AIコマース ニュースダイジェスト(2026年9月25日)
2026年9月25日のAIコマースニュース。ShopifyがMeta向け直接チェックアウトを対象ストアで既定で有効に、Cleverbridgeがフランス初のPasskey認証エージェント決済を完了、LTKとShopeeがAIによる商品発見を強化。
この記事のポイント
- ShopifyのMeta向け直接チェックアウトは既定で有効
- Cleverbridgeが仏初のPasskey認証エージェント決済
- LTKとShopeeがAIによる商品発見を自前の強みで強化
9月25日のAIコマース関連ニュースをお届けします。前日に紹介したMetaの「Muse」をめぐる動きは、Shopifyの加盟店側の設定という具体的な論点に移りました。ShopifyはMeta向けの直接チェックアウトを対象ストアで既定で有効にしており、同じく前日に取り上げたGoogleのAIモードと同様に、止めたい加盟店が自分で設定を変える方式です。決済では、カナダ、デンマーク、英国に続き、フランスでも初のエージェント決済が本番環境で成立しました。商品発見の領域では、クリエイターの推薦を土台にしたLTKと、自社LLMを育てたShopeeが、汎用AIとは違う強みを打ち出しています。
今日の注目ニュース
Shopify、Meta向けの直接チェックアウトを対象ストアで既定で有効に、停止しない限りMuseからそのまま購入される

Shopifyは加盟店にオプトインを求めず、スイッチを入れた。同じ日にAmazonは扉を閉ざし、エージェントコマースは2つのモデルに分かれた。
forkast.news前日の深掘りで取り上げた、MetaのAIエージェント「Muse」へのShop Pay提供には、加盟店にとって重要な続きがありました。Shopifyのヘルプセンター「Selling on Meta」によると、Metaチャネルでの直接チェックアウトは、条件を満たすストアでは既定で有効になっています。加盟店が申し込むのではなく、止めたい加盟店が管理画面の「販売チャネル」から「Agentic」、Metaの順に進んで無効にする方式です。Forkastは、この切り替えが9月21日に対象の加盟店へ一斉に適用されたと報じ、対象を約100万店としています。
直接チェックアウトを止めても、商品はShopify Catalog経由でMetaに表示され続けます。その場合、購入の段階で自社のオンラインストアに誘導されます。ヘルプセンターでは、直接チェックアウトの表示は米国、カナダ、メキシコの顧客に限られ、Shopifyの通常の決済手数料以外の費用はかからないと説明しています。一方、サブスクリプション、カスタマイズ商品、B2B専用商品、チェックアウトブロック、カスタムピクセル、商品バンドルは使えません。商品説明の法的表示は、冒頭6,000文字以内に入れる必要があります。
前日に紹介したGoogleのAIモードとGeminiでも、対象のShopify加盟店は直接チェックアウトが既定で有効になっていました。AIエージェント側の購入窓口は、加盟店の個別判断を待たずに一気に開いたことになります。定期購入や計測タグに頼っている加盟店は、売上の一部がエージェント経由の購入に移ったときに何が見えなくなるのかを、ホリデー商戦の前に確かめておく必要があります。
Cleverbridge、VisaとRevolutと組みフランス初のエージェント決済を本番で完了、Passkeyで欧州の強力な顧客認証に対応

Cleverbridgeは、VisaとRevolutとともに、Passkey認証された消費者向けカードで、フランス初のAIエージェント起点の本番決済を完了した。
www.businesswire.comソフトウェア企業向けにグローバルな販売基盤を提供するCleverbridgeは9月24日、フランスで初となるPasskey認証を使ったエージェント決済を本番のチェックアウトで完了したと発表しました。今月初めに公表された、VisaとRevolutとの試験運用の一環です。
流れはこうです。Visaのテスト用エージェント「My Agent」が購入を開始し、CleverbridgeはVisaのTrusted Agent Protocolによって承認済みのエージェントだと識別したうえで、チェックアウトを完了しました。認証にはVisa Payment Passkeyを使い、欧州の強力な顧客認証(SCA)の要件を満たしています。最終的な承認は、Revolutがフランスの消費者向けカードで行いました。Cleverbridgeは7月、Trusted Agent ProtocolとAgentic Directoryを最初期に有効にした加盟店の1社として、自社環境での取引を始めていました。
前日のダイジェストでは、カナダ、デンマーク、英国の「初のエージェント決済」を紹介しました。今回の事例で目を引くのは、どのエージェントが来たのかを加盟店が把握し、決済の主導権は発行銀行が握ったままという2つの条件を、実在の消費者カードでそろえた点です。CleverbridgeのRichard Stevenson CEOも、この2点が満たされてはじめてエージェンティックコマースは実際の取引量を担えると述べています。
エージェンティックコマース
Pine LabsとGoogle Cloudが提携、インドの中小加盟店をエージェンティックコマースに参加させる(続報)

