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AIコマース2026年10月26日

AIコマース ニュースダイジェスト(2026年10月26日)

10月20日から25日までのAIコマースニュース。Walmartが外部のAIエージェント向けにAgent Gatewayを公開し、Commerce.comは対象となるBigCommerce加盟店の約10万ドメインで、Cafe24は全ストアで、WebMCPによるエージェント対応を始めました。Evervault、SkyfireとForter、Worldなど、エージェントの身元確認と決済の新しい仕組みもまとめて紹介します。

AIコマース ニュースダイジェスト(2026年10月26日)

この記事のポイント

  1. Walmartが外部のAIエージェントに買い物の入口を開きました
  2. BigCommerceとCafe24がWebMCPでストアを一括でエージェント対応にしました
  3. エージェントの身元確認と決済の安全策が一斉に出そろっています

今回は10月20日から25日までの6日分をお届けします。最大の話題は、Amazonが外部のAIエージェントを締め出すなか、Walmartが逆に「Agent Gateway」でエージェントの買い物を受け入れ、利用者が支出の上限や承認を決められる「Agent Profiles」まで用意したことです。ストアの側では、BigCommerceの親会社Commerce.comがCloudflareと組んで約10万のドメインを、韓国のCafe24が自社の全ストアを、WebMCPでエージェントが操作できる状態にしました。前回のダイジェストで紹介したGoogleのUniversal CartやGlanceとPayPalの連携に続き、今回は「どのエージェントを信じて通すか」を決める道具が目立ちます。Evervaultのブラウザ向けトークン、SkyfireとForterの身元確認、Worldの人間証明、ProofとCircleのx401/x402の実演が同じ週に並びました。

今日の注目ニュース

Walmart、AIエージェント向けの「Agent Gateway」を公開、支出上限と承認の設定も

Walmartは10月21日、AIエージェントが顧客の代わりに買い物をするための仕組みを発表しました。エージェント専用の接続口「Walmart Agent Gateway」、エージェントごとに専用の枠を作る「Agent Profiles」、エージェント向けの利用規約の3つです。Walmartと会員制倉庫店のSam's Clubが対象です。

Agent Gatewayは、Anthropicが開発した接続規格MCP(Model Context Protocol)を使い、商品の発見、カート追加、購入、注文追跡に対応します。Agent Profilesでは、購入を1件ずつ承認するか、50ドル、100ドル、200ドルといった支出上限の範囲で任せるかを利用者が選べます。カード情報はエージェントに渡らず、エージェントの注文は本人の注文と分けて表示されます。エージェントが見る価格は人間がWalmart.comで見る価格と同じで、誤った購入にも通常の返品手続きが適用されます。

対照的に、Amazonは1か月前にMetaのMuseによる買い物を遮断したばかりです。ゲートウェイは企業・開発者向けのベータから始まり、開始時期や対応するエージェントは開示されていません。それでも、識別、権限、返品の扱いを小売の側が先に決め、エージェントの注文を正規の販売経路として取り込む設計は、他の小売にとって具体的な手本になります。

詳細記事: Walmart、AIエージェントの代理購入を解禁:MCP接続の「Agent Gateway」と支出上限付き「Agent Profiles」でAmazonと逆の道へ

Commerce.comとCloudflare、約10万のストアをWebMCPでエージェント対応に

BigCommerceの親会社Commerce.comとCloudflareは10月21日、対象となるBigCommerceの加盟店で、AIエージェントがウェブページの機能を直接呼び出せる「WebMCP」を既定で有効にしたと発表しました。約10万のドメインで、ブラウザの中のエージェントが商品を検索し、カートを作り、加盟店のサイトで支払うためのリンクを発行できます。

仕組みの中心はCloudflareです。配信の途中で各ページに1行のスクリプトを差し込み、Commerce.comのMCPサーバーが持つツールを、中身を変えずにブラウザへ中継します。ツールの定義はCommerce.comが握ったまま、処理は買い手のブラウザの中で、ストアのドメイン上で行われます。支払いは買い手が自分で行い、加盟店は設定で機能を止めることもできます。

