LLMO対策会社の選び方 — 4つの型と、発注前に聞く12の質問【2026年版】
LLMO対策の外注先をどう選ぶか。支援会社を得意な層で4つの型に分類し、費用相場、発注前に確認すべき12の質問(目安の答えつき)、危ない提案の見分け方を整理しました。小売・EC事業者が追加で確認すべき3点も、当社の実測データとあわせて解説します。
この記事のポイント
- LLMO対策会社は「何が得意か」ではなく「どの層まで請けるか」で選びます。クロールやレンダリングといった土台に触れない提案は、地面を固めずに建物を積むことになります
- 費用は各社の公開情報を集計すると、診断が20万〜100万円、月額のコンサルティングが20万〜100万円。最も多いのは月額20万〜30万円の帯です
- 契約前に指標を握ってください。当社の実測では、言及回数72件で上位に入りながら1位推薦は0件だった量販店がありました。どちらの数字で報告するかで、同じ結果が成功にも失敗にも見えます
はじめに、この記事の立場について
当社はLLMO対策のサービス(Stella LLMO)を提供しています。比較記事を自社で書く以上、その事実を先に置きます。
そのうえで、この記事では会社名を並べません。すでに17社、18社、23社といった一覧記事が出ており、本数を競っても読む側の判断は進まないからです。代わりに、発注する側が使える判断軸と質問リストを公開します。当社は後半で、4つの型のうちの1つとして位置づけを説明します。
会社選びは「どの層まで請けるか」で決まる
LLMO対策は4つの層でできています。AIに届く、正しく理解される、推薦の理由で選ばれる、そして結果を測る。詳しくはLLMO対策の全体像にまとめました。
支援会社ごとに、この4層のどこを請けるかが違います。ここが提案書からは読み取りにくい。どの会社も「AI検索に対応します」と書くので、コンテンツだけを作る会社と、サーバーサイドレンダリングの改修まで踏み込む会社が、同じ言葉で並んでしまいます。
層1と層2に触れない提案は、土台を飛ばして上に積むことになります。商品ページの価格がJavaScriptでしか描画されていない状態で記事を100本増やしても、AIには何も届きません。まずこの点を確認してください。
LLMO支援会社は4つの型に分かれる
| 型 | 主に請ける層 | 費用感の目安 | 向いている企業 | 確認すべきこと |
|---|---|---|---|---|
| コンテンツ型 | 層2〜3(理解される・選ばれる) | 月額20万〜50万円 | 発信できる情報資産が薄く、記事や事例から作る必要がある企業 | 層1の技術面を誰が見るのか |
| 技術型 | 層1〜2(届く・理解される) | 初期の改修費に月額が乗る形が多い | SPAや動的描画のサイト、商品点数の多いEC | 実装を代行するのか、指示までなのか |
| 計測ツール型 | 層4(測る) | 月額数万円から十数万円 | まず現在地を数字にしたい企業 | 対応AIの範囲と、日本語での判定精度 |
| 外部露出型 | 層3(選ばれる) | 案件ごと。成果連動の形もある | 指名検索と評判を取りに行く企業 | 掲載先が実在し、継続的に更新されているか |
実際には複数の型をまたぐ会社が多く、「総合型」を名乗るケースもあります。ただし総合を名乗るほど、各層の深さは個別に確認したほうがよくなります。4つ全部を同じ品質で持つ組織は、この市場の年齢を考えるとまだ多くありません。
型の中で最も見落とされやすいのが技術型です。LLMO対策はコンテンツの話だと思われがちですが、AIクローラーはJavaScriptを実行しません。GPTBot、OAI-SearchBot、ClaudeBot、PerplexityBotはいずれも返ってきた生のHTMLを読むだけで、描画を待たず、再訪もしない。例外はGoogleのGeminiで、こちらはGooglebotのレンダリング基盤を使います。つまりGoogleで順位が付いていても、ChatGPTからは価格も在庫も見えていないということが起こります。この改修を請けられるかどうかは、会社によってはっきり分かれます。
費用の相場
以下は各社が自社サイトで公開している価格情報を集計した値です。業界統計ではないため、幅として受け取ってください。
診断・スポットの調査は20万円から100万円。無料から50万円という別の集計もあり、何をどこまで見るかで大きく動きます。月額のコンサルティングは20万円から100万円で、最も多いのは月額20万〜30万円の帯です。
金額の幅がここまで広いのは、対象範囲が会社ごとに違うからです。記事制作だけなら安く収まりますし、レンダリング改修や商品フィードの整備、外部露出の獲得まで入れば上がります。見積もりを比べる前に、4つの層のどこまでが含まれているかを揃えてください。同じ「月額30万円」でも、中身が違えば比較になりません。