Pine Labsは9月24日、インドの加盟店でエージェンティックコマースを広げるため、Google Cloudとの戦略的協業を発表した。
www.moneycontrol.comインドの決済大手Pine Labsは9月24日、Google Cloudとの戦略的協業を発表しました。大企業から成長中の中小事業者まで、インドの加盟店がエージェンティックコマースに参加できるようにすることが目的です。
協業の柱は、商品の見つけやすさ、決済、ガバナンスの3つです。Pine LabsはGemini Enterprise Agent Platformを使って商品カタログの整備とエージェントの展開を進め、Universal Commerce Protocol(UCP)とAgent-to-Agent(A2A)にもネイティブで対応します。同社は、エージェント経由の購買で恩恵を受けるのは、AIが読める構造化カタログ、リアルタイムの在庫、自動化されたチェックアウトを備えた加盟店だと説明しています。
Amrish Rau CEOは「インドの6,000万の中小企業が、最初からこの流れに参加できるかが問われている」と語りました。Pine LabsはこれまでOpenAIとの提携や独自の決済プロトコルも打ち出しており、特定のAI企業に偏らず、複数のエージェント基盤につながる窓口を加盟店に用意する姿勢がはっきりしてきました。
Mastercard幹部、加盟店はAIエージェント経由の買い物客を受け入れつつ顧客関係を失いたくないと指摘

MastercardのGaurang Shah氏がPYMNTSのKaren Webster氏と対談し、加盟店にとってエージェントへの参加が避けられなくなりつつある理由を語った。
www.pymnts.comMastercardでグローバルな加盟店ソリューションを統括するGaurang Shah執行副社長は、PYMNTSのKaren Webster CEOとの対談で、エージェンティックコマースの現状を「信頼の方程式」と表現しました。消費者がエージェントに取引を任せ、加盟店がその取引を受け入れるという両側の信頼がそろわないと、取引は広がらないという見方です。
Shah氏は、検索はすでにエージェント経由で起きていると述べています。加盟店がチェックアウトで確かめたいのは、そのエージェントが正規のものか、消費者が本当に許可したか、何をしてよいと許されていたか、そして取引がその範囲に収まっていたかです。対談では、消費者は保護されるのが当然と考える一方、加盟店は責任をエージェントの提供者が負うべきだと考えている、という認識のずれも取り上げられました。
発見、比較、ランキングはすでにAI上で行われており、消費者は最後の購入だけを馴染みのサイトに戻って行っています。加盟店が正式に参加するかどうかを決める前から、顧客接点の入口は自社の外に移り始めているという指摘は、Shopifyの既定有効化のニュースと合わせて読むと現実味があります。
AIコマースツール
LTK、アプリの検索タブを刷新しAI検索と会話型AIをクリエイターの推薦に結びつける、小売サイトへの送客は84%増

LTKアプリの新しい検索タブは、興味に基づく発見、AI検索、会話型ショッピングを1つの体験にまとめる。
www.businesswire.comクリエイターコマースのLTKは9月24日、アプリの新しい「Search」タブを発表しました。興味に基づくパーソナライズされた発見、AIが生成する検索概要つきの検索、会話型AI「LTK AI」の3つを1か所にまとめたものです。検索はすでにアプリで2番目に多く使われている機能でした。
特徴は、AIの回答をクリエイターの実際の推薦に結びつけている点です。LTKは独自のコマースインテリジェンスグラフを使い、クリエイターの投稿や商品、ブランドを推薦に反映しています。今月初めの公開以降、検索から小売サイトへの商品クリックアウトは84%増、検索経由のクリエイタープロフィール閲覧は約50%増、LTK AIの日次利用者は前月比89%増となりました。
LTKは年間60億ドル超の小売売上を生んでいます。汎用のAIアシスタントが商品推薦を担い始めるなかで、人の実体験という「信頼の層」をAIの根拠に据える戦い方は、ブランドや小売にとってクリエイター経由の露出の意味を変えるものです。
詳細記事: LTK、アプリに新「Search」タブを公開:クリエイターの推薦に接地したAI検索と会話型AIを統合、小売サイトへの送客は84%増
Shopee、東南アジアEC向けの自社LLM「Compass」を構築、AIトラフィックの大半を処理

