クエリファンアウトとは? AIが裏で検索する言葉を、688本の実例で

クエリファンアウトとは? AIが裏で検索する言葉を、688本の実例で
目次8
  1. クエリファンアウトとは
  2. クエリファンアウトの仕組み
  3. ChatGPTとGeminiの検索クエリを実例で見る
  4. クエリファンアウトがSEOに与える影響
  5. クエリファンアウト対策でやること
  6. AIの検索クエリを確認する方法
  7. よくある質問
  8. まとめ

クエリファンアウト(Query Fan-out)とは、AIが1つの質問をいくつもの検索クエリに分けて同時に検索し、集めたページを参照して答える仕組みです。検索クエリは、検索に使う言葉のことです。

GoogleがAI OverviewsとAIモードの説明で使っている言葉ですが、ChatGPTやGeminiも、答える前に同じように質問を分けて検索しています。この記事では、Googleの公式の説明と、ChatGPTとGeminiが実際に使った688本の検索クエリから、分かれ方、足される言葉、対策、自社で確かめる方法を説明します。

AI検索の対策の全体はAI検索対策(AIO・GEO・LLMO)完全ガイドに、やり方はAIO対策にまとめています。

この記事は、AIの答えを測る診断サービスを提供している AI検索ドック(ステラジェント株式会社)が書いています。

この記事のポイント

  1. AIは質問を検索クエリに分け、同時に検索して、集めたページを参照して答える
  2. ChatGPTは1回の答えで平均4.6本、Geminiは3.1本。別の呼び名や年号を足していた
  3. 対策は、分けられた観点に答えるページと、外のサイトで名前が出る場所を増やすこと

クエリファンアウトとは

この記事では、人がAIに送った文章を「質問」、AIが検索に使う言葉を「検索クエリ」と呼びます。AIがつくる検索クエリは、ファンアウトクエリやサブクエリと呼ばれることもあります。「ファンアウト(fan-out)」は、扇のように広がることを表す英語です。

Googleは、2026年5月に公開した生成AI検索向けの公式のガイドで、クエリファンアウトを次のように説明しています。

ユーザーのクエリに対応するために、モデルがより多くの情報をリクエストし、関連性の高い検索結果を追加で取得するために生成する、同時実行の関連クエリのセットです。

出典:Google 検索セントラル「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」(2026年9月23日更新の日本語版)

同じガイドには、例もあります。元の質問が「雑草だらけの芝生を直す方法」なら、AIは次のような検索クエリをつくる可能性がある、としています。

  1. 芝生に最適な除草剤
  2. 化学薬品を使わずに雑草を除去する方法
  3. 芝生の雑草を防ぐ方法

人が「雑草だらけの芝生を直す方法」と1回検索するかわりに、AIは道具・やり方・予防の3つの観点に分けて、それぞれ検索します。AIが検索しているのは、人が打った言葉そのものではありません。

AI OverviewsとAIモードでの使われ方

Googleは、AI Overviews(Googleの日本語の画面では「AIによる概要」と表示されます)とAIモードの両方が、この手法を使う場合がある、と書いています。

AI OverviewsAIモード
どこに出るかGoogleの検索結果の画面のいちばん上Googleの検索で「AIモード」を選んだ画面
クエリファンアウト使う場合がある質問をサブトピックに分け、それぞれを同時に検索する
向いている質問要点をすばやく知りたい質問さらに調べる、比べる、考える必要がある質問
モデルと手法2つで違う場合があり、示す答えとリンクも変わる同じ
日本で使えるようになった時期2024年8月日本語は2025年9月
AI OverviewsとAIモードのクエリファンアウト(2026年10月時点、Googleの公式の説明より)

AIモードは、2025年9月9日に日本語で使えるようになりました。日本語版の発表では、AIモードは「クエリ ファンアウト」と呼ばれる技術で、質問をサブトピックに分解し、ユーザーに代わって検索を実行する、と説明されています。AIモードそのものの使い方と、企業のサイトの扱われ方はGoogleの「AIモード」とはにまとめています。