ただし、WebMCPはまだW3Cの標準ではなく、Chromeでも試験提供の段階で、呼び出せるエージェントは限られます。それでも、プラットフォームが10万規模の店に道具を一括で配った意味は大きく、同じ週には韓国のCafe24も全ストアで対応しました。店が個別に開発しなくても、エージェントが使える状態が先に整い始めています。

詳細記事: Commerce.comとCloudflare、BigCommerce加盟店でWebMCPを既定で有効に:約10万ドメインに広がる仕組みとEC事業者への示唆

エージェンティックコマース

Cafe24、韓国のECプラットフォームで初めてWebMCPを全ストアに導入

韓国のネットショップ構築サービスCafe24は10月21日、AIエージェントがウェブページの機能を直接呼び出せる「WebMCP」を、同社で作られた全ストアに適用したと発表しました。韓国のコマースプラットフォームとして初めての対応で、ショップ側は個別の開発をしなくて済みます。

用意された機能は、商品検索、詳細の表示、オプションと数量の選択、カートへの追加・変更・削除、単品の即時購入、注文履歴の確認など11種類です。「5万ウォン以下のスニーカーを探して」と頼むと、エージェントが条件に合う商品を探し、サイズの確認からカート投入まで順に実行し、画面にもその結果が反映されます。現時点で使えるのはChatGPTのデスクトップアプリに内蔵されたブラウザなどで、ログインと最終の支払いは利用者が自分で行います。

ボタンや入力欄を画面から読み取って操作する従来のやり方より、定義済みの機能を呼ぶWebMCPのほうが速く正確です。同じ週にはCommerce.comも対象となるBigCommerceの加盟店で既定で有効にしており、プラットフォームが一括で対応する流れがはっきりしてきました。

Meta、Museの最多用途は買い物と公表、平均購入額は約200ドル(続報)

Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは10月21日の決算説明会で、9月に公開したパーソナルAIエージェント「Muse」の最も多い用途が買い物だと明かしました。利用者の約25%がMuseに買い物を任せており、平均の購入額は約200ドルです。登録者は米国とカナダで約1,000万人に達しています。

決済にはStripeのウォレット「Link」が使われています。ザッカーバーグ氏によると、公開の最初の週には取引量が想定を超え、Stripeと協力して与信枠を引き上げる必要がありました。Stripeのジョン・コリソン社長も、9月からエージェント経由の取引が急増したと述べています。

数字が経営トップの口から出たことで、パーソナルエージェントが実際の購買の入口になりつつあることが確かめられました。一方で、エージェント取引の件数や決済額の詳細は開示されていません。

AIコマースツール

eMAGのAIショッピングアシスタント「iZi」、半年で90万人が利用

ルーマニアを中心に東欧でECを展開するeMAGは10月22日、自社で開発したAIショッピングアシスタント「iZi」の公開から半年の実績を発表しました。利用者は90万人を超え、半年間に来訪した客の6人に1人がiZiとやり取りしています。約40万人は買い物をiZiから始め、iZiが関わった売上は1億レイ(約1,870万ユーロ)を超えました。

iZiは一般的なAIアシスタントと違い、実際の在庫、価格、配送日をもとに答え、カートへの追加まで案内します。質問の4分の3は互換性や組み立ての難しさなど特定の商品について、4分の1は「何を買えばいいか」という相談です。推薦を求められると5〜7個の商品を示し、利用のピークは夜20時から23時でした。

ただし、数字はすべて自社の発表で、「iZiが関わった売上」の数え方は開示されていません。それでも、自社の在庫と配送のデータを持つ小売が、接客の入口をAIに置き換えたときの規模感を示す、数少ない実例です。