東南アジアのEC大手Shopeeは、NVIDIA AI Factoryを使い、特化型の多言語LLMファミリー「Compass」を構築した。
www.frontier-enterprise.com東南アジアを中心に8市場でECを運営するShopeeが、NVIDIA AI Factoryを使って、EC特化の多言語LLMファミリー「Compass」を構築したことが明らかになりました。汎用LLMは英語のタスクは得意でも、インドネシア語の買い物クエリやタイ語の商品分類、ベトナム語の購買意図では性能が落ちます。Shopeeはこの差を測るため、東南アジアEC専用の評価基準「EcomEval」も作りました。
最新のCompass-v3は、総パラメータ2,450億、トークンごとに710億が動く混合エキスパート(MoE)型のモデルです。学習は事前学習から始まり、指示追従や選好アライメントを経て、エージェント型の強化学習まで5段階で行います。現在は検索、推薦、不正検知、荷物の回収、カスタマーサービスで、ShopeeのAIトラフィックの大半を担っています。月間のAPIトークン数は8か月で30億から3,400億へ増え、不正検知は人手の審査に比べ50倍の効率で、処理コストは90%下がったとされています。
年間の流通総額が1,360億ドルを超える規模のプラットフォームが、購買意図の理解を外部の汎用モデルに任せず自前で持つと決めたことは、エージェント時代の競争力がどこにあるかを示しています。
詳細記事: Shopee、EC特化の自社LLM「Compass」でAI処理の大半を内製化:NVIDIAと構築、月間トークンは8か月で113倍
Walmart、サプライヤー向けデータ基盤Scintillaを「コマースインテリジェンス基盤」へ、会話型AIで分析から発注まで

Walmart Data Venturesは、サプライヤー向けイベントInspire 2026で、Scintillaを「コマースインテリジェンス基盤」へ進化させるロードマップを示した。
theshelbyreport.comWalmartのデータビジネスWalmart Data Venturesは、アーカンソー州ロジャーズで開いたサプライヤー向けイベント「Inspire 2026」で、データ基盤Scintillaを「コマースインテリジェンス基盤」へ発展させるロードマップを示しました。参加者は2,000人を超え、名称をScintillaに変えた2024年の約1,200人から大きく増えています。
来年は、自社販売とマーケットプレイスの両方で商品を扱うブランドが、Walmart.comでの事業全体を1つの画面で見られるようになります。アシスタント「Marty for Scintilla」は、Walmartのファーストパーティデータに基づく会話型AIへ進化し、複雑な問いに答えたりカスタムのダッシュボードを作ったりできるようになる予定です。
目指すのは、気づいてから動くまでの距離を縮めることです。Walmartは、50店舗で欠品しそうな主力商品を見つけたら、そのまま補充のシステムへ移れる例を示しました。分析の結果はすでにリテールメディアのWalmart Connectにもつながっています。
Boll & Branch、AIのベッドコーディネートツールで平均注文額が2倍に

Boll & BranchはAIを使い、ベッドメイキングの出張サービスを誰もが使える形に広げている。
www.retailbrew.com米国の高級寝具ブランドBoll & Branchは、同社初のAIツール「バーチャルベッドデザイナー」の成果を明らかにしました。eTail Bostonのパネルに登壇したKatia Unlu最高商務責任者によると、4月に試験を始めたこのツールを使った顧客は、平均注文額が2倍になっています。
もとは、スタッフが顧客の自宅でベッドを整える出張サービスがありましたが、寝室に人を入れたくない顧客も多く、広げにくいのが課題でした。そこで、ベッドのスタイリングをAIで再現し、顧客が自分でWeb上で試せるようにしました。店舗では販売スタッフが顧客と一緒に操作しています。
売上だけでなく、ブランケットやクッションなど、これまであまり売れていなかった装飾品の需要も掘り起こしているといいます。店舗の接客で得た知見をAIツールに移し、オンラインでも同じ提案ができるようにした事例です。
詳細記事: Boll & Branch、AIの「バーチャルベッドデザイナー」で平均注文額が2倍に:店舗スタイリストの組み合わせ提案をAIに移したクロスセル事例
広告・リテールメディア
OpenAI、ChatGPT広告を東南アジア6か国と台湾に拡大、中小企業向けのセルフサーブも開放