GoogleのAIモードの答え。左に答えと地図、右側に根拠にしたページの一覧が並んでいる
GoogleのAIモード(2026年10月7日)。①右側に、答えの根拠にしたページの一覧が出る。どんな検索クエリに分けたかは、画面には出ない

ChatGPTやGeminiも、検索を分けている

「クエリファンアウト」はGoogleの説明で広まった言葉ですが、ほかのAIも、答える前に検索クエリをつくって検索します。

  • Googleは、開発者向けの Gemini API の説明で、Google検索を使う設定にすると、モデルが1つ以上の検索クエリを自動的に生成して実行する、と書いています
  • OpenAIは、開発者向けのウェブ検索の説明で、考えるモデルは検索の進め方を自分で決め、結果を見て検索を続けるかを判断する、と書いています。検索のほかに、ページを開いたり、ページの中で語句を探したりもします

どちらも、検索に使った検索クエリを結果の中に返します。私たちが実際の検索クエリを数えられたのは、このためです(数え方は後の節で書きます)。Microsoft Copilot は、私たちが調べた範囲では検索クエリを外から確かめる方法が見つからず、この記事では扱いません。

そして、いまの主なAIは、「おすすめの〇〇は?」のような相談では、ほぼ必ず検索してから答えます。私たちが計測や診断の会社を探す相談を900回聞いたときも、889回(98.8%)の答えに、検索して参照したページが付いていました(2026年10月1日、ChatGPT・Gemini・Copilot)。AIに相談されたとき、答えの前にはクエリファンアウトがあると考えて進めます。

クエリファンアウトの仕組み

AIが検索して答えるときの動きは、3つに分けられます。この記事では、この3つの言葉を最後まで使います。

動きAIがしていること外から見えること
① 質問を分ける質問の条件や観点ごとに、短い検索クエリをいくつもつくるふつうは見えない。APIなら検索クエリが返る
② 同時に検索するつくった検索クエリで、検索の索引からページを集める見えない
③ 参照して答える集めたページの中身を参照して答えをつくり、根拠のページを示す答えと、引用元のページ
クエリファンアウトを含む、AIが検索して答えるときの3つの動き

Googleは、③のように検索で集めたページを根拠にして答える手法を、検索拡張生成(RAG)、またはグラウンディングと呼んでいます。クエリファンアウトは、その前の①と②、つまり検索を何本にも分けて集めるところです。

集めたページのどこを読み、どれを引用するかの細かい決め方は、各社とも公開していません。公開されているのは、Googleの場合、Google検索のランキングと品質のしくみを土台にして集める、ということです。

人の検索と比べると、違いは次のとおりです。

人の検索クエリファンアウト
検索の言葉を決める人人AI
1回に検索する数1本数本から、調べものの機能では数百本
言葉の形2〜3語のキーワードが多い質問の条件を詰め込んだ長い検索クエリもある
結果の見せ方ページの一覧複数の検索の結果をまとめた1つの答えと、引用元
人の検索と、クエリファンアウト

調べものの機能の数は、Googleが2025年5月に米国向けに発表した AIモードの Deep Search の説明によります。同じクエリファンアウトの手法で、数百の検索を行えるとしています。

ChatGPTとGeminiの検索クエリを実例で見る

では、AIは実際にどんな検索クエリをつくっているのか。私たちは、計測や診断のサービスを探す30問の相談を、ChatGPTとGemini API にそれぞれ3回ずつ送り、裏で使われた検索クエリをすべて記録しました。

ChatGPTGemini API
日時2026年10月2日2026年10月1日
送り方ChatGPTの画面の一時チャット(ログインした状態、会話の履歴とメモリを使わない設定)Google検索によるグラウンディングを使う設定(モデルは gemini-flash-latest)
記録したもの画面が受け取るデータに含まれる検索クエリAPIが返す検索クエリ
回数30問×3回=90回30問×3回=90回
検索クエリの数412本276本
検索クエリを記録した条件

送った相談は、立場や事情を書き込んだ長い文章です(平均209字)。たとえば、次のような相談です。

中堅の食品通販会社で、マーケティング部の課長をしています。AIO対策を検討していますが、費用の相場が分からず(中略)AIO対策を依頼できる日本の会社やサービスを3つ挙げ、費用の目安と、費用に含まれる内容を比べてください。