価格を公開している会社の情報を集めた集計値です。非公開の会社も多く、実際の分布はこれより広いと考えてください。相場から外れているという理由だけで判断しないでください。
発注前に必ず聞く12の質問
商談の場でそのまま使える形にしました。各項目に、目安となる答えを添えています。
良い答えは「層1のクロールとレンダリングから見ます」。危ないのは、技術面を聞いても記事制作の話に戻ってくる回答
良い答えは「言及率と推薦順位を分けて測ります」。危ないのは「AI検索経由の流入数で見ます」だけの回答。流入は最後に動く指標で、初期は動きません
良い答えは「着手前に実測して記録します」。危ないのは、施策開始後に測り始める提案。比較対象がなくなります
良い答えは本数とAI名と試行回数が即答で出てくること。AIの回答は揺れるので、1回の実行では結論が出せません
良い答えは統制実験、プラットフォームの公式ドキュメント、自社の実測のいずれか。危ないのは「業界では標準です」で止まる回答
良い答えは、効果の確度を分けて説明できること。危ないのは、どちらかを主施策に据える提案(理由は後述します)
比較メディアやレビューサイトへの掲載は、自社サイトの改善だけでは届かない領域です。請けないなら誰がやるのかを決めておく必要があります
自社で実践して数字を出せる会社かどうかが分かります。答えられない会社に自社の可視性を任せる理由は薄いはずです
効果の出方は層によって違い、技術面は数週間、外部評価は数カ月かかります。期間の設定がこの時間軸と合っているか
計測シート、実装したコード、獲得した掲載。手元に残らない契約だと、乗り換えのたびにゼロからになります
提案者と実務者が同じかどうか。分かれている場合、実務者の経験を確認してください
良い答えは、仮説と検証の順序が用意されていること。危ないのは「もっとコンテンツを増やします」だけの回答
12問すべてを聞く必要はありません。時間が限られているなら、2番目(指標)と8番目(自社の実践)の2つに絞ってください。この2問だけで、その会社が実測に基づいて動いているかどうかがかなり分かります。
危ない提案の見分け方
批判のための批判にならないよう、根拠のあるものだけを挙げます。
1つ目は、順位や1位を保証する提案です。AIの回答は各社のモデルと検索実装に依存し、外部から確約できるものではありません。約束できるのは、候補に入る確率を上げることまでです。当社も保証はしません。
2つ目は、llms.txtを主施策に据える提案。Ahrefsが137,000ドメインを調べた調査では、設置されたllms.txtの97%が一度もリクエストされていませんでした。Googleも生成AI機能向けの公式ガイドで、llms.txtを新たに作る必要はないと明記しています。保険として置くのは構いませんが、中心に据える根拠はありません。
3つ目は、AI向けの構造化データを中心に据える提案。Ahrefsが2026年6月に公開した統制実験では、JSON-LDを新たに追加した1,885ページと対照群4,000ページを比較して、AI引用の有意な増加は観測されませんでした。Googleも同じガイドで、生成AI検索のために特別なschema.orgマークアップを追加する必要はないと述べています。ただし構造化データが無意味という意味ではありません。検索側のリッチリザルトとMerchant Centerフィードとの整合には引き続き必要で、目的が違うだけです。
4つ目は、従来のSEO提案の語だけを置き換えたもの。目次を見てSEOの提案書と項目が同じなら、実質は変わっていません。AI固有の論点、たとえばレンダリング、プラットフォーム別の情報源、プロンプト実測が入っているかを確認してください。
5つ目は、プラットフォーム側の変化に触れない提案です。この領域は動きが速く、2026年3月にはOpenAIがChatGPTの決済機能を終了し、商品推薦から加盟店サイトへ送る形に変わりました。半年前の前提のまま提案が組まれていないか、直近の変化について質問してみてください。
小売・EC事業者が追加で確認する3点
商品を売っている場合、確認事項が3つ増えます。
1つ目は、商品データの機械可読化まで請けるか。価格、在庫、仕様がHTMLに文字として出ているか。ここはコンテンツ制作の範囲外なので、明示的に聞かないと提案に入ってきません。
2つ目は、商品フィードを扱えるか。GoogleのMerchant Centerに加えて、ChatGPT側にも加盟店向けの商品フィードがあります。Googleは公式ガイドで、AI回答での商品情報の可視性にはMerchant Centerフィードの利用を推奨しています。