OpenAIはChatGPT広告をインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、台湾に展開し、提供国は60か国を超えた。
marketech-apac.comOpenAIは9月24日、ChatGPT広告の提供をインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、台湾の7市場に広げました。これで提供国は60か国を超えます。アジア太平洋では、すでにオーストラリア、ニュージーランド、日本、韓国、インドで始まっていました。
広告主は、OpenAIの広告チームや大手広告会社を通じて出稿できるほか、条件を満たす事業者はセルフサーブのAds Managerで自ら出稿できます。広告が表示されるのは無料プランとGoプランの利用者だけです。配信は、進行中の会話の文脈と、有効になっている場合はそれ以外の利用状況に基づきます。
発表では、EC大手のShopeeがパートナーとして名前を挙げられました。ブラジルでの提携に続く展開です。OpenAIは、会話の中で利用者が目的や条件を語る瞬間を、これまでにない広告の機会と位置づけています。
YouTube、Amazon商品タグ付けをインドとブラジルに拡大、アフィリエイトは年内に35か国へ

YouTubeは、AIを使った制作、ブランド連携、ショッピング、パーソナライズされた発見などの新機能とあわせ、Amazon商品タグ付けを数週間以内にインドへ導入する。
www.storyboard18.comYouTubeは「Made on YouTube 2026」で、米国の対象クリエイター向けに提供しているAmazon商品のタグ付け機能を、数週間以内にインドとブラジルへ広げると発表しました。クリエイターは動画内でAmazonの商品をタグ付けし、アフィリエイト収入を得られます。
あわせて、ブランドや小売がクリエイターに高い手数料率やボーナスを提示できる「アフィリエイトキャンペーン」も導入します。YouTubeショッピングのアフィリエイトプログラムは、年末までに35か国へ拡大する予定です。
YouTubeによると、ショッピングタグは動画の説明欄に貼ったリンクに比べ、2倍以上のクリックを生んでいます。動画の中で商品を見つけて買う流れが、主要な新興市場にも広がることになります。
消費者動向
NIQ調査、米国の消費者の51%が直近1か月に買い物でAIツールを利用、初めて半数を超える

米国の消費者の51%が、直近1か月に少なくとも1つのAIツールを買い物に使ったと回答し、購買行動の転換点を示した。
ca.finance.yahoo.com消費者データのNIQ(NielsenIQ)は9月24日、月次調査「Agentic Commerce Tracker」の最新結果を公表しました。米国の消費者の51%が、直近1か月に少なくとも1つのAIツールを買い物に使ったと答え、初めて半数を超えました。利用はこの2四半期で着実に増えています。
AIのパーソナルショッピングアシスタントの利用率は16%でした。AIは商品の発見から最終的な購入判断まで購買の流れ全体で使われており、選択肢の比較や価値の見極め、候補の絞り込みに役立てられています。NIQは、AIが買い物を置き換えるのではなく、意思決定の時間を縮めていると分析しています。
北米部門のLiz Buchanan社長は、消費者だけでなく、消費者を手助けするAIに向けても最適化できるブランドと小売が勝つと述べています。商品情報の質や構造化データが、売り場づくりや検索対策と同じくらい売上を左右する段階に入ったことを示す数字です。
グローバルEC動向
中国の「口紅王子」李佳琦氏、ライブコマースの成長鈍化とAI配信者の台頭に向き合う
AIはライブ配信のコストを最大90%下げているが、信頼を築き購買を促すうえで人間の配信者はなお欠かせない。
www.straitstimes.com中国で「口紅王子」と呼ばれるライブコマース配信者の李佳琦(Li Jiaqi)氏の近況を、ロイター配信の記事が伝えています。1億人超のフォロワーを持つ同氏は、成長は4〜5年前ほど爆発的ではないものの、業界は「安定した健全な段階」に入ったと語っています。中国の8月の小売売上高は前年比0.4%増にとどまりました。
業界では、24時間配信できるAIのデジタル配信者が広がっています。JD.comは2025年12月にAI配信サービスを加盟店に無償開放し、配信の運営コストを80〜90%下げられるとしています。一方、2025年9月にはAI生成コンテンツの表示義務が始まり、Douyinは完全にAIで生成したライブ配信を禁じ、デジタル配信者の利用を開示するよう求めています。
李氏は、AIは効率化の道具であり人間の配信者を置き換えることはないという立場です。サイズの相談ひとつをとっても、人間の配信者は信頼を築く答え方ができるという現場の声もあり、AIと人の分担が改めて問われています。
Amazon、インドのクイックコマースに2030年までに30億ドルを投資へ、ロイター報道
Amazonは2030年までにインドのクイックコマース事業へ30億ドルを投じる計画だと、関係者2人が明らかにした。
www.channelnewsasia.comロイターは9月24日、関係者2人の話として、Amazonがインドのクイックコマース事業に2030年までに30億ドルを投資する計画だと報じました。2027年末までに10億ドル、2030年までにさらに20億ドルを投じ、配送拠点となる小型倉庫を増やします。拠点数は現在の約750から、来年4月までに約1,300へ広げる計画です。
インドのクイックコマース市場は190億ドル規模で、2030年には410億ドルへ倍増すると見込まれています。ただし市場の77%はBlinkit、Swiggy、Zeptoの地場3社が握り、WalmartのFlipkartが11%、Amazonは6.2%にとどまります。
Amazonは投資額についてコメントしていませんが、同社のクイックコマース事業は直近3か月の年換算で総売上10億ドルを超え、インド事業の歴史で最も速く伸びている事業だと説明しています。数分で届く配送が、牛乳からスマートフォンまでの買い方を変えている市場で、出遅れた大手が本格的に巻き返しに出た形です。
物流・フルフィルメント
Amazon、マルチチャネル配送の利用事業者が自社サイトでPrime配送を追加費用なしで提供可能に