この相談の1回目で、ChatGPT が使った検索クエリは次の3本でした。

  1. AIO対策 日本 料金 サービス 生成AI 検索 最適化 GEO LLMO 費用
  2. AIO LLMO 対策 料金 日本 会社 サービス 月額
  3. GEO対策 料金 日本 会社 生成AI検索最適化

Gemini API が同じ相談の1回目で使った検索クエリは、次の3本です。

  1. GEO対策 会社 費用 相場
  2. AIO対策 サービス 会社 費用 日本
  3. AI Overviews 対策 支援 会社 費用

相談には「AIO対策」としか書いていないのに、どちらのAIも、GEO対策・LLMO・AI Overviews 対策と言い換えて検索しています。「費用の目安」は、「料金」「月額」「相場」という検索で使われやすい言葉に置き換わりました。AIは、相談の文章を、検索結果が返ってきやすい短い言葉に組み直しています。

1つの質問は、何本の検索クエリに分かれたか

4.6本

ChatGPTが1回の答えで使った検索クエリ(平均)

3.1本

Gemini APIが1回の答えで使った検索クエリ(平均)

0本

ChatGPTで、同じ質問の別の回にも使われた検索クエリ

ステラジェント調べ(ChatGPT 2026年10月2日・Gemini API 2026年10月1日、30問×各3回)

ChatGPTは、1回の答えで3本から10本、平均4.6本(中央値4本)の検索クエリを使いました。Gemini API は2本から5本、平均3.1本(中央値3本)です。どちらも、90回すべてで検索していました。

ChatGPTGemini API
検索クエリの数412本276本
1回の答えあたり3〜10本(平均4.6本)2〜5本(平均3.1本)
1本の長さ(平均)43.9字・8.1語22.2字・5.5語
2段階に分けて検索した回90回中17回なし
具体的な会社名・サービス名が入った回90回中25回90回中9回
同じ質問の3回で重なった検索クエリなし268種類のうち7種類(2.6%)
ChatGPTとGemini APIの検索クエリの違い(30問×各3回)

ChatGPTは、検索クエリの数が多く、1本に多くの言葉を詰め込みます。Gemini API は、人が打つキーワードに近い、短い検索クエリを使いました。同じ相談でも、AIによって検索の仕方がかなり違います。

AIが足した言葉と、言い換えた言葉

相談の文章になかったのに、検索クエリに出てきた言葉を数えました。

足された・変わった言葉例ChatGPTGemini API
別の呼び名に言い換える(LLMO・AIO・GEO など)「AIO対策」の相談で「GEO対策 会社 費用 相場」90回中80回90回中81回
日本語の画面の名前を英語にする「AIによる概要」の相談で「AI Overviews」12回中10回12回中11回
年号を足す「LLMO 計測 ツール 日本 無料 有料 プラン 料金 2026」41本(10.0%)0本
相談にないAIの名前を足す「Perplexity」66本(16.0%)3本
英語だけで検索する「AI search visibility tracking tool free plan ChatGPT Perplexity Gemini pricing 2026」49本(11.9%)2本
語句をかぎかっこで固定する「"AIO対策" 料金 日本 サービス 月額」73本(17.7%)3本
特定のサイトに絞る(site:)「site:(候補の会社のドメイン) LLMO コンサルティング 診断」83本(20.1%)0本
検索クエリに足された言葉・言い換えられた言葉(30問×各3回)

どちらのAIにも共通していたのは、相談にない別の呼び名に言い換えて検索することでした。相談に LLMO・AIO・GEO・AEO のどれかが書かれていたのは90回中39回でしたが、相談にない呼び名を足して検索した回は、ChatGPTで80回、Gemini API で81回ありました。相談に「AIによる概要」と書いた12回では、どちらも「AI Overviews」と英語で検索し、「AIによる概要」のまま検索したのは Gemini API の2回だけでした。

