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2026年3月5日

EC・AIコマース ニュースダイジェスト(2026年3月5日)

目次
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この記事のポイント

  1. Best BuyがエージェンティックAIによる商品発見体験の最前線を宣言
  2. ShopeeがAI生成セレブリティのライブコマースをテスト開始
  3. エージェンティックコマース基盤の整備が決済・プラットフォーム両面で加速

今日の注目ニュース

Best Buy、エージェンティックAI時代の商品発見体験をリード

米家電量販大手のBest BuyがエージェンティックAIによる商品発見体験の最前線に立つ意向を表明しました。CEO のCorie Barry氏は、AIエージェントが消費者に代わって商品を調査・推薦する時代に向けて、プラットフォーム上でもプラットフォーム外でも新しい方法で顧客にサービスを提供したいと述べています。

Best Buyは家電という高額・比較検討型の商材を扱うリテーラーとして、AIエージェントが商品スペックを比較し最適な選択肢を提示するユースケースに高い親和性があります。実店舗を持つ大手リテーラーがエージェンティックコマースへの対応を経営戦略として明確に打ち出した事例として注目されます。

詳細記事: Best BuyがエージェンティックAIの最前線を宣言、OpenAI・Google連携でAI時代の商品発見を再定義

Shopee、AIセレブリティによるライブコマースをテスト開始

東南アジアEC大手Shopee(Sea社)が、元NBAスターのMetta World Peaceを起用したAI生成セレブリティによるライブコマースのテストを開始しました。37 Partnersのプラットフォームを活用し、AIによるデジタルライクネス(デジタル分身)がリアルタイムで多言語翻訳やパーソナライズされたファンエンゲージメントを提供します。

従来のライブコマースではホストの確保やスケジュール調整がボトルネックとなっていましたが、AIセレブリティを活用することで24時間・多言語での配信が技術的に可能になります。ライブコマースが東南アジアEC成長の主要ドライバーとなる中、AI技術でエンゲージメントとマネタイズの両方を引き上げる新たな試みです。

詳細記事: ShopeeがAIセレブリティ・ライブコマースを開始 ── 37 Partnersと連携し、多言語対応の「永続セレブリティコマース」を展開

エージェンティックコマース

Stripe、Affirm・Klarnaとの連携でエージェンティックコマース決済を拡充

StripeがShared Payment Tokensを通じたAffirm・Klarnaとの連携を拡大し、AIエージェント経由のBNPL(後払い)決済に対応しました。これまでAIエージェントによる決済は登録済みカードに限定されがちでしたが、SPTによりBNPLを含む多様な決済手段をエージェントが処理できるようになります。

Stripe既存連携を持つマーチャントは追加開発なしでこの機能を利用でき、EC事業者のエージェンティックコマース対応のハードルが大きく下がります。

PwC、リテールにおけるエージェンティックAI革命を分析

PwCのStrategy&がリテール業界におけるエージェンティックAI革命に関する分析レポートを公開しました。自律型AIエージェントがコストを30%削減しながら売上成長を促進する可能性を示しています。

コンサルティング大手がエージェンティックAIの小売業への影響を体系的にまとめたレポートとして、業界の方向性を把握する上で参考になる内容です。

Spreedly、エージェンティックコマースをマーチャント向けライブチャネルとして提供開始

決済オーケストレーションプラットフォームのSpreeadlyが、エージェンティックコマースをマーチャント向けの正式なライブチャネルとして提供開始しました。AIエージェントが商品推薦だけでなくチェックアウトまで完了できる仕組みを、既存の決済インフラ上で実現します。

決済オーケストレーター側がAIエージェント対応を「チャネル」として位置づけたことで、マーチャントはWeb・モバイルと並ぶ新たな販売チャネルとしてエージェンティックコマースを運用できるようになります。

AgentPass、Paz.aiにリブランド ── リテーラー向けエージェンティックコマースプラットフォーム

エージェンティックコマースインフラ企業のAgentPassがPaz.aiにリブランドしました。リテーラー向けにAIエージェントが購買プロセスを代行するプラットフォームを提供します。

エージェンティックコマース専業のプラットフォーム企業が登場し始めたことは、この領域が独立した市場カテゴリとして確立されつつあることを示しています。

詳細記事: AgentPassがPaz.aiにリブランド ── AIショッピングエージェント時代の「プロトコル統合基盤」として始動

決済・フィンテック

Nexi×Google Cloud、エージェンティック決済インフラを構築

欧州最大級のペイテック企業Nexi GroupとGoogle Cloudが、AIエージェントによる代理購買・決済のインフラ構築で提携しました。消費者の明示的な同意のもとでAIエージェントが購買と決済を管理する次世代デジタルコマース基盤を開発します。