Amazonは高速で無料のPrime配送の提供範囲を広げ、配送を委託する小売事業者の成長を後押しする。
chainstoreage.comAmazonは9月24日から、同社の物流サービスAmazon Supply Chain Servicesに含まれるマルチチャネルフルフィルメント(MCF)を使う米国の事業者が、自社のWebサイトでPrime配送を追加費用なしで提供できるようにしました。決済や注文管理、店舗のポリシーを変える必要はなく、Primeの会員資格はチェックアウト後に確認されるため、買い物客がAmazonにログインする必要もありません。
導入はMCFのほか、ShopifyのBuy with Prime連携やSelling Partner APIからも可能で、Fulfil、LingXing、WebBeeなどのパートナー経由の連携も近く始まります。早期に導入した小売事業者では、配送注文の40%超がこのPrime配送で行われているといいます。
あわせて、FBAクレジットとMCFの配送料割引を組み合わせ、最初の6か月の配送料を15〜25%抑えられるプログラムも始めました。eBay、Shopify、TikTok、Walmartのアカウントをセラーセントラルにつなぎ、出品や注文を一元管理できる機能も加わり、Amazonの物流を他のチャネルでも使わせる動きが強まっています。
決済・フィンテック
Amazon、英国でAffirmの分割払いを導入、無利息の3回払いと最長48か月の長期プラン

AmazonはAffirmと提携し、英国の顧客にAmazon.co.ukのチェックアウトで分割払いの選択肢を提供する。
thepaypers.comAmazonはAffirmと提携し、英国のAmazon.co.ukで分割払いを導入しました。今後数週間で対象の顧客へ順次広げ、ほとんどのカテゴリーの数百万点の商品が対象になります。
選べるのは2つのプランです。購入額を3回の無利息の月払いに分ける「0% Pay-in-3」と、代表年率22%の固定金利で最長48か月まで分割できる長期プランです。どちらも最低購入額は50ポンドで、延滞手数料や繰り上げ返済の違約金はありません。100ポンドを超える購入は、英国の消費者信用法第75条による保護も受けられます。
ギフトカードや食品、音楽や電子書籍などのデジタルコンテンツは対象外です。両社は支払い方法の選択肢と条件の分かりやすさを前面に出しています。高額な家電やホリデー商戦の買い物で、分割払いがカート放棄を減らす手段として定着するかが焦点になります。
まとめ
今日の話題の中心は、AIエージェントによる購入の窓口が、加盟店の判断を待たずに開きつつあることです。ShopifyのMeta向け直接チェックアウトも、前日のGoogleのAIモードも、既定で有効にする方式を採りました。一方で、Cleverbridgeのフランスの事例が示したように、取引を本当に増やすには、加盟店がエージェントを識別できることと、発行銀行が承認の主導権を持つことの両方が要ります。Mastercardの幹部が語った「信頼の方程式」は、ちょうどこの2つがそろうかどうかの問題です。
商品発見の側では、LTKがクリエイターの推薦に、Shopeeが自社の多言語データに、それぞれAIを根ざそうとしています。汎用のAIアシスタントが入口を押さえつつある今、自分たちにしかないデータや信頼をどうAIに接続するかが差になります。NIQの調査で米国の消費者の過半がAIを買い物に使い始めたことを考えると、残された時間は長くありません。
9月30日にはリテールメディア基盤のTopsortが新技術を発表する予定で、リテールメディアとAIが交わる領域の動きにも注目です。ホリデー商戦を前に、各プラットフォームのエージェント向け設定の既定値がどう変わるかも引き続き追っていきます。
