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AIコマース2026年10月16日

AIコマース ニュースダイジェスト(2026年10月16日)

2026年10月16日のAIコマースニュース。GoogleのUniversal Cartが米国の検索とGeminiで使えるようになり、GlanceはPayPalの決済でアプリ内の購入を完結させました。在庫や発注をエージェントに任せるLightspeed、AI経由の売上を追うDRESSXの計測ツール、Stripeのエージェント取引の急増なども紹介します。

AIコマース ニュースダイジェスト(2026年10月16日)

この記事のポイント

  1. GoogleのUniversal Cartが米国で使えるようになりました
  2. GlanceのAIショッピングにPayPalの決済が入りました
  3. 小売の業務と計測にもAIエージェントが入り込んでいます

10月16日のAIコマース関連ニュースをお届けします。本日の中心は、5月に発表されたGoogleの「Universal Cart」が米国で実際に使えるようになったことです。複数の店の商品を1つのカートに集め、値下がりを知らせ、支払い方法まで提案します。InMobi傘下のGlanceは、AIで商品を見つけてから支払うまでをアプリの中で終えられるよう、PayPalの決済を組み込みました。前日に紹介したChronopostやCongaが配送・受注の裏側をAIに開いたのに続き、今日は店舗の在庫や発注をエージェントに任せるLightspeed、AIの中での見え方を売上まで追うDRESSXの計測ツールも登場しています。

今日の注目ニュース

Google、Universal Cartを米国で提供開始、検索とGeminiの両方で使える

Googleは10月15日、検索とGeminiアプリで見つけた商品を集めて管理できる「Universal Cart」を米国で提供し始めました。5月のGoogle I/Oで予告していた機能で、Google公式ブログでは年末商戦の買い物に役立つ使い方として紹介されています。

複数の店の商品を1つのカートに入れておけるため、後で戻ってきても同じ商品を探し直す必要がありません。保存した商品が値下がりしたときや、在庫切れの商品が再入荷したときには通知が届きます。支払い方法を選ぶ際には手持ちのクレジットカードの特典を考えて提案し、使えるプロモーションコードも示します。チェックアウトは、Googleが今年公開したエージェントと小売の連携規格「UCP(Universal Commerce Protocol)」につながっています。

EC事業者にとっての意味は、買い物の「途中」がGoogleの側に置かれることです。比較や様子見のあいだ商品を預かるのが自社サイトのカートではなくGoogleのカートになれば、値下げ通知や支払い方法の提案もGoogleが担います。年末商戦は、このカートに自社の商品が正しい価格と在庫で載っているかどうかが、そのまま売上に響く最初の機会になります。

詳細記事: Google「Universal Cart」が米国で提供開始、5月の発表から変わった点と自社商品を載せる条件

Glance、PayPalと組みアプリ内で購入まで完結、米国の数千万人が対象

Glanceは10月15日、PayPalのエージェンティックコマース向けサービスとの連携を発表しました。消費者はGlanceの中で商品を見つけ、画像で確かめ、カートを作り、PayPalで支払うところまで、別のサイトへ移らずに終えられます。発表によると、Glanceの中でアプリ内の決済を提供するのはPayPalだけです。

加盟店の側は、PayPalの1つの統合で複数のAIショッピングの場につながり、リアルタイムの在庫と価格を出しながら、顧客との関係を自社に残せるとしています。Glanceはこれまで、スマートフォンのロック画面やSamsungのスマートTVに買い物の体験を広げてきました。今回の連携で、アプリの中では支払いまで終えられるようになりました。テレビの上で決済まで完結するかどうかは明らかにしていません。

AIが商品を勧める場所に決済が直接組み込まれると、「見つける」と「買う」の距離がなくなります。PayPalの加盟店にとっては、自社で個別に開発しなくてもAIショッピングの販路に載る道が1つ増えたことになります。

詳細記事: GlanceがPayPalのネイティブ決済を導入、AIショッピングアプリで発見から購入まで完結へ

エージェンティックコマース

イーロン・マスク氏、AmazonのGrok締め出しを受け対抗サービスに含み

Xで、あるユーザーが「AmazonがGrokのボットによる注文を締め出している」と投稿しました。そのユーザーは返品の手続きをGrokのボットに任せていたといい、イーロン・マスク氏に「X Shop」を作ってはどうかと提案しました。マスク氏は、自分の会社ならAmazonと直接競えるという趣旨で応じています。ただし、どんなサービスを考えているのか、本当に計画しているのかは明かしていません。