3つ目は、レビューと第三者面の運用まで見るか。AIが参照するのは自社サイトだけではありません。
この3点が抜けたまま進むとどうなるかは、実際のサイトを見ると分かります。当社が主要家電量販9ブランドの公式サイトを監査した調査では、商品ページでProduct/Offerの構造化データを確認できたのは9ブランド中1ブランドだけでした。大手でもこの状態です。裏を返せば、いま整えれば差がつく領域が残っています。
指標の置き方ひとつで、結果の見え方が変わる
12の質問で2番目を重視した理由を、実測で説明します。
当社がエアコンの購入相談を対象にした調査では、家電量販店に絞った比較で75回の回答を集めました。ある大手量販店は言及回数72件と最多クラスに入っています。ところが同じ調査で、その店の1位推薦は0件でした。
この結果を「言及率」で報告すれば、露出は十分に取れているように読めます。「1位推薦率」で報告すれば、候補の先頭に立てていないことになります。同じ調査、同じ店、まったく違う結論です。
打ち手も変わります。言及率が低いなら露出を増やす施策、1位推薦率が低いなら推薦理由を強くする施策。どちらの数字で報告を受けるかを契約前に決めておかないと、成果の判定ができません。
内製と外注の分かれ目
全部を外注する必要はありません。層ごとに向き不向きがあります。
内製で足りることが多いのは層1です。robots.txtの確認、インデックスの点検、JavaScript依存の解消は、社内に開発リソースがあれば対応できます。作業量も限られています。
外注が効くのは層3と層4です。比較メディアやレビューサイトへの掲載は社外との関係づくりが必要で、担当者が片手間でやると進みません。計測も、週次でプロンプトを回し続ける体制は外に置いたほうが続きます。
折衷案として、計測だけを外注して実装は内製という形もあります。現在地が数字で見えていれば、社内のどこに手を入れるかは自分たちで判断できます。予算が限られている場合、この形が費用対効果は高くなりやすいです。
当社(Stella LLMO)の位置づけ
4つの型でいえば、当社は技術型と計測型をまたぐ位置にいます。小売・EC事業者に絞っているのは、商品データの機械可読化や商品フィードが、この領域の詰まりどころとして最も大きいと考えているためです。
自社の実践としては、生成AI5サービスに購買相談を投げる調査を継続して公開しており、家電量販店のAI推薦、ホテル推薦、返品・保証の回答精度、公式サイトの機械可読性監査など複数の調査を出しています。この記事で引用している数字も、すべて自社で測ったものです。
効果保証は行いません。約束できるのは、取得と理解と推薦根拠の各段で不利になっている要因を特定して取り除くところまでです。
よくある質問
金額だけでは判断できません。対象範囲が狭ければ安いのは当然です。安さが気になる場合は、層1と層2の技術面が含まれているかを確認してください。ここが抜けていると安く見えます。
層によって効果の出方が違うため、最低でも技術改修の反映を確認できる期間は要ります。数週間で判断すると、着手した層が出る前に打ち切ることになります。
SEOの基礎はLLMOの前提条件なので、既存の関係を活かせる部分は大きいです。確認すべきは、レンダリングやプラットフォーム別の情報源、プロンプト実測といったAI固有の論点を扱えるかどうかです。
作業のほとんどがリモートで完結する領域です。所在地より、実測の体制と対象範囲で選んでください。
層1の技術的な不備を解消した場合、クロールと再取得を経て数週間で回答が変わることがあります。層3の外部評価は数カ月単位です。初回の診断でどの層が詰まっているかを見極めると、時間の見通しが立ちます。
診断だけを単発で請ける会社は多く、当社も無料の診断を提供しています。まず現在地を数字にしてから、継続支援が必要かを判断する順番を勧めます。
まとめ
会社名の一覧ではなく、判断軸を持って商談に臨んでください。要点は3つです。
第一に、どの層まで請けるかを最初に確認すること。層1と層2に触れない提案は土台を飛ばしています。第二に、指標を契約前に握ること。言及率と1位推薦率では、同じ結果がまったく違って見えます。第三に、根拠を確認すること。効果保証、llms.txt中心、AI向けschema中心の提案には、統制実験と公式ドキュメントが示す事実と食い違う部分があります。
判断の前に現在地が必要なら、当社では小売・EC事業者向けに無料のAI可視性診断を提供しています。どのAIが、どの質問で、自社と競合をどう扱っているか。数字にしてから相見積もりを取ると、提案の良し悪しがはっきりします。