詳細記事: eMAG、AIショッピングアシスタント「iZi」の半年実績を発表:90万人が利用し関与売上1億レイ超

BazaarvoiceとDaVinci Commerce、購入者レビューをAIショッピングエージェントに配信(続報)

レビュー基盤のBazaarvoiceは10月22日、エージェンティックコマース向けの体験基盤を提供するDaVinci Commerceとの提携を発表しました。Bazaarvoiceの評価とレビューのデータを、DaVinciの「Brand Agent」や特許出願中の「Product Context Memory」に直接流し込みます。

対象は、ブランドがOpenAIの中に出すショッピングアプリや、DaVinciが動かす会話型エージェントです。利用者の意図に合わせて商品を薦める際に、認証済みのレビューを表示し、推薦の根拠として引用します。DaVinciのダイアズ・ネサモニーCEOは、発見から購入までの道のりが大きく縮まると述べています。

AIの推薦に「実際に買った人の声」を添えられるかどうかは、エージェントの回答の信頼性を左右します。レビューを持つブランドにとっては、その資産をAIの回答の中でも使えるようになる動きです。

Bloomreach、MCP対応の「Loomi Connect」を一般提供、200超のエージェントが稼働

EC向けの検索とマーケティングの基盤を提供するBloomreachは10月21日、自社のAI「Loomi」を外部のエージェントから使える「Loomi Connect」を一般提供に移したと発表しました。コネクター、Webhook、API、MCP(Model Context Protocol)の形で提供されます。

先行利用の期間に利用者は前月比83%で増え、すでに200を超えるエージェントが作られ、ツールの呼び出しは週5万回を超えています。180以上のツールを通じて、ClaudeやChatGPT、GeminiなどのMCP対応のエージェントから、分析、サイト内検索、マーケティングの機能を呼び出せます。GrouponやSharkNinjaが導入しています。

マーケティングとEC運営の作業そのものを、外部のエージェントに任せる動きです。ラージ・デ・ダッタCEOは、閉じたシステムに囲い込まれないことを強調しており、どの基盤を選ぶかがエージェントとの相性で決まる段階に入っています。

Vercel Shop、Shopifyに対応したNext.jsのオープンソースのテンプレートを公開

VercelのEC向けツールキット「Vercel Shop」が、Shopifyをバックエンドとして使えるオープンソースのNext.jsテンプレートを公開しました。Shopifyの商品・在庫・決済をそのまま使いながら、独自のフロントエンドをVercelの基盤の上に作れます。

テンプレートには、商品探しやチェックアウトの途中で買い物客を手伝うAIショッピングエージェントの仕組みも含まれています。ゼロから作る場合に比べて開発の手間が減るため、小さなブランドでもAIを使ったストアフロントを試しやすくなります。

AIによる接客を自社サイトに組み込むハードルが、テンプレートの水準まで下がってきました。ただし、こうしたAIストアフロント経由の取引がどれだけあるかは、まだ数字として示されていません。

18のAIに1年間ネットショップを運営させる実験、GPT-5.6 SOLが資産を14倍に

AlibabaのQwenの研究チームと香港科技大学は、AIに長期の経営を任せたときの力を測る「E-Commerce Bench」の結果を公表しました。18のAIモデルに10万元ずつを渡し、仮想のネットショップを365日運営させる実験です。実際の運営ではなく、ECのデータを使ったシミュレーションです。

AIは最大4店舗を運営し、市場調査、仕入れ先との交渉、価格設定、配送、返品、資金管理までをこなしました。576の仕入れ先のうち152は価格をごまかしたり不良品を送ったりする業者で、売上の入金も9日遅れる設定でした。首位のOpenAI「GPT-5.6 SOL」は資産を平均で約14.3倍に増やしましたが、悪質な業者への支出の多さは18モデル中16位でした。2位はAnthropicの「Fable5」です。

90回の試行のうち10回は途中で倒産しました。売上を伸ばす力と、資金繰りや取引先の見極めといった守りの力は別物で、店の運営をAIに任せる際の課題がはっきり出た実験です。