ChatGPTに目立ったのは、年号と英語です。相談には年号を書いていないのに、41本の検索クエリに「2026」が付き、49本は英語だけでした。新しい情報や、海外の情報も集めにいっていると考えられます。

一方で、「比較」「おすすめ」という言葉そのものは少数でした(ChatGPTで23本、Gemini API で24本)。相談に「比べてください」と書いても、AIは「比較」と検索するより、比べる対象になる会社やサービスを先に集める検索クエリをつくっていました。

Googleの特許には、言い換え・暗黙の意図・比較・具体的な会社名や商品名への広げ方など、検索クエリのつくり方の型が書かれています。特許の内容がいまのAIにそのまま使われているかは公表されていません。私たちの記録で多く見えたのは、言い換えと、具体的な会社のサイトに絞る検索でした。

ChatGPTは、候補の公式サイトを確かめに行く

ChatGPTは、90回中17回で、検索を2段階に分けていました。1段目で広く検索して候補の会社を見つけ、2段目で「site:」を付けて、その会社の公式サイトの中を検索します。

  1. 生成AI 検索 参照元 調査 クエリ 追跡 GEO LLMO 日本 会社
  2. AI検索 参照サイト 可視化 LLMO 診断 日本 企業 GEO
  3. site:(候補の会社Aのドメイン) LLMO 診断 引用元
  4. site:(候補の会社Bのドメイン) LLMO コンサルティング 診断

上の4本は、原因の調査を頼める会社を探す相談の1回目の検索クエリです(3本目と4本目の会社の名前は伏せ、一部を省きました)。site: を使った83本のうち51本が、こうした2段目の検索でした。ChatGPTは、すすめる前に、候補の会社の公式サイトに何が書いてあるかを確かめに来ています。

Gemini API は、site: を一度も使いませんでした。一般的な検索クエリだけで集め、引用元にはサービス各社のサイトやプレスリリースの配信サイトが多く並びました。

会社名やサービス名を、そのまま検索することもある

ChatGPTは、site: を付けずに、会社名やサービス名をそのまま検索に入れることもあります。

  1. "Profound" AI visibility platform ChatGPT Gemini Perplexity brand visibility citations prompts
  2. "Peec AI" ChatGPT Gemini Perplexity visibility tracking prompts countries languages

上の2本は、継続して測るツールを探す相談の検索クエリです。私たちの記録では、名前をそのまま入れた検索は、海外で広く知られた計測ツールに集中していました。一方、日本の計測・診断のサービスは、まず「LLMO 診断 日本 企業」のような一般的な言葉で検索して候補を見つけ、そのあと site: で公式サイトを確かめる形でした。

日本の宿を探す相談でも、ChatGPTは候補の宿の名前をそのまま検索していました。ChatGPTの画面では、検索している間だけ、使っている検索クエリが表示されます。

ChatGPTが答えをつくっている途中の画面。「Searching 箱根 花紋 部屋食 大浴場 公式」と、使っている検索クエリが出ている
ChatGPTの画面(英語の表示、2026年10月8日)。「小学生の子ども2人と箱根に1泊します。夕食は部屋食で、温泉が広い宿を3つ教えてください」という相談で、①候補の宿の名前を入れて検索していた

ここから考えられるのは、AIがすでに名前を知っている分野では名前から検索し、まだ名前が定まっていない分野では一般的な言葉から検索するということです。名前を覚えてもらう取り組み(LLMO対策)と、一般的な言葉で見つけてもらう取り組みは、どちらも検索クエリの入り口になります。ただし、これは1つの分野での観察で、分野や質問によって変わります。

検索クエリが違えば、集まるページも変わります。ChatGPTは会社の公式サイトを、GeminiとCopilotは比較記事を多く引用していました。AIごとの引用元の違いはChatGPT・Gemini・Copilotの違いにまとめています。

同じ質問でも、検索クエリは毎回変わる

ChatGPTの412本は407種類で、同じ質問の別の回に同じ検索クエリが使われたことは、30問とも一度もありませんでした(重なった5本は、1回の答えの中でのくり返しです)。Gemini API でも、質問ごとに数えて268種類のうち、2回以上使われたのは7種類(2.6%)だけでした。