Amazonは外部のAIエージェントによる買い物への制限を強めています。India Todayによると、AmazonはMetaのAIエージェント「Muse」もAmazon.comでの買い物から締め出しました。Metaから事前の連絡がなく、Museが自らをエージェントだと名乗らずに閲覧し、顧客の認証情報を取得・保存しているように見えたことが理由です。

エージェントを受け入れるかどうかを決めるのは店の側だ、というのがAmazonの立場です。大手のモールが外部のエージェントを選別し始めたことで、エージェントを開発する側には、身元を名乗り、店のルールに従う仕組みが求められています。

AIコマースツール

Lightspeed、Lightspeed AIを分析から実行へ広げ、在庫や発注をエージェントが処理

POSとコマース基盤を提供するLightspeed Commerceは10月15日、1月に公開した対話型の「Lightspeed AI」に、小売向けのエージェント機能を加えると発表しました。これまでの売れ筋の質問に答える機能から一歩進み、会話で示した内容をもとに在庫の管理や商品情報の更新といった作業を実行します。

商品カタログ、在庫、売上、仕入れのデータをつなぎ、複数店舗の業務を1つの会話の中で進められるようにする狙いです。提供は段階的で、まず一部の小売の顧客から始めます。

人手を増やさずに複雑な業務をこなしたい中小・中堅の小売にとって、POSに組み込まれたエージェントはもっとも身近な入口になります。一方で、どこまでを自動で実行させ、どこで人が承認するかの設計が使い勝手を左右します。

詳細記事: Lightspeed AIが在庫移動・発注書作成を代行するエージェント機能を発表、POSのAIは「答える」から「実行する」へ

DRESSX、AIでの質問から購入までを追う計測ツールを公開

バーチャル試着で知られるDRESSXは10月15日、ブランド向けのAIコマースの分析ツール群を公開しました。消費者がAIに何を質問し、どんな推薦を受け、そこからどれだけの来訪、カート投入、購入が生まれたかまでを1つの流れとして把握できるとしています。対象はChatGPT、Gemini、PerplexityなどのAIです。

ブランドや小売のあいだでは、AIの回答の中で自社がどう見えるかを測る取り組みが広がっています。DRESSXはそこから一歩進め、AI上の見え方を実際のEC売上と結びつける点を売りにしています。共同創業者の2人は、検索とSNSの効果を測れるようになったのと同じように、AIの影響も測る必要があると述べています。提供の窓口は、DRESSXが運営するOpenAIの広告の仲介サービス「More Dash Ads」です。

AIの会話の中で購入の判断が進むほど、自社サイトの解析だけでは顧客の動きの前半が見えなくなります。AI経由の売上をどう測るかは、AI対策に予算を割く根拠そのものになります。

詳細記事: DRESSXがAIコマース分析を開始、ChatGPT・Geminiでの推薦から購入までを測る仕組みと限界

仏WiziShop、MCPサーバーを公開、ChatGPTやClaudeから410以上の機能を操作

フランスのネットショップ作成サービスWiziShopは、AIアシスタントとつなぐためのMCPサーバーを公開しました。MCP(Model Context Protocol)は、AIが外部のサービスの機能やデータを使うための共通の仕組みです。ClaudeやChatGPTからショップのデータを確かめ、自然な言葉の指示で作業を実行できます。

同社によると、使える機能は48の領域にわたる410以上で、商品、注文、顧客、販促、SEO、コンテンツ、デザインまで含みます。1回の指示で最大100商品の修正や200個の固有のクーポンコードの作成ができ、サイト内検索で結果がゼロだった語句の洗い出しも頼めます。他のECサービスからの商品カタログの移行にも使え、公開前に店主が確認する仕組みです。

自社のAIアシスタントを押しつけるのではなく、店主がふだん使っているAIに管理画面の機能を開く設計です。管理画面は「唯一の操作場所」ではなくなりつつあります。

アリババのQwenWork、EC版の招待制ベータを開始、複数のモールの出店者向け

アリババの業務向けAIエージェント「QwenWork」は10月14日、EC版を招待制で公開しました。QwenWorkとして初めての業種別の版です。複数のモールに出店している事業者の日々の業務を対象に、モールをまたぐ運営ダッシュボード、トレンドと商品の売りの分析、販促コンテンツの一括作成、モールをまたぐ費用対効果の最適化を備えます。

QwenWorkのCEOの陳宇森氏は、どのモールの出店者にも開かれた独立した第三者のECエージェントと位置づけています。アリババの出店者向け分析ツールや広告ツールのほか、有賛(Youzan)、FastMoss、LinkFoxといった外部のツールともつながります。LatePostによると、開発には100人近くが関わりました。