決済・フィンテック

Evervault、AIエージェントがカード番号を見ずに支払えるブラウザ向けトークンを公開

データ保護のEvervaultは10月20日、ブラウザで動くAIエージェントが、本物のカード番号やパスワードを見ないまま加盟店のサイトで支払いやログインができる「Browser Tokens」を発表しました。加盟店のチェックアウトを作り直す必要はありません。

エージェントが受け取るのは、桁数やカード会社を示す先頭の番号まで本物と同じ形をしたトークンです。エージェントがそれを決済フォームに入力すると、通信の途中にあるEvervaultのプロキシが、許可されたサイト宛ての通信のときだけ本物の番号に差し替えます。本番の料金はカード1セッションあたり0.25ドルからで、試験環境は無料です。

ただし、加盟店の側からはEvervaultが関わっていることが見えない設計で、エージェントを名乗らせて見分けるVisaのTrusted Agent Protocolなどとは逆の方向を向いています。利用額の上限などの統制機能はまだ開発中で、導入すればPCI DSSに自動で準拠できるわけでもありません。既存のサイトのまま安全に払わせる便利さと、加盟店がエージェントを見分けにくくなる問題が同居しています。

詳細記事: Evervaultが「Browser Tokens」を発表、AIエージェントにカード番号を渡さず既存ECサイトで決済させる仕組みとPCI DSS

SkyfireとForter、エージェントの身元情報を不正検知に取り込み、チェックアウト成功率を改善(続報)

不正検知のForterは、エージェント向け決済のSkyfireとの提携を広げ、Skyfireの「KYA(Know Your Agent)」トークンを受け入れると発表しました。エージェントの身元情報を、エージェント経由の購入の不正判定に加えます。

本物の客の代わりに買い物をするエージェントは、従来のボット対策から見るとボットと区別がつかず、正当な購入まで止められてきました。時計やアクセサリーを扱う米Jomashopでの試験では、エージェント経由のチェックアウト成功率がほぼ100%に上がり、チャージバックは増えませんでした。Forterのネットワークでは、エージェント経由の注文が2026年8月から4倍超に増えています。

エージェントを「一律に止める」から「身元で見分けて通す」への切り替えが、加盟店の売上に直結し始めています。チェックアウトの画面は変わらず、新しい信号は既存のリスク情報と一緒に渡されます。

Visa、BILL、Billtrust、AIエージェントによる請求書の支払いを実運用で試験

Visa、BILL、Billtrustの3社は、承認済みの請求書の支払いを、AIエージェントが仕入れ先のポータルで最初から最後まで行う試験を実運用で始めました。BILLを使う買い手とBilltrustを使う仕入れ先の間で、すでに取引が処理されています。

BILLの支払いエージェントは、Visa Intelligent Commerceの「Trusted Agent Protocol」と「Agentic Directory」に登録され、トークン化されたカード情報で支払います。Billtrust側は同じプロトコルでエージェントを認証するため、CAPTCHAなどのボット対策を通過するための別のログインは要りません。

企業間の支払いの話ですが、仕組みは小売のチェックアウトと共通です。サイト側が「登録済みのエージェント」を見分けて通す方式が、決済ネットワークの標準として動き始めたことを示しています。

World、人間であることの証明をAIエージェントに結びつけるツールを発表

サム・アルトマン氏が共同創業したWorldは、虹彩のスキャンで確かめた「人間であることの証明」を、その人のAIエージェントに結びつける新しいツールを発表しました。エージェントの背後に実在の人がいることを、サイトの側が確かめられるようにします。

Worldの製品責任者ティアゴ・サダ氏は、人間が送り出したエージェントだとわかれば、販売者は割引や無料体験などの特典を出せるようになると話しています。一方で米国の大手銀行の一部は、顧客が本当に許可したエージェントか見分けられないとして、外部エージェントとのやり取りを制限しています。