検索クエリの言葉は毎回入れ替わりますが、観点は似ています。さきほどの費用の相談なら、3回とも「呼び名」「料金・費用」「会社・サービス」の組み合わせでした。1回の記録の言葉に合わせるのではなく、くり返し出てくる観点を見ることが大切です。

出典

クエリファンアウトがSEOに与える影響

Googleは、2026年5月の公式のガイドで、生成AI検索に向けた最適化も「SEO であることに変わりはありません」と書いています。AI OverviewsとAIモードは、Google検索のランキングと品質のしくみの上で、検索で集めたページを根拠にして答えるからです。

ただし、クエリファンアウトがあるので、元の言葉で上位にいるページだけが引用されるわけではありません。AI Overviewsの引用元を400万件調べた調査(Ahrefs、2026年3月)では、元の言葉で上位10件にいたページは38%でした。私たちがAI検索の対策に関する100語を3回ずつ検索したときも、引用元のうち同じ検索の上位10件と同じページは45.4%でした(2026年10月6日、くわしくはAI Overviews・AIモード対策)。

順位を見るだけでは、AIの検索に入っているか分からない

AIは、元の言葉ではなく、分けた検索クエリで集めたページを参照して答えます。元の言葉で上位を取ることに加えて、分けられた観点に答えるページがあるかが効きます。

検索クエリの形も、人の検索と違います。私たちの記録では、ChatGPTの検索クエリは平均8.1語で、別の呼び名・年号・英語が混ざっていました。こうした言葉は、キーワードツールで調べる検索数にはほとんど出てきません。人の検索数だけを見て言葉を選ぶと、AIの検索クエリを取りこぼします。

クエリファンアウト対策でやること

対策は、3つの動きに合わせて「まず知る → 自社サイト → 外のサイト」の順に進めます。

  1. 自社の分野で、AIが何を検索しているかを知る
  2. 自社サイトで、分けられた観点に答える
  3. 外のサイトで、名前が出る場所を増やす

自社の分野で、AIが何を検索しているかを知る

最初に、お客様がAIにしそうな相談で、実際にどんな検索クエリが使われているかを記録します。手順は、後の「AIの検索クエリを確認する方法」で書きます。記録した検索クエリを、呼び名・条件・料金・年号・会社名のような観点に分けて数えると、自社サイトで答えるべきことが見えてきます。

自社サイトで、分けられた観点に答える

1

観点ごとに、見出しで答える

料金・対応できる範囲・向いている会社・ほかとの違い・使う場面など、分けられた観点に、1つのページの中で見出しを立てて答えます。見出しのすぐ下に答えを書きます。

2

公式サイトに、事実をはっきり書く

ChatGPTは site: で公式サイトの中を確かめに来ます。サービス名・料金・対象・実績を、読める文字で書いておきます。

3

呼び名と時期を書く

AIは別の呼び名や年号を足して検索します。お客様が使う呼び名の違いに本文で触れ、情報がいつのものかを書きます。

検索クエリごとにページを分けて増やす必要はありません。Googleは、AIの検索クエリに合わせてページを量産することを、はっきり止めています。

Google 検索のランキングや生成 AI の回答を操作することを主な目的としてそのようなコンテンツを作成することは、Google の 大量生成されたコンテンツの不正使用に関するスパムポリシー に違反します。

出典:Google 検索セントラル「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」(2026年9月23日更新の日本語版)

同じガイドで、Googleは、AIのシステムは検索クエリとページの中身が完全に一致しなくても、ページの関連性を理解できるようになった、とも書いています。言葉をそろえるより、観点にきちんと答えることを優先します。

外のサイトで、名前が出る場所を増やす

AIが分けた検索クエリで集めるのは、自社サイトだけではありません。「〇〇対策 会社 費用 相場」のような検索で返ってくるのは、多くが比較記事やまとめのページです。私たちの900回の計測でも、引用元の多くは第三者の比較記事やプレスリリースの配信サイトでした。