現時点では分析とコンテンツ作成の作業台に近く、広告の配信計画を変えたり、販促費を直接使ったりはできません。在庫や広告の異常を自動で見張るといった、自ら動く機能は今後追加する予定です。

GoDaddy、開発者向け基盤にホスティング・メール・コマースのAPIを追加、AIエージェントからも操作

ドメイン登録の大手GoDaddyは10月15日、開発者向けの基盤「GoDaddy Developer Platform」に、ホスティング、業務用メール、コマースのAPIを追加しました。7月に公開したドメインのAPIに続く拡張です。

開発者とAIエージェントは、同じ認証情報、同じAPIの作法、同じコマンドラインのツールで、事業をネットで始めるのに必要なサービスを扱えます。Node.jsのアプリはダッシュボードを開かずに作成・公開・管理でき、HTTPSやファイアウォール、CDNも標準で付きます。

AIのコーディングツールで作ったアプリを、そのまま売り場のある事業として公開するまでをエージェントがつなげる流れです。開発者や制作会社がネットショップを立ち上げる作業も、管理画面ではなくAIエージェントから進める形が想定されています。

決済・フィンテック

Stripe、エージェント経由の取引が9月に「垂直に」伸びた、ジョン・コリソン社長が明かす

Stripeのジョン・コリソン社長は、自身が司会を務めるポッドキャストで、MetaのCEOのマーク・ザッカーバーグ氏、最高AI責任者のアレクサンドル・ワン氏と対談しました。その中で、5月のイベント「Stripe Sessions」で一連の発表をした後、9月になってエージェンティックコマースの数字が「垂直に伸び始めた」と語っています。具体的な数字は示していません。

対談では、Metaが開発する個人向けAIエージェント「Muse」が話題になりました。ザッカーバーグ氏は、Museを締め出す企業よりも深く統合したいと連絡してくる企業のほうがはるかに多いと述べ、締め出す企業は戦略的に正しくなかったと後悔するだろうと話しました。Amazonの名前は挙げていませんが、Amazonは最近Museを締め出しています。

Payments Diveは、AIが買い物を手伝う段階に比べ、AIが実際に支払う段階はまだ先の話とされてきたと指摘します。数字は示されていないものの、決済の最大手のひとつが年末商戦を前に急増を口にしたことは注目に値します。

エージェント向けの決済用トークン、3か月で週数百万件に:VGSのテリー・アンジェロス氏

カード情報の保管を手がけるVGSの最高戦略責任者テリー・アンジェロス氏が、a16zのポッドキャストで、AIエージェントが代わりに支払うための「エージェント用トークン」について語りました。VGSは米国のECの取扱高のおよそ3分の1にあたるカード情報を保管しています。3か月前には存在しなかったこのトークンを、今では週に数百万件発行しているといいます。

同氏は、自分がエージェントを使ってWalmartで照明を買った例を挙げました。カード情報はStripe Linkにありましたが、LinkはWalmartと直接つながっていませんでした。そのためStripeが使い捨てのVisaのバーチャルカードで代わりに購入し、別の取引として本人に請求しました。購入はできましたが、Walmartの手元には使い捨てのカードしか残りませんでした。その後、配送料の返金として届いたWalmart+の特典は、このカードでは決済できませんでした。同氏はこうした方式を「エージェンティックコマースのAOL」、つまり閉じた庭だと表現しています。

エージェントが買っても、店と顧客の関係が切れない支払いの方法が必要だという指摘です。エージェントが間違えたときに誰が負担するのかは、まだ決まっていません。

エージェントが自ら完了する購入は取引の1%未満:Accertify

不正対策のAccertifyは、AIが買い物を手伝う「エージェンティックショッピング」と、AIが自ら購入を完了する「エージェンティックチェックアウト」の違いを整理した記事を公開しました。同社のデータでは、後者は取引全体の1%未満で、ベーシスポイント(0.01%)の単位で数える規模にとどまります。

AIが商品探しや比較に使われる場面は急速に増えていますが、最後の支払いまでAIに任せる取引はまだごく一部です。同じ週にStripeが急増を語ったことと合わせると、伸び率は大きくても、母数はまだ小さい段階にあると読めます。