ボットを一律に締め出さず、正当なエージェントだけを通すための道具が、身元確認の側からも出てきました。どの方式が加盟店に広く受け入れられるかは、まだ決まっていません。

ProofとCircle、身元確認とUSDC決済をつなぐx401/x402の実演を公開

本人確認のProofとステーブルコインUSDCを発行するCircleは10月19日、ラスベガスのMoney20/20で、AIエージェントが身元確認を条件とする購入を最後まで行う実演を公開しました。身元にはHTTPの401を拡張した「x401」、支払いには402を拡張した「x402」を使います。

加盟店はx401で取引に必要な身元の項目を指定し、エージェントは必要な事実だけを開示する認証済みの資格情報と、購入ごとの署名つきの承認を示します。加盟店はProofの公開鍵で署名を検証するため、個人情報をまるごと保存する必要がありません。支払いはCircleのエージェント用ウォレットからx402でUSDCを送って完了します。

x401の協力企業にはVisaとOktaの名前も挙がっています。身元と支払いを1回のやり取りで済ませる方式で、カードの決済とは別の道筋がプロトコルとして形になりつつあります。

広告・リテールメディア

ChatGPT広告、26か国に拡大、利用した広告主は10万を突破

OpenAIは10月20日、ChatGPTの広告を新たに26か国へ広げ、提供国が89か国になったと発表しました。広告の開始から約8か月で、10万を超える広告主がキャンペーンを出しています。

今回はアルゼンチン、チリ、コロンビアなど中南米の14か国のほか、ナイジェリア、南アフリカ、ウクライナ、パキスタンなどが加わりました。広告が出るのは無料プランとGoプランだけで、Plus、Pro、Enterpriseには表示されません。広告主は技術パートナー経由か、セルフサービスの広告管理画面から出稿できます。

週12億人が使うChatGPTの中で、商品を比べ、決める場面に広告が入る範囲が一気に広がりました。会話の文脈に沿って商品を見せる広告が、検索広告とは別の予算枠になっていく流れです。

Kevel、5,200万ドルを調達、小売のコマースメディア向け基盤を拡大

小売やマーケットプレイスが自前の広告事業を作るための基盤を提供するKevelは10月21日、5,200万ドルの資金調達を発表しました。同社として過去最大で、Fulcrum Equity Partners、dunnhumby Ventures、Iberis Capitalが出資を広げ、ORIX USAが成長資金を出しました。

KevelはAPIを中心にした広告配信の基盤で、小売は自社のデータとモデルを使って広告の配信を決められます。調達した資金は、配信判断が見えるAIの開発や、店舗内や社外の媒体まで含めたオムニチャネルでの配信、海外展開に充てます。

リテールメディアは立ち上げの段階から、規模を広げる段階に移っています。広告の在庫とデータを外部の巨大プラットフォームに預けず、自社で持ち続けたい小売の需要を映した調達です。

企業動向・提携

Azoma、シリーズAで1,120万ドルを調達、AIエージェント向けの商品最適化を拡大(続報)

ブランドの商品をAIエージェントに見つけてもらう「エージェンティックコマース最適化(ACO)」を手がける英Azomaは10月21日、シリーズAで1,120万ドルを調達しました。Puma Growth Partnersが主導し、dunnhumbyなどが参加しています。

同社の売上はこの1年で約10倍になり、社員は12人から40人に増えました。L'Oréal、Unilever、Mars、Beiersdorfなどが顧客です。同社が3,800万件の引用を分析したところ、Geminiが引用する情報の51.9%は報道記事だった一方、GoogleのAI Overviewsでは7.6%にとどまり、Alexa for Shoppingでは引用の39.6%をアフィリエイトのコンテンツが占めていました。

エージェントごとに参照する情報源がまったく違うことが、数字で示されています。調達した資金は、Meta MuseやChatGPTの新しいパーソナルアシスタントへの対応と、効果を測る機能の開発に充てます。

eBay、従業員の約9%を削減、今年2回目の再編

eBayは従業員の約9%を削減する計画を社内に伝え、広報担当者がロイターに事実を認めました。2月に約6%(約800人)を減らしたのに続く、今年2回目の大きな再編です。