そのため、比較記事への掲載の依頼、プレスリリース、口コミ、業界のメディアでの紹介など、AIが集めるページの中で自社の名前と特徴が書かれている場所を増やすことも、クエリファンアウト対策です。進め方はAIO対策にまとめています。

しなくていいこと

  • Googleが不要と説明

    AI専用のファイルや、特別な構造化データ

    Googleは、AI OverviewsとAIモードに出るために、新しいファイルや特別な schema.org のマークアップは要らない、と書いています。ほかのAIに効くかは、まだ分かっていません。くわしくはllms.txtとは? 意味ないと言われる理由と、構造化データのAI検索での効果にまとめています。

  • Googleが不要と説明

    本文をAI向けに細かく区切る、書き方を変える

    Googleは、AIのためにコンテンツを細かく分ける必要はなく、理想のページの長さもない、と書いています。人が読みやすい構成で十分です。

  • まだ分からない

    シミュレーターで出した検索クエリに合わせること

    AIで分け方を推測するツールの出力は、実際の検索クエリではありません。実際の記録と分けて扱います。

AIの検索クエリを確認する方法

AIが使った検索クエリは、AIの画面にはふつう表示されません。確かめる方法は、次のとおりです。

方法分かること気をつけること
Gemini API(Google検索によるグラウンディング)モデルが実行した検索クエリと、引用元AIモードやAI Overviewsそのものの検索クエリではない。同じGoogle検索を使うAPIでの参考の値
OpenAIのAPI(ウェブ検索のツール)検索の動きの記録に、検索クエリが入る公式の説明では、検索クエリは「ふつうは含まれるが、いつもではない」。ChatGPTの画面と同じ動きとは限らない
ChatGPTの画面検索している間だけ、使っている検索クエリが画面に出る。画面が受け取るデータの中にも含まれることがある画面の表示はすぐ消える。すべてを残すにはデータを記録する必要があり、手間がかかる。画面の更新で取り方が変わる
Search Console人が検索した言葉と、AI OverviewsとAIモードでの表示回数生成AIパフォーマンスレポートで見られるのは表示回数で、AIが分けた検索クエリの切り口はない
分け方を推測するツール分かれ方の見当実際の検索クエリではなく、推測
AIの検索クエリを確かめる方法(2026年10月時点)

いちばん手軽で確かなのは、Gemini API です。Google検索を使う設定で質問を送ると、答えと一緒に、モデルが実行した検索クエリが返ってきます(説明書の形では google_search_call の queries、私たちが使った generateContent の形では groundingMetadata の webSearchQueries)。

  1. 相談を5〜10個書く。 お客様が実際にAIにしそうな相談を、立場や条件も入れた文章で書きます。社名は入れません
  2. 同じ相談を3回以上送る。 検索クエリは毎回入れ替わるので、1回では判断しません。新しい会話で送ります
  3. 検索クエリと引用元を記録する。 送った日時・AI・検索クエリ・引用元のページを、表にためていきます
  4. 観点ごとに数える。 呼び名・条件・料金・年号・会社名などに分け、何回出たかを数えます
  5. その検索クエリで検索してみる。 上位に何が出るか、自社サイトと外のサイトに、その観点に答えるページがあるかを見ます

引用元のページの調べ方は、AIの引用元の調べ方でくわしく書いています。

AI検索ドックの診断では、ChatGPT・Gemini・Copilotに同じ質問を10回ずつ聞いた答えに加えて、AIが裏で使った検索クエリと引用元のページも記録して報告しています。この記事の数字も、その測り方で取ったものです。

よくある質問

クエリファンアウトとは、簡単に言うと何ですか?

AIが1つの質問を、いくつもの検索クエリに分けて同時に検索し、集めたページを参照して答える仕組みです。Googleが、AI OverviewsとAIモードの説明で使っている言葉です。

クエリファンアウトはGoogleだけの仕組みですか?

Googleだけではありません。ChatGPTと Gemini API も、答える前に質問を検索クエリに分けて検索していました(ChatGPTは1回の答えで平均4.6本、Gemini APIは3.1本、2026年10月)。Copilotは、私たちが調べた範囲では検索クエリを外から確かめる方法が見つかっていません。

1つの質問は、何本の検索クエリに分かれますか?

