアやショールームなど、物理的なタッチポイントの戦略的活用が検討に値します。

企業動向・提携

Walmartマーケットプレイスがプレミアム楽器ショップを開設

Walmart Marketplaceが新たにキュレーションされた「プレミアム」楽器ショップを開設しました。品揃えの拡充を図る一方、出品できるセラーを限定しており、品質管理を重視した運営方針を示しています。

Walmartは特定カテゴリでの専門性を高めることで、Amazonとの差別化を図っています。マーケットプレイス事業者にとっては、カテゴリ特化型の出店戦略を検討する参考になります。

その他注目

メール登録に潜む不正行為の実態

決済詐欺の多くは新規アカウント作成段階から始まっています。犯罪者は有効だが偽のメールアドレスを使用してアカウントを作成し、後の不正購入に利用します。

EC事業者は、アカウント作成時のメール検証を強化し、不正なサインアップパターンを検知する仕組みの導入を検討すべきです。初期段階での不正検知が、後の被害を大幅に軽減します。

まとめ

本日のニュースからは、3つの大きな潮流が見えてきます。

第一に、オンライン食品売上の記録更新に代表されるように、EC利用の日常化が一層進んでいます。第二に、AIエージェントの活用が広告制作から購買代行まで拡大し、中国では大手テック企業がエージェンティックコマースの競争を本格化させています。第三に、韓国の「反Coupang」トレンドのように、プラットフォーム競争の構図が変化しつつあります。

明日以降は、NRF 2026で発表された各社のAI戦略の具体的な展開や、中国エージェンティックコマースの動向に注目です。