ジェイミー・イアノーネCEOは社内向けのメモで、戦略は成果を上げているとしたうえで、長期の成長のために資本と人員の使い方を選ぶ必要があると説明しました。eBayは真贋鑑定つきの高級品、コレクター向け商品、整備済み品に注力しており、株価は今年に入って約4割上がっています。

業績が好調なうちに人員を絞り、成長分野に資源を移す判断です。古着アプリDepopの買収で若い層を取り込んだ流れも含め、得意分野への集中がさらに進みます。

消費者動向

Kearney、世界の106社を調査、エージェンティックコマースの「実装済み」は小売に偏る

コンサルティング会社のKearneyは、小売、消費財、高級品などの世界の主要106社が過去12か月に発信した情報を調べ、エージェンティックコマースへの取り組みを5段階で評価した結果を公表しました。

デジタル専業の小売6社のうち5社は、すでにエージェント向けのサービスを稼働させています。国内・専門小売では16社中8社が稼働済みでした。これに対して消費財メーカーは、戦略の段階に達しているのが53社中20社、実際に稼働させているのは2社だけです。レポートは、米国の小売サイトへのAI経由の流入が2026年第1四半期に前年比393%増え、ほかの流入より42%高い率で購入につながっていることも紹介しています。

メーカーの多くはAIに見つけてもらう「見え方の最適化」にとどまっています。Mondelēzは、情報を機械が読める形に整えたことで、クッキーに関するAIの回答でのOreoの引用の割合を約10%から約70%に上げたと報告しています。

Gartner調査、米国の消費者の34%が年末のギフト探しにAIを使う意向

調査会社のGartnerが8月に米国の消費者1,004人に行った調査で、34%が年末のギフト探しにAIツールやチャットボットを「とても」または「非常に」使いたいと答えました。

GartnerのアナリストのEmily Weiss氏は、差が出ているのは価格の比較や最初のアイデア探しの場面で、購入そのものを自動化する場面ではないと説明しています。AIを使う人はギフト探しで平均4.48の情報源を参照しており、使わない人の3.24より多くなっています。店舗で買う予定の人は77%、Amazonで買う予定の人は75%でした。

AIは従来の売り場や検索を置き換えるのではなく、探し方の選択肢を一つ増やしている段階です。年末商戦では、AIの回答で候補に入ることが、店頭やAmazonでの購入の手前の勝負になります。

グローバルEC動向

中国、商業分野のAI活用に18の措置、買い物支援のAIエージェントも後押し

中国の商務省など9つの政府部門は、商業分野でのAIなどの先端技術の活用を広げる18の措置を共同で発表しました。消費財、サービス、小売、物流を対象に、消費の拡大と流通の効率化を狙います。

流通の分野では、スマート倉庫、物流機器の知能化、無人配送、卸売・小売のデジタル化を進めます。買い物の支援、店舗の運営、物流を担う商業向けのAIエージェントや、仮想の買い物体験も後押しの対象に入りました。6月には「AI+消費」を進める17の措置も出ています。

国が買い物支援のAIエージェントを政策として明記したことで、独身の日(11月11日)を前にした各社のAI導入にも追い風になります。一方で同じ週には、当局がECプラットフォームを呼び出して品質の基準を厳しくするよう求めており、規制の強化も同時に進んでいます。

Shein、米FTCの調査で1億ドルを支払い和解へ

Sheinは、配送の遅れなど利用者の苦情をめぐる米連邦取引委員会(FTC)の調査で、1億ドルを支払って和解することに合意しました。関係者がロイターに明らかにしたもので、和解金は同社の第2四半期の利益の44%にあたります。