AIと質問によって変わります。私たちが30問を3回ずつ送ったときは、ChatGPTが1回の答えで3〜10本、Gemini APIが2〜5本でした。Googleは、AIモードの調べものの機能(Deep Search)では数百の検索を行える、と2025年5月に米国向けに発表しています。

AIが使った検索クエリは、画面で確認できますか?

ChatGPTやGeminiの画面には、ふつう表示されません。Gemini APIやOpenAIのAPIを使うと、答えと一緒に検索クエリが返ってきます。手軽に確かめるなら、Gemini APIで同じ相談を3回以上送って記録する方法です。

Search Consoleで、AIの検索クエリは見られますか?

見られません。生成AIパフォーマンスレポートで見られるのは、AI OverviewsとAIモードでの表示回数で、ページ・国・日付・デバイスごとの切り口です。AIが分けた検索クエリは出ません。

クエリファンアウトツール(シミュレーター)は使えますか?

分かれ方の見当をつけるには使えます。ただし、出てくるのはAIが推測した検索クエリで、実際にAIが検索した言葉ではありません。対策の判断には、Gemini APIなどで記録した実際の検索クエリを使います。

検索クエリごとにページを作るべきですか?

作らないでください。Googleは、AIの検索クエリに合わせてページを量産することは、スパムポリシーに違反すると書いています。1つのページの中で、分けられた観点に見出しを立てて答えます。

構造化データやllms.txtは必要ですか?

AI OverviewsとAIモードには要らない、とGoogleは書いています。ほかのAIに効くかは、まだ分かっていません。

従来のSEOは意味がなくなりますか?

なくなりません。AIは検索の索引からページを集めるので、索引に載り、検索で見つかることが前提です。Googleも、生成AI検索の最適化はSEOであることに変わりはない、と書いています。そのうえで、元の言葉の順位だけでなく、分けられた観点に答えるページがあるかを見ます。

検索クエリが毎回違うなら、何を目安にすればいいですか?

言葉ではなく、くり返し出てくる観点を見ます。ChatGPTでは、同じ質問の別の回に同じ検索クエリが使われたことはありませんでしたが、呼び名・料金・会社名といった観点は毎回似ていました。同じ相談を3回以上送って、観点ごとに数えます。

クエリファンアウトとRAGは何が違いますか?

RAG(検索拡張生成)は、検索で集めたページを根拠にして答える手法の全体で、Googleはグラウンディングとも呼んでいます。クエリファンアウトは、そのうち、検索を何本にも分けてページを集めるところです。

まとめ

クエリファンアウトは、AIが質問を分け、同時に検索し、集めたページを参照して答える仕組みです。私たちの記録では、ChatGPTもGeminiも、相談にない別の呼び名を足し、ChatGPTは年号や英語、公式サイトに絞る検索まで使っていました。AIが検索しているのは、お客様が打った言葉そのものではありません。

  • 自社の分野の相談で、AIが実際に使う検索クエリを、3回以上記録する
  • 検索クエリを観点ごとに数え、自社サイトの1つのページの中で、観点ごとに答える
  • 公式サイトに、サービス名・料金・対象・実績を読める文字で書く
  • 比較記事やプレスリリースなど、外のサイトで名前と特徴が書かれる場所を増やす
  • 検索クエリごとのページの量産はしない

最初の一歩は、お客様がAIにしそうな相談を1つ決めて、Gemini APIで3回送り、返ってきた検索クエリを書き出してみることです。

この記事を書いた人

AI検索ドック研究チーム

AI検索ドックで、ChatGPT・Gemini・Copilotなどの答えを調べているチームです。お客様がAIにしそうな相談をくり返し聞き、どの会社や商品の名前が出るか、AIが裏で何を検索し、どのページを引用したかを記録しています。自社の計測や業種ごとの調査、診断で集めた回答をもとに書いています。運営はステラジェント株式会社です。

関連記事

ブログの記事一覧へ「AIの仕組み」の記事をもっと見る