欧州25カ国以上をカバーするNexiの決済ネットワークにAIエージェント基盤が統合されることで、エージェンティックコマースが欧州全域で面的に展開される土壌が整います。

DBS、アジア太平洋初のVisa Intelligent Commerce試験運用を開始

東南アジア最大の銀行DBSが、Visaの「Intelligent Commerce」フレームワークをアジア太平洋地域で初めて試験運用します。AIエージェントが日常の買い物を代行する際の安全な決済フローを実現する取り組みです。

Visaのエージェンティック決済基盤がアジアでも展開段階に入ったことを示す動きであり、グローバルなインフラ整備の進展を裏付けています。

Citi、ECにおけるフィンテック共創戦略を推進

CitiがエージェンティックAIの領域でフィンテック企業との共創(co-creation)戦略を推進しています。自前で全てを構築するのではなく、フィンテックと密接に協業するアプローチを取っています。

大手銀行がEC・AIコマース領域でオープンなパートナーシップ戦略を明確にしたことは、決済エコシステム全体のオープン化が進んでいることを示しています。

AIコマースツール

Criteo、ChatGPT返答内でディスプレイ広告の配信を開始

フランスのアドテック大手Criteoが、ChatGPTの回答内でオンラインショップ向けのディスプレイ広告配信を開始しました。ChatGPT Free版およびGoプランの米国ユーザーが対象です。Criteoによると、LLMプラットフォーム経由のユーザーは他チャネルの約1.5倍のコンバージョン率を示しています。

AI会話内広告はコマースメディアの新たなフロンティアであり、EC事業者にとってAIアシスタント上での商品露出が今後の重要な集客チャネルとなる可能性を示唆しています。

企業動向・提携

Cart.com、EC物流・サービス事業で1.8億ドルを調達

ECサービス企業のCart.comがSpringcoast Partnersから1億8,000万ドルのグロース資金を調達しました。フルフィルメント、マーケティング、マーケットプレイス管理など、EC事業者向けの統合サービスプラットフォームの拡大に充てる計画です。

EC事業者のオペレーション効率化を支援するインフラ企業への大型投資が続いており、EC支援サービス市場の成長が投資家からも評価されていることを示しています。

物流・フルフィルメント

UPS、10万人超のドライバーに退職パッケージ提供 ── Amazon事業の縮小に伴い

物流大手UPSが10万人以上のドライバーに退職パッケージ(バイアウト)を提供しています。Amazon依存からの脱却を図り、ECおよびAmazon事業の縮小に伴う事業再構築の一環です。

EC物流の最大手が大規模なリストラクチャリングに着手したことは、EC物流業界の構造変化を象徴しています。Amazon自前物流網の拡大によりサードパーティ物流への依存が減少する中、UPSの戦略転換がEC配送コストやサービスレベルにどのような影響を及ぼすか注目されます。

消費者動向

EC詐欺、米国消費者の71%が遭遇 ── Clutchレポート

Clutchの調査レポートによると、米国消費者の71%がECでの詐欺に遭遇した経験があることが明らかになりました。EC利用の拡大に比例して詐欺手口も巧妙化しています。

AIエージェントによる代理購買が普及する中、詐欺リスクへの対策はエージェンティックコマースの信頼性構築においても重要な課題です。AIエージェントが安全な購買判断を行うための不正検知・信頼性評価の仕組みがますます求められます。

まとめ

本日のニュースでは、エージェンティックコマースのエコシステム整備が多方面で進展していることが鮮明になりました。Stripe×BNPL連携、PwCのレポート、Spreedly・Paz.aiなどの専業プラットフォーム登場と、決済インフラからサービスレイヤーまで広範囲で動きがあります。

一方、Best Buyのような大手リテーラーがエージェンティックAIへの対応を経営課題として明確に位置づけ、ShopeeがAIセレブリティによるライブコマースという新しいフォーマットを試すなど、小売の現場でもAI活用の具体化が進んでいます。

明日以降は、PwCレポートの詳細分析やBest Buyの具体的なAI施策の展開、そしてAIセレブリティライブコマースの反応データに注目です。