FTCの記録によると、2020年1月から2026年6月までに、1,100万ドルを超える購入について1万2,000件以上の苦情が寄せられていました。配達済みとされた荷物が届かず、カスタマーサービスでも解決しなかったという訴えが含まれています。

Sheinは9月の香港上場後、株価が公開価格から22%下がっています。EUでは11月1日から少額の小包に2ユーロの手数料が上乗せされて合計5ユーロになり、欧米の両方で逆風が続きます。

TikTok Shop、年末商戦のセールを11月11日から3週間に

TikTok Shopは、ブラックフライデーとサイバーマンデーの年末商戦のキャンペーンを11月11日から30日まで行うと発表しました。SephoraやBest Buyなどの大手が出店したことで、今年の商戦はこれまでで最大になると見込んでいます。

戦略事業担当のパトリック・ノメンセン氏によると、9月には「#holidayshopping」などのハッシュタグが263%増えました。米国でのライブ配信による販売は、2026年上半期に前年の2倍を超えています。同社は、ギフトのアイデアを探す場所から、実際に買う場所になることを目指しています。

一方で、ソーシャルショッピングの米国市場の約75%はMetaのFacebook MarketplaceとInstagramが占めるとeMarketerは推計しています。TikTok Shopは、低価格のTemuやSheinではなく、Amazonの対抗馬として見られることを狙っています。

物流・フルフィルメント

Stord、AMS Fulfillmentを買収、過去最大の案件で東西の拠点を拡充

EC向けのフルフィルメントを手がけるStordは10月21日、物流会社AMS Fulfillmentを買収したと発表しました。同社として過去最大の買収ですが、金額は開示されていません。

AMSは美容、ウェルネス、D2Cの有力ブランドの注文を年間1,000万件以上処理しています。買収でStordの拠点は東海岸と西海岸の主要地域で約100万平方フィート増えます。9月にはユタ州のVox Fulfillmentも買収しており、Stordが扱う流通総額は年間150億ドルを超え、1,000以上のブランドが利用しています。

フルフィルメントの業界では、拠点網と技術を持つ大手への集約が進んでいます。StordはAIを使った出荷方法の選び方などを買収先の顧客にも広げる考えです。

Amazon、年末商戦に30万人超を採用、過去3年より2割増

Amazonは10月20日、年末商戦に向けて米国で30万人を超える季節雇用、パートタイム、フルタイムの人員を採用すると発表しました。2023年から毎年採用してきた25万人より20%多い数です。

1月1日からは、週30時間以上働く季節雇用の従業員にも、初日から医療保険を提供します。季節雇用の平均時給は20ドルで、フルタイムの物流の従業員の初任給は最低20ドル、平均で約24ドルに上がっています。

ほかの小売が採用を控えたり計画を明かさなかったりするなかで、Amazonの増員は目立ちます。配送の速さで年末商戦の需要を取り込む姿勢がはっきりしています。

まとめ

この6日間で、エージェントを「通すか止めるか」という問いに、具体的な答えがいくつも出ました。Walmartは外部のエージェントを受け入れつつ、上限や承認を利用者に決めさせる形を選びました。ストアの側では、Commerce.comとCafe24がWebMCPを加盟店のストアで一括して有効にし、エージェントが画面を読み取らなくても商品を探してカートに入れられる環境が、加盟店の手を煩わせずに整い始めています。

決済と身元確認の側では、Evervaultのトークン、SkyfireとForterのKYA、Worldの人間証明、ProofとCircleのx401/x402、VisaのTrusted Agent Protocolと、正当なエージェントを見分ける方法が一度に出そろいました。Jomashopで成功率がほぼ100%に上がった例が示すように、見分ける仕組みがない店では、売上になるはずの注文を自分で止めてしまいます。

来月は年末商戦が本格化します。Meta Museの利用者の4分の1が買い物に使っているという数字も出たなかで、自社の商品と決済がエージェントにとって使える状態になっているかが、今年の商戦で初めて売上の差として見えてきます。