不正対策や返品の方針を考えるうえでは、「AIが関わった取引」と「AIが支払った取引」を分けて数えることが出発点になります。

東南アジアのEC、2031年に4,000億ドル規模へ、代引きは3分の1を大きく下回る:Xendit調査

決済サービスのXenditとEC分析のCubeは、東南アジアのECの市場規模が2031年に4,000億ドル近くに達するとの報告書を公表しました。2025年は1,970億ドルで、6年でおよそ2倍になる計算です。Shopee、Lazada、TikTok Shopの3大モールの合計は、2026年第1四半期に前年同期比33%伸び、四半期の取扱高は290億ドルから390億ドルに増えました。

支払いでは、2019年に取引のおよそ半分を占めた代金引換が、今では3分の1を大きく下回っています。報告書は、2027年には地域のEC取扱高の25%を下回ると見込みます。代わりに何が使われるかは国によって異なり、加盟店は国ごとに違う決済手段への対応を迫られています。

東南アジアに売る事業者にとっては、代引きの縮小は歓迎すべき変化ですが、国ごとの決済の作り分けという負担は残ります。

企業動向・提携

エリクソン、B2Bの見積もりを2週間から数秒に、次はAIエージェントに作成を任せる検討

通信機器大手のエリクソンは、SAP Commerce Cloudを使い、契約ごとの商品、見積もり、注文を顧客が自分で扱えるようにしました。複数年の枠組み契約にもとづく取引が多く、以前は営業担当が契約条件を確かめながら手作業で見積もりを作っていたため、2週間以上かかることもありました。今では多くの依頼が数分から数秒で終わります。

次の段階として、同社はAIエージェントに見積もりを作らせる方法を検討しています。顧客の依頼を読み、関係する契約の情報を探し、提案を組み立て、見積もり案を人の確認に回すという流れです。最終的な判断は社員が担います。

B2Bで、まず手作業をデジタル化し、そのうえでエージェントに任せるという順番を踏んでいる事例です。

Flipkart Internet、2026年3月期の売上18%増、赤字は縮小、上場を視野に

Walmart傘下のインドのEC大手Flipkartグループの中核会社Flipkart Internetは、2026年3月期(FY26)の連結売上が前年度比18%増の1兆4,588億ルピー(14万5,880クロール)になりました。純損失は17億8,000万ルピー減り、846億8,000万ルピーでした。The Economic Timesが登記当局への届け出をもとに報じています。

粗利益率は前年から改善し、調整後の営業損失は約160億ルピー縮小しました。調整後の営業利益率は2.3ポイント改善しています。Flipkartはグループの組織の再編を進めており、株式の上場を視野に入れています。

インドの祭事セールが続くなか、最大手のひとつが赤字の縮小を示したことになります。上場に向けては、成長と収益性の両立をどこまで示せるかが焦点です。

広告・リテールメディア

インドのMyntra、Instagramでアフィリエイトを全面展開、1か月で100万人が登録

インドのファッションECMyntraは、Metaと組み、Instagramでのアフィリエイトの仕組みを全面展開しました。クリエイターは投稿やリールにMyntraの商品を直接タグ付けし、そこからの購入で報酬を得られます。6月に始めたFacebookでの連携に続く取り組みです。

Instagramでは1か月で100万人超が登録し、20万人のクリエイターがすでに投稿を作りました。Facebookでは130万人が登録し、65万人超が活動しています。InstagramとFacebookでの投稿は合わせて約300万件にのぼり、Myntraへの目立った来訪につながっているといいます。

祭事セールの時期に合わせ、クリエイターの投稿は2倍に増えると同社は見込んでいます。SNSでの発見から購入までの導線を、モールが自ら太くしにいく動きです。

グローバルEC動向

中国の「ダブル11」が開幕、天猫はAIと旗艦店、京東は予約販売を廃止

中国の年間最大のセール「ダブル11」が10月15日に始まり、アリババと京東(JD.com)が同じ日に発表会を開き、抖音(Douyin)も同じ日にセールを始めました。天猫(Tmall)はAIと旗艦店を前面に出し、参加ブランドは100万、商品は7,200万点と、いずれも過去最多です。予約販売は15日夜に始まり、本番は20日からです。

京東は3日早く始め、手付金を払う予約販売をやめて直接の値引きに切り替えました。抖音はクーポンの配布先を、本体のアプリからByteDanceのAIアシスタント「豆包(Doubao)」や短編ドラマのアプリ「紅果(Hongguo)」にまで広げています。3社とも、割引を重ねる複雑な仕組みをやめ、単純な値引きに寄せました。開幕前には商務部など7つの当局が、「自動の価格追随」や「ネット最安値」をうたう行為を取り締まる規則を出しています。

即時配送の急成長が従来のECの需要を奪うなか、出店者の関心は取扱高の拡大から利益とリピートへ移っていると記事は伝えています。AIの使い方が、各社の差別化の軸のひとつになりました。

淘宝、海外向けの買い物体験を刷新、AIと人の目で選ぶ商品の仕組みを導入

アリババの海外向けサービスTaobao Tmall Worldは10月15日、越境の買い物体験を全面的に刷新すると発表しました。海外から買える30億点超の商品を土台に、品質、独自性、価格競争力、サービスの4つの基準で、AIと人の目を組み合わせて店と商品を選ぶ「淘宝厳選供給システム」を作りました。

アプリでは推薦のアルゴリズムを見直し、AIショッピングアシスタントを強化し、独自性のあるブランドを紹介する新しいチャンネル「DISCOVER」を設けます。同社によると、海外の利用者の好みは「安さ」から「品質と独自性」へ移っており、2025年のダブル11では1回500元超を買う利用者が前年より10%増えました。

棚から探す検索ではなく、発見から始まる買い物へ切り替えるという方針です。越境の安売りのイメージから抜け出すために、AIによる推薦を柱に据えています。

AliExpress、欧州で無料の会員制度「Elite」を開始、追加5%引きと手間のない返品

AliExpressは10月15日、利用の多い顧客向けの無料の会員制度「Elite」を始めました。招待制で、過去1年に800ドル超を使い、5日以上注文した顧客に自動で適用されます。まずドイツ、英国、フランス、イタリア、スペイン、ポーランド、オランダなど欧州の市場で使えます。

会員は「Elite」の印が付いた数百万点の商品が追加で5%安くなり、毎月1日の「Elite Day」には8%引きになります。対象商品は届いてから15日以内なら、一定の条件のもとで追加の証明なしに返品できます。専用の顧客サポートも付きます。同社の副社長は、初めての無料の会員制度で、料金を取らないことを意識して選んだと述べています。

料金を取らずに優良顧客を囲い込む作戦です。届くまでに時間がかかり返品も面倒という越境ECの弱点を、返品の手間を減らす特典で補おうとしています。

欧州のモール上位100の取扱高、8割が越境販売:Cross-Border Commerce Europe

Cross-Border Commerce Europeの第7回「Top 100 Cross-Border Marketplaces Europe」によると、欧州で活動する上位100のモールの2026年の取扱高は1,758億ユーロになる見込みです。そのうち79.5%にあたる1,398億ユーロが国境を越えた販売です。

来年は上位100の取扱高が約8%増えて約1,900億ユーロ、越境販売は10%増えて1,540億ユーロとなり、比率は81%に高まると予測しています。上位はAmazon、Temu、AliExpressです。

欧州のモールでの売上は、地元の店よりも国境を越えて売る店に偏りつつあります。AliExpressの会員制度のような囲い込みの動きも、この越境の取り合いの一部です。

物流・フルフィルメント

英国で新しい大型倉庫が不足、見込みで建てる倉庫は10年ぶりの低水準

不動産サービスのColliersによると、英国で10万平方フィート超の大型倉庫の成約面積は、2026年の1〜9月に2,180万平方フィートとなりました。一方、借り手を決めずに建てる倉庫の第3四半期の完成は、10年近くで最も少ない水準に落ちました。

今年の成約面積の78%は小売・EC・フルフィルメントの事業者が占めています。上半期には中国のECブランドが大型倉庫の成約の13%を占め、2025年の約6%から増えました。通年の成約は約3,000万平方フィートと見込まれています。

新しい倉庫の選択肢が減れば、賃料が上がりやすくなります。英国で年末商戦に向けて拠点を増やしたいEC事業者や物流会社にとっては、場所の確保が難しくなっています。

まとめ

今日のニュースからは、AIエージェントが「探す」「比べる」の段階から、カートを預かり、支払いを済ませ、店の業務をこなす段階へ広がっていることが見えます。GoogleはUniversal Cartで買い物の途中経過を自社のカートに集め、GlanceはPayPalの決済でアプリの中で買い物を完結させました。LightspeedやWiziShop、QwenWorkは、店主の在庫・商品・販促の作業をAIに任せる道を開いています。

ただし、数字はまだ入り口の段階です。Stripeは9月の急増を語りましたが、Accertifyのデータでは、AIが自ら支払う取引は全体の1%未満です。VGSのアンジェロス氏が指摘したように、エージェントが買っても店と顧客の関係が切れない支払いの仕組みや、Amazonが求めるエージェントの身元の名乗り方といった、ルール作りが追いついていません。

明日以降は、Universal Cartに載る小売の広がりと、年末商戦でエージェント経由の注文がどこまで伸びるかに